Tencent(騰訊)のWeChatとタイアップし、Candy Crush Sagaが中国に上陸へ

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 ロンドンを拠点とするKing Digital Entertainmentが制作したメガヒットモバイルゲームCandy Crush Sagaが、爆発的な人気を誇るメッセージアプリ、TencentのWeChatに組み込まれて配信されることになったとWall Street Journalは報じている。TencentはTech In Asiaに対し、中国語版を今夏にも配信する予定だと回答した。

すでにCandy Crush SagaはApp Storeや、Baiduなどの一部の国内Androidアプリストアからダウンロード可能だ。しかし中国語版Candy Crushは、このゲームが国際市場に急速に広まるのに一役買ったソーシャルシェアの機能は含まれていない。

あくまで個人的な意見だが、BaiduのアプリストアではCandy Crush Sagaのタイトル以外は中国語にローカライズされておらず、またFacebookアプリへの連携を進めていることから、必ずしも中国の消費者を獲得しようとしているとは思えなかった。

おそらくこれが理由で、同ゲームは他地域ほどの良い成果を中国ではあげられていないのだろう。App Annieの以下のグラフからCandy Crush SagaのApp Storeゲームカテゴリ内の実績が確認できるが、過去90日間のデータを中国と比較すると、アメリカではこのゲームの人気がはるかに高いことが分かる。

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モバイルゲーム産業は一発屋で成り立っているかもしれないが、Candy Crush Sagaの場合、Kingはヒット中の大ヒットをたたき出したといえる。2013年にKingはマッチ3ゲームであるCandy Crush Sagaで推定15億4000万米ドルを生み出し、その年のKingの収益の70%以上を占めた。

TencentがKingと収益分割に関するどのような契約を締結したのか、そしてそのような契約は果たして実際に結ばれたのかは明らかではない。しかしそんなに高い数値があれば、ほぼ全てのソーシャルネットワーク企業はCandy Crush Sagaは多くの目を惹きつけるとともに、大量のお金も惹きつけるという認識を持ったに違いない。

もちろんここでの本当の勝者はKingである。コンシューマー向けメッセージアプリの普及度が高い市場において、これらのアプリを所有する企業はユーザに自社のゲームを売り込みやすい特別の立場にある。現在台湾のApp Storeの売上上位10ゲームのうち、3つがLineと、韓国の売上上位10ゲームのうち8つがKakaoと提携していることは驚くべきことではない。

中国では既に何百万人もの中国人がWeChatで人気カジュアルゲームシリーズ「Tian Tian」の虜となっている。結果的には、Kingがその「キャンディーのように甘い」ブランドを提供するにはWeChatが最適のプラットフォームとなるわけだ。

WeChatは現在3億5500万以上の月間アクティブユーザ数を有し、そのうち大多数がおそらく中国に在住している。現在WeChatの売上はTencentの総売上のわずかな割合を占めるにすぎないが、Candy Crush Sagaのようなゲームがアプリに統合され、大小多くの企業が同社の決済サービスを利用し始めることにより、この現状も変わってきそうだ。

via Tech in Asia【原文】

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