新経済サミット〜パネル・ディスカッション「VCは、起業家をどう支援できるか?」 #NES2014

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左から:David Lee(SV Angel)、田中章雄氏(Infinity Ventures LLP)、George Kellerman(500 Startups)

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

これは、新経済サミット2014の取材の一部だ。更新内容は、Twitter@thebridge_jp からもフォローできる。

先週、ここ東京で開催された新経済サミットの2日目、日本や海外でベンチャーキャピタリストがどのように起業家を支援できるかを論じるパネルがあった。このセッションは、ライフネット生命保険の社長兼COO 岩瀬大輔氏がモデレートした。パネリストは、

  • David Lee(SV Angel 創業者兼マネージングパートナー)
  • 田中章雄氏(Infinity Ventures LLP 共同代表パートナー)
  • George Kellerman(500 Startups マネージングパートナー&ファイヤーチーフ)
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David Lee (SV Angel)

セッションの冒頭、SV Angel の David Lee は簡単に自分の会社の説明をした。2009年の設立以降、SV Angel は アーリーステージの頃の Twitter、Pinterest、Square、DropBox、AirBnB など有名スタートアップに投資してきた。

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田中章雄氏(Infinity Venture Partners)

Infinity Venture Partners(以下、IVP と略す)の 田中氏は、同社の中国での最近のスタートアップ・エコシステムの育成活動について紹介した。IVP が最近設立した北京のスタートアップ・ハブ TechTemple に加え、中国版 Angellist の異名を持つ 36kr(IVP のポートフォリオ)についても少し紹介をした。

日本でスタートアップ・エコシステムを活気づかせるため、彼は大企業が主要な役割を果たすべきだと強調した。アメリカでは、スタートアップ・エコシステムで資金や人材を還流させることを通じて、大企業がスタートアップを支援してきた。中国でさえ、Baidu(百度)や Tencent(騰訊)のような大企業は、スタートアップを買ったりビジネスモデルをコピーするのではなく、彼らに投資するようになっている。

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George Kellerman (500 Startups)

500 Startups の George Kellerman は、彼の会社が過去4年間に700社以上に投資してきたと語った。日本の大企業が150兆円を内部留保していることを指摘し、彼らが最低でもその0.1%をスタートアップ・エコシステムを活気づかせるために使うべきだと指摘した。そのやり方としては、スタートアップを買収したり、ファンドを組成したり、既存のファンドに投資したりすることが考えられる。もう一つの重要な努力として、より多くの女性を職場に入れるべきだ、と彼は語った。

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投資家がどのように起業家を支援できるかとの質問に、Lee は投資家の最も重要な役割の一つは、メンターやロールモデルになることだと述べた。

資金を提供するのに加え、投資家は起業家が良い人材を雇用するのを助け、彼らのビジネス開発や実務全般にアドバイスしなければならない。若い起業家は、人をマネージメントした経験は無いのだから。

Kellerman は付け加えた。

多くのベンチャーキャピタリストは、テック業界での実務の経験がある。500 Startups の創業者 Dave McClure は PayPal でエンジニアリングのヘッドを務めていたし、私も Yahoo や Dell で働いていた。投資家にとって、お金は簡単な部分だ。お金は代わりが効く。投資家は実務経験の知識を、スタートアップに伝授しなければならない。

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