フリーミアムモデルの決済プラットフォーム「SPIKE」が日本でのオープンベータを開始

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2014.4.14

SPIKE(スパイク)_-_決済手数料0%のオンライン販売サービス

今回は本当に日本で開始だ。

Metaps Pte. Ltd.(以下、メタップス)は4月14日、オンライン決済プラットフォーム「SPIKE」の日本国内におけるオープンベータ提供を開始した。SPIKEはウェブベースでの決済が可能なサービスで、事業者はユニークなリンクURLを設置するだけで決済サービスを利用開始できる。

特徴的なのはビジネスモデルで、従来、決済システムには初期設定費用や決済ごとの数パーセントの手数料、および、トランザクションフィーという数十円の課金が発生するのが通常だった。SPIKEはこのモデルを「フリーミアム化」することにチャレンジしている。

具体的なプランは個人事業主や小規模事業者向けの「フリープラン」と中規模事業者向けの「ビジネスプレミアム」に分かれ、フリープランは初期費用、月額費用、決済手数料などが全て無料。月間100万円までの決済が利用可能になっている。

価格_-_SPIKE(スパイク)

ビジネスプレミアムは月額3,000円での提供になり、月間1,000万円までの決済は手数料無料、それを超える取引については2.5%の手数料と30円のトランザクションフィーが発生するとしている。今回のオープンベータではフリープランのみの開始となり、また、ビジネスプレミアム版では開発者向けのAPIの提供も予定されている。

さて、今回は日本での展開だ。もう少し詳しく掘り下げよう。メタップス代表取締役の佐藤航陽氏に話を聞いた。以下一問一答でお伝えする。(以下、敬称略)

筆者:どちらかというとStripeやBraintreeといったAPI指向の開発者向けツールよりも、PayPalの形式でビジネスモデルを変革している、という認識を持ってますがそれであってますかね?

佐藤:サービスを使ってもらいたい人は決済を簡単に使いたいけどプログラミングができない一般の方々です。意識しているわけではないですが、現在PayPalを使っている方やPayPalが複雑でわかりにくいと思っている方は対象になりますね。

筆者:細かい点をいくつか。リリースによるとフリープランは完全に無料を目指すとされています。この「完全無料」というのは決済上限がなくなることを意味してますか?

佐藤:サービスの拡大に比例させて決済上限額を引き上げて、最終的には上限なしで無料で使えるような形を目指しています。決済を起点に現実世界の「経済」をネット上で再現したいと思っているので、全体像が見える頃には実現は難しくないかなと思っています。

筆者:アツいですね。ところでフリープランとビジネスプレミアムには個人事業主、小規模事業者と中規模事業者を分けておられますが、この境界線ってどこに設定予定でしょうか。

佐藤:特に明確な分類は置いていないですが、月間数千万規模で事業が回せるあたり、スタートアップでいうとシードからアーリーぐらいから中規模と捉えています。中規模事業者向けのビジネスプレミアムはAPI提供などの別の付加価値なども用意していく予定です。

筆者:なるほど。まだフリープランのみの提供開始ということですからね。ではビジネスプレミアムの提供はどのぐらいの時期になりそうですか?

佐藤:来月(※2014年5月)には試験的にスタートし、夏にはオープンで提供できるようにしたいと考えています。

筆者:ありがとうございました。

SPIKEはかねてから噂の課金決済サービスだった。国内ではコイニーやSquareなどにみられるスマートフォン決済プレーヤーと、米Stripeに類似したWebPayなどの開発者向けAPI提供事業者が新たにスタートアップしており、その激しい戦いは徐々に目新しさやアイデアといったポイントから、決済手数料という数字にフォーカスが移りつつあった。

そんな中、SPIKEが完全無料を掲げてステルス的に準備を進めていたため、その全貌に興味を持っていた事業者も多いはずだ。もし、メタップスの戦略がしっかりワークすれば、これに流れる事業者は多いと予想される。

ちなみにメタップスの中心的な事業はAndroidアプリのマネタイズプラットフォームだ。2007年創業の同社の現在の状況を佐藤氏に聞いたところ、世界8拠点で事業を推進。顧客となるゲーム系デベロッパーの数は数千規模、SDKを導入しているAndroidアプリの累計ダウンロード数は12億から13億に到達するという。この数字はGoogle Playの累計ダウンロード数の60回に1回というのだからその規模感は分かるだろう。

シンガポールに本社拠点を構える同社の売上は2、3割が日本、それ以外が中華圏と東アジアとなり、その売上規模は数十億に到達しているとのことだった。

Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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