飲食店向け予約台帳のトレタ、開始6カ月で900店舗の導入達成

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お店の予約を、まるごとタブレット1台で。___トレタ

自身も飲食店「豚組」などを展開する中村仁氏が手がける、新サービス「トレタ」が好評のようだ。公開約半年で導入店舗は900店を超えた。

※情報開示:筆者の家族はトレタと契約関係にあります

飲食店向け予約台帳サービス「トレタ」は5月13日、受注店舗数が900店舗を超えたことを発表した。外食チェーングループの大庄(「やるき茶屋」や「日本海庄や」などを展開)への約400店舗導入が決まったことが要因で、2013年12月18日のサービスリリース後、約6カ月で1000店舗目前までこぎ着けた。大型導入を実施した大庄ではこれにより紙の予約台帳から順次、電子予約の方式に切り替わることとなる。

トレタはiPadを使った飲食店での予約管理を紙の台帳と同様のオペレーションで実現するアプリ。ただ、頻繁に変わるアルバイトやIT化に追いつけない従業員など、飲食店の電子化というのは往々にして店舗オペレーションが問題になり、他の飲食店経験のある起業家からもその課題を聞くことは多い。

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中村氏はこれまでも飲食店向けのサービスとしてKizna(キズナ)、miil(ミイル)などいくつものアプローチを仕掛けてきたが、今回ほどの手応えはなかったのではないだろうか。導入が進んだ理由について中村氏に聞いた。(質問は全て筆者)

導入が進んだ理由は?

今まで飲食業界は最も情報化が遅れている業界と言われてきましたけども、その理由は実はごくシンプルなんです。

経営者や現場のマネージャーはもともとみんな「絶対に情報化すべき」って前から分かってて、ただ単に「でも現場が使えない」というその一つの理由で情報化できなかったんです。結局は「現場をきちんと理解しているからこそ実現できた使い勝手」こそがトレタの導入が進んでいる理由ということになるのかなと。

iPadなどの普及で使いやすいデバイスが出てきたことが成功の要因だと

これまでのPCベースのツールは、どちらかというと「現場の手間を増やす、現場の敵」だったのですが、トレタは「現場の仕事を楽にしてくれる、現場の味方」ですよ、と。そういう意味では、テクノロジーが初めて現場の味方になった、エポックになってるんではと自負しております。

なるほど。ちなみに導入にあたってはどういう営業方法をとってるのですか

トップダウンでなく現場から「トレタを使いたい」と稟議が上がるというケースが結構多いそうですね。そしたら、経営者がそれを拒む理由は全くないので一気に導入が決まるわけですけども、そういう傾向からも、現場が歓迎するツールを提供できてるのかなと。

ありがとうございました

iPad系の店舗向けツールはリクルートのAirレジ、プラグラムの「スマレジ」、「ユビレジ」などのレジサービス、コイニーやSquareの提供する決済サービスなど、主に支払い方面で進んできている一方、内部オペレーション方面は上記の理由からいまひとつ決定的なプレーヤーは出ていない状況だった。

今回のトレタの躍進はそういう意味で後続に弾みがつく可能性がある。

なお、トレタは磯崎哲也氏がGPを務めるフェムトグロースキャピタルから2013年7月に1億円の資金調達を実施している。月額9000円で提供されるサービスが約900店舗に導入されているので、ディスカウントを考えてもそれなりにキャッシュは回っていることが予想される。そこで次の調達について中村氏に聞いたところ、「動いてる」とだけ回答してくれた。

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