ソーシャルグルメガイドRettyの月間閲覧者数が200万人を突破ーー100万人突破から約4カ月、アプリからSEOへの転換を聞く

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ソーシャルなグルメサービスRettyが月間100万人の閲覧ユーザー数(ユニークブラウザ数)を突破したのが2013年10月、それから約4カ月でその数は倍増した。Rettyは3月6日、2月時点での閲覧ユーザー数が200万人を突破したことを発表した。代表取締役の武田和也氏によれば、現時点で毎月120%ほどの順調な成長を続けており、口コミの投稿件数は80万件を超えたということだった。

2013年12月には3億円を超える調達も実施、新オフィスに拡大移転した武田氏に話を聞いた。

ソーシャルメディアで口コミ情報を獲得、閲覧ユーザーはSEOで

「SEOは1年ぐらい前からしっかりやると振ったんですね。それで開発準備して昨年5月にリニューアルしました。反映されるまでに3カ月ぐらいはかかりましたけど、8月になると効果が出てきて。検索流入は爆発的に増えました」(武田氏)。

Rettyが公開された頃はソーシャルメディアの話題が丁度盛り上がってきたところ、やはり彼らも新しいトラフィックからの期待を元にサービス設計をしていた。実際、通常のヤフーやGoogle検索では圧倒的な力を誇るぐるなび、食べログといったプレーヤーに勝つことは難しい。

「やはり初期は(facebookやTwitterなどの)ソーシャルメディアで店舗情報や口コミ情報を獲得しました。ただ、情報をためるために時間かかりましたね。2011年6月に公開ですからおよそ2年ほどです」(武田氏)。

結果としてゆるやかながら、Rettyのファンを一定数獲得することに成功し「15万店舗ぐらいの口コミ情報が50万件ぐらい登録されている状態」になった段階でSEOをかけたところ、グーグルにも評価されて今回の流入増に繋がった、ということなのだそうだ。ソーシャルで味方を増やし、SEOで閲覧を増やす、武田氏の計画通りに進んでいるようだ。

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アプリからウェブへの方向転換

ただ、武田氏も当初からSEOに振ることは考えていなかった。

「計画通りだったらもう少しいってたかな。最初はアプリのダウンロードだけでいこうと考えた時期もありましたが、ブラウザでの閲覧が伸びているんですね。アプリだけで展開していては限界があるし、そもそもレストラン業界の構造が分かってなかった。こういう(SEOも強化する)方向転換をしないとスケールしないなと理解しましたね」(武田氏)。

ソーシャルメディア、スマートフォンアプリ。この二つのワードである時大量のグルメ系アプリが誕生したのはご存知かもしれない。数年前に盛り上がったこの話題も、最近では一部の固定ファンを獲得しつつも、食べログやぐるなびといった先行者の牙城を崩すまでには至ってない。

武田氏にこの先、まだ続く道のりをどこまで進むのか、Rettyの限界はどこにあるのか尋ねてみた。以下、武田氏との一問一答。

ーー武田さんはRettyで一番大切にしてるものって。

スマホが中心になるお店探しというものの追求をしていきたいと思っています。この分野でのナンバーワンのユーザー体験を提供するために何が必要か。

それはユーザーを第一に考えることです。ロジカルに説明が難しい箇所でもありますが、ユーザーを考えるとよいサイクルが生まれるイメージでしょうか。人って何かしら上手くいく時って、想いのようなものに感化され、それがメンバーにも伝わって継続が可能になるんですね。

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ーーどういう数字が限界点にあるのでしょうか。

国内で3,000万人や4,000万人という数字はいけると思ってます。だから並行して海外展開もしてるんです。サービス名の「Retty」ってレストランとレコメンドの「Rett」にハッピーの「Y」をくっつけてできてるんです。日本だけで完結したくなかったから日本語を入れなかった。本当だったら分かりやすい方がいいんですけどね。

ーー結構しんどそうな時期もありましたけど、武田さんを突き動かしてるものってなんなんでしょうかね。

世界同時にスマートフォンやfacebookといったプラットフォームが普及しているなんて、こういうチャンスってなかなかないと思うんです。このタイミングでやれるならいけるところまでいこうって。

食が好きだからっていうのはありますけど、渡米した時、改めて日本のレストランの提供レベルや来店するお客さんの質って世界一だなって思ったんです。イノベーションって一番進んだところで起こると信じてるんですね。国が豊かであればあるほど、課題のレベルも高いですし。世界でもっとも進んだ領域で戦わない限り、世界に出ることは無理です。そう考えると、食やゲーム、コンテンツといったいくつかに絞られるんですよ。

食を通じて人々をハッピーにするっていうのには、いろんな方法があるわけです。重要なのはハッピーになれるのであれば、形はどんなものでもいいということです。柔軟に考えないといけません。

彼らが掲げる「グルメ3.0」の世界はそう遠くないかもしれない。

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