「鬼のように実行する仕組みと風土を作る」ーー隠れたキーマンを調べるお・クラウドワークス成田氏インタビュー

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」

昨今注目を浴びるクラウドソーシング。国内でも様々な企業がクラウドソーシングに参入しています。その中でもひときわ注目を浴びているのがクラウドワークス。代表の吉田浩一郎氏はドリコムの執行役員として上場を経験し、その後「インターネットを活用した時間と場所にこだわらない働き方」に着目しクラウドワークスを設立しました。

大型資金調達をおこなうなど急成長中の企業。そのクラウドワークスの中でキーマンとして活躍するのが執行役員の成田修造氏。今回はそんな成田氏にインタビューをしてきました。

起業挫折を経験し、インターンからの再出発

大柴:成田さんとは去年1月、サムライインキュベートのイベントでご挨拶して以来ですが、ソーシャル上などでご活躍は拝見しております。前回の記事をアップした後に「次誰にしようかな」と悩んでたのですが、何人かから「クラウドワークスの成田さんとかどう?」って言われて「確かに!」と。

成田:誰が言ってたんですか(笑) いや、ありがたいです。

大柴:成田さん、今おいくつなのですか?

成田:24歳ですね。クラウドワークスに関わってもうすぐ丸2年になります。

大柴:クラウドワークスのサービスがリリースされてから3月で丸2年なので、本当に初期から参画されているんですね。現在何名くらいいらっしゃるのですか?

成田:インターン含めて40名程です。

大柴:結構増えましたね!成田さんも最初はインターンだったのですか?

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成田:そうですね。2012年6月にインターンとしてクラウドワークスに参加し、その後8月くらいから本格的に働くようになって、11月に正式に社員になるとともに執行役員に就任しました。同じタイミングで佐々木(佐々木翔平氏)も取締役に正式に就任しました。

大柴:2012年11月はクラウドワークスの組織的な礎が固まった重要な時期だったんですね。ところで、どういうきっかけでクラウドワークスのインターンを始めることになったのですか?

成田:代表の吉田に声を掛けてもらったんです。2012年5月に食事に誘われて「インターンでもしてみない?」って誘われて。それで翌月から働くことに。

大柴:その前って起業されてましたよね?

成田:そうです。大学2年の時にアスタミューゼという会社で正社員として働いていて、営業やマーケティングなどを学びました。そしてアスタミューゼを辞めた後に友人とアトコレという会社を立ち上げたんです。ただ、アトコレでは代表としてVCからの出資も受けたりしたのですが、自分に足りない部分が多く離れることになりました。これは自分にとって大きな挫折でした。

大柴:なるほど。

成田:アトコレを離れて間もなく吉田から連絡もらいまして。吉田は元々演劇をやっていたりと芸術に興味がある人で、アトコレのこともずっと応援してくれていたんです。で、アトコレを離れたと知って連絡をくれたんです。吉田自身も20歳の頃に演劇の公演で失敗して挫折感を味わった経験があり、その時の自分にシンパシーを感じて連絡をくれたそうです。

大柴:なるほど。そういういきさつがあり、クラウドワークスにジョインすることになったのですね。でも再度起業しようと思わなかったのですか?

成田:そういう選択肢もあったし、誘いもあったのですが、当時上手くいける感覚がなくて。自分に足りてないものが多く、再度失敗するイメージしかなかった。それで起業ではなく、クラウドワークスに入り成長しようと思って選択しました。この約2年間どんな仕事も猛烈にやりました。他人に負けないくらい寝食忘れて働きましたし、数々の経験も積みました。でもまだまだです。もっと成長し、成功していかないといけないんです。

鬼のように実行する仕組みと風土を作る

大柴:急成長する組織の中で、現在自分自身で感じる課題は何ですか?

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成田:クラウドワークスを時価総額1,000億円超えの企業にしようと考えてるし、絶対にするとコミットしてるのですが、その時に自分がどのような仕事をしているべきなのかがまだ見えないんです。イメージできないというか。どういう風にチームをビルドアップしていけばいいのかのロジックがまだシャープになっていないんです。メガベンチャーと並ぶには何が必要か?それをいつも考えています。絶対にロジックはあるはずだけど、今はそれがわからない。そこが課題です。

大柴:目線が高いですよね。そして熱い!

成田:目線の高さは起業して社長業を経験したことが大きいと感じています。経営者の目線と現場の目線を併せ持っているのが強みかもしれません。

大柴:吉田さんはどんな人ですか?

成田:自分より15歳くらい上の年齢だけど、チャレンジを続けているのが凄いなぁと思ってます。自分たちの世代にもフラットに接してくれるし、やりやすい環境を作ってくれます。

大柴:吉田さんは、去年は特に各地で講演などで忙しかったように見受けられました。その間、サービスや社内のコミュニケーションなどを担っていたのが成田さん?

成田:そうですね。最近では採用も見るようになっています。

大柴:サービス、マーケティング、経営企画、採用など幅広いですね。そんな中、仕事において一番大切にしてることは何ですか?

成田:実行することですね。

大柴:実行?

成田:はい。吉田をはじめとしたメンバーの考えていることに優先順位をつけて片っ端から実行する。鬼のように実行する仕組みや風土を作る。そのためにまずは自分が鬼のように実行しないと周りがついてこない。率先垂範です。今のメンバーはもっともっとやれるはずだと思っていますし、やりきる風土を作っていかないといけないです。

大柴:率先垂範の考え方は僕も同じです。でもそんだけ広い領域を見ていたらキャパがいっぱいになりますよ(笑)

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成田:そうです。なので、どんどん引継いでいこうと思います。そのためのチーム作りをしています。元々吉田もチームプレイを重視し、周りにどんどん振っていく方なので、そういうのを見習っていきたいです。でも最近は広報や経営企画、CTOの大場(大場光一郎氏)など凄腕のメンバーも増えてきたので、それぞれにタスクが振り分けられるので助かっています。それまでは吉田の依頼の一次受けみたいな感じだったので。

大柴:凄腕のベテラン組と成田さんを筆頭にした若い世代が上手い具合に融合している良いチームですね。

成田:でも正直まだまだです。20代の強いメンバーを増やしていかないといけません。圧倒的に考えながら、圧倒的に量をこなしていくようなメンバーを自分以外にも作っていくのが使命ですね。

大柴:常々吉田さんは「組織を作ることを重要視してきた」と仰ってました。最近は「現場は全て任せている」とも仰ってます。成田さんのお話を伺っていると、確かに組織もできてきてるし、任せられる人材も育ってるなと感じます。

成田:ありがとうございます。もっともっと実行できるチームを作ります。今いるメンバーもこれから入ってくるメンバーも成長できるような組織にしたいですね。

大柴:採用で重視している点はどこですか?

成田:ウチに合っているか?ですね。ビジョン重視です。やっぱり、スキルだけではなくて、ミッションやスローガンに共感して120%コミットできる方に来ていただきたいと思っていますし、そういう組織文化を創っていきたいと思っています。

大柴:なるほど。一緒に突っ走るにはビジョンは重要ですもんね。今日はありがとうございました。成田さんの熱さが伝わってきました!

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