「責任感と仕事量には自信があります」ーー隠れたキーマンを調べるお・メルカリ、富島氏インタビュー

by OshibaTakanori OshibaTakanori on 2014.5.31

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

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かつてウノウを創業し、Zyngaに売却。その後退職し、世界一周の旅に出た山田進太郎氏。帰国して新たに立ち上げたコウゾウ(現メルカリ)に最初にジョインしたのが富島寛氏。フリマアプリ『メルカリ』のアプリ設計などを担当し、現在の大躍進を支えているキーマンです。今回はCMも絶好調な『メルカリ』を支える富島寛氏をインタビューしてみました。

大柴:はじめまして。今日はよろしくお願いします。

富島:よろしくお願いします。

大柴:進太郎さんが世界一周から帰ってきて、会社立ち上げて、最初にジョインしたのが富島さんですが、進太郎さんとは昔からの知り合いだったのですか?

富島:7年前くらいですかね。自分が会社(バンク・オブ・イノベーション)をやっている時に、何かのパーティーで会ったのが最初です。「ウノウラボ」というエンジニア系ブログがあったんです。当時エンジニア系ブログがあまり無かった中で「ウノウラボ」は貴重でよく読んでいました。

大柴:ほうほう。

富島:会場で名刺交換したら「ウノウ」って書いてあって、「あ、あのブログの会社の人だ」と。それが進太郎さんでした。進太郎さんのことも知らなかったし、ウノウのことも良く知らなかったんです。あくまで「ウノウラボ」の人という認識でした。

大柴:へー。なるほど。

富島:それから年に2、3回会うようになったんです。当時自分がやっていた「動画の検索エンジン」に進太郎さんが興味を持ってくれて。珍しいサービスだったし、グローバル志向だったので、その辺は興味を持ったらしいです。

大柴:なるほど。

富島:その頃ベンチャーが元気無い時代で、お互いにベンチャーを経営してたってとこにもシンパシーを感じて仲良くなりました。

大柴:当時僕もベンチャーに身を置いていましたが、2006、7年くらいはベンチャー界隈はいろいろありましたし、確かに元気無かったかもしれません。

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富島:そんな感じで定期的には会っていたんですが、2012年の忘年会で久しぶりに会った時に「そろそろ会社をやる」って聞いて。その時はそれだけだったけど、年明けて詳しく聞いたら「フリマアプリをやる」と。自分自身モバイルC2Cサービスをやりたいなぁと思ってたので「これは!」と。分野もそうだけど、進太郎さんと一緒にビジネスをやってみたいという気持ちもあったので「ぜひ一緒にやりたい」と伝えました。

大柴:すぐにOKが出たんですか?

富島:いや、その場では出なかったんですが、その後少し経って一緒にやることになりました。そして2月に登記してスタートしました。

大柴:それから1年ちょっとが経ちました。メルカリ絶好調ですね。創業からこれまで、感触的にどうですか?

富島:思い描いた通りではありますね。もの凄い上手くいってる実感はあります。スタートさえ上手くランディングできればある程度はいけるとは思いましたが。このままアメリカもやっていきたいですね。

大柴:ところで富島さんはエンジニアでもありますが、大学は文学部なんですね。

富島:早稲田の文学部に憧れがあったので目指し、入学しました。

大柴:大学在学中にエルテスで働き始めたとのことですが。

富島:エルテスで働き始めた時はホームページを作れるくらいのスキルでしたし、もちろん会社で働いたこともありませんでした。でも結構裁量をくれる会社で、ベトナムとのオフショア事業を任されるようになったんです。いくつも平行でプロジェクトを回し、経験もないまま突っ走った感じでした。相当しんどかったです。

大柴:これは大変そうですね…。

富島:しんどい毎日の中でも逃げずにやり遂げた。スキルだけでなく、精神的に相当強くなりました。この経験は今でもとても重要だと感じています。

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大柴:卒業までエルテスで働いて、卒業後にバンク・オブ・イノベーションを立ち上げたと。

富島:友人と一緒に始めました。先ほど言ったように動画の検索エンジンをやる会社です。途中で代表になり、資金調達もしました。自分も周囲も期待値が高かったのですが、いつまで経ってもマネタイズができずに苦しみました。広告事業を頑張って売上も上がり、単月黒字化にも成功したんです。でもトントン程度で。

大柴:そして事業をピボットしたんですね。

富島:ゲームが大きな話題になっている時期だったので、ゲーム開発事業に大きく事業を振りました。売上や利益は劇的に改善しました。ゲームに関しては一緒に創業した友人の方が適していると考え、代表を譲り、会社を辞めました。3年半くらいやっていたでしょうかね。良い経験を積めたと思います。

大柴:バンク・オブ・イノベーションを離れた後はどうされていたのですか?

富島:自分で会社を作って、アンドロイドアプリを作ったりしていました。ゼロから自分でプログラミングして、サーバーもセッティングしたりと全て一人でやりました。会社としては成り立たなかったけど、相当スキルが上がった時期でした。これが1年半くらい続いた後にサイバーエージェントの子会社でエンジニアとして少し働きました。バイトみたいなもんですね(笑)。

大柴:え、そうなんですか。それは知らなかったです。

富島:半年くらいですかね。自分のスキルの現在地を確認することができました。

大柴:富島さんはメルカリでどんなお仕事をされているのですか?

富島:大きな意味でプロジェクトマネージャ的な感じでしょうか。去年は企画や開発管理など実際にコーディングする以外のプロダクトに関することはだいたいやりました。アプリの設計は自分がメインで考えました。上手くできたんじゃないかと思っています。

設立当初は契約関係や法律周りも進太郎さんと一緒にやりましたね。現在はUS関連の業務が多いかな。ローカライズだったり、開発含めたもろもろの調整などが多いです。とにかく猛烈な量の仕事をこなしていると思ってます。責任感と仕事量には自信があります。

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大柴:凄い。進太郎さんにとってとても頼もしい存在ですね。一方富島さんからみた進太郎さんとはどんな人ですか?

富島:みんながどのようなイメージを持っているかわかりませんが、おそらく思っている以上に凄い人ですよ。

大柴:ほうほう。

富島:経歴から華やかな部分もあるし、一方で泥臭いこともできる。だからヒト・モノ・カネ・情報が高次元で集まる。そしてスピードも速い。経営者として100点なんじゃないですかね。一緒に仕事できて良かったです。学ぶところが本当に多い。

大柴:なるほど。近くにいて具体的に凄いとこってどんなとこですかね?

富島:大きく3つあります。まずマーケットの選び方が秀逸です。センスあるなぁって思います。2つ目がマイクロマネジメントができること。細かいところまで気がつくし、見ている。3つ目が情報処理能力。多くの仕事をマルチタスクでどんどん処理する。単純に「仕事ができる人」です。

大柴:一度仕事をしているところをそっと見たことがあるのですが、凄い集中力でやってましたね。

富島:集中力は凄いですね。で、凄いんだけど、普通な感じが良いんです。距離が近い感じがあり、でもリーダーシップもある。成功したのに再度ゼロからチャレンジするとこも良いですね。

大柴:いやぁ、進太郎さんの凄さがわかりました。

富島:あ、一個エピソードがあって、大晦日の夜から年が明ける頃に進太郎さんからredmineのチケットが切られたんですよ(笑)。「あ、この人、良いな」って改めて思った瞬間でした(笑)。

大柴:わかる気がします(笑)。それでは最後に富島さんの今後の展望をお聞かせください。

富島:そうですね。メルカリとしては日本で誰がみてもNo.1のC2Cコマースサービスにしたいですね。日本の後はグローバルで成功したい。グローバルで有名になりたいです。そしてメルカリを1兆円企業にしていきたいです。

大柴:個人ではどうですか?

富島:グローバルにおいて通用するマネージメントスキルを身につけたいですね。まずは英語から。一生懸命勉強してます。いろんなスキルを上げていかないと会社の成長に振り落とされる危機感があるので、必死です。

大柴:なるほど。今日は富島さん、進太郎さん、メルカリについていろいろ伺うことができました。ありがとうございました。

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