先日開催された Photo Hack Day Japan で上位に入賞したアイデアのいくつかとして、「Back to the Future」や「Before the Filter」を取り上げた。しかし、私は言葉を学ぶために暗記カード・アプリをよく使っているので、Photo Hack Day で披露されたもう一つのプロジェクトにも関心を抱いた。Atsushi Onoda、Hiroshi Kanamura、Shinichi Segawa、Yasushi Takemoto の4人からなるチームが考案した辞書アプリ「Vocagetty」がそれだ。Getty Images API を用いて、学ぼうとしている単語に結びつけられた写真を検索し、Imagga API でそれらの写真が適当な大きさに切り抜かれて表示される。
このアイデアは、写真を使って言葉や考え方を捉えやすくしようというもので、効果的な学習に役に立つ。ハッカソンで私は Vocagetty に心を動かされ [1]、同チームは3位の座を獲得、10万円の賞金が贈呈された。Onoda 氏によれば、彼らは今後も Vocagetty の開発を続け、4月にリリースする計画だ。
市場には、既に多くの似たような学習サービスやアプリが存在する。しかし、あらゆる目的に対応できるソリューションを提供する企業もあれば(例えば、Anki や Memrise など)、日本語、医学用語、元素周期などニッチ分野をターゲットにした企業もあり、面白い分野と言ってよい。
暗記カードによる言語学習サービスが、文字のみに頼った学習方法を補う好例として、Vocagetty が画像ソリューションを取り入れているのはうれしいことだ。
関連して、私は最近(ずいぶんと久しぶりに)前述の Anki のウェブサイトを訪れた。Anki には多くのアドオンが提供されているが [2]、そのうちの一つをインストールして、単語の自動発声機能を試したかったからだ。多くのサービスでは予め対応した暗記カードしか音声を再生できないが、Anki では自分で追加したカードにも音声を登録することができ、大変便利だ。
しかし、この分野の多くの企業が想定している利用シーンは、ウェブを閲覧していて出て来た単語からカードを作るという手順ではないだろうか。単語や文章を見つけてくる上でこのやり方は、ほとんどの暗記カードで既に導入されている。[3] 理想を言うなら、モバイルやPCブラウザ用の JavaScript ブックマークレットを使えるようにしてくれれば、ウェブサイトを閲覧しながら新しい単語を追加していけるのにと思う。
Vocagetty がサービスをどの方向に進めるのか大変楽しみだ。今春、彼らからの発表があるのを待つことにしよう。近日中に、Vocagetty にも引けを取らない、Photo Hack Day Japan で披露された他のサービスをいくつか紹介するつもりなので、乞うご期待。
- 全面的に開示するなら、私はこのコンテストを支援すべく、審査員の一人として参加したことを記述しておくべきだろう。 ↩
- 私は、AwesomeTTS を追加した。↩
- 作りが雑であることを除けばクールな Surusu のことで、これは AJATT (All Japanese All The Time)の人物によるプロジェクトである。↩
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