北京・GMIC 2014で披露された、今年有望なスタートアップ10社を一挙ご紹介

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2014.6.22

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5月〜6月の2ヶ月間は、アジア各国でスタートアップ・カンファレンスが立て続けに開催される。スタートアップを追っかける身としては、息をつく間も無くイベントからイベントへと飛び回る日々だ。少し落ち着いたので、このあたりでひとまず、今年のアジアのスタートアップ・シーンを飾りそうな彼らをレビューしておきたい。

まずは5月5日〜6日に北京で開催された、中国最大のインターネット・カンファレンス GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)からだ。世界的な IoT(Internet of Things)のトレンドはここにも現れており、会場ではあの Leap Motion の CEO Michael Buckwald も THE BRIDGE のインタビューに答えてくれた。来月には、初となる東京での GMIC も開催されるので、これまで北京のメインイベントに参加できなかった人にとっても、より身近な存在になるだろう。

GMIC には、スタートアップによるピッチ・セッション「G-Startup」が併設されており、世界各国から来中したスタートアップ10チームが凌ぎを削った。彼らの健闘ぶりを見てみることにしよう。

【優勝】FoodLoop(ドイツ)

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FoodLoop は、いかにも環境意識が高いドイツを象徴するサービスだ。消費期限が近づいた食品の安売り情報を提供するアプリで、社会全体として食品のムダを無くすことを目的としている。街を歩いていると GPS と連動し、近くのスーパーの安売り情報がプッシュ通知で届けられる。牛乳など、定期的に購入している商品があれば、そのバーコードをスキャンすることで、安売り情報を検索することも可能だ。

Imzhitu/织图 (中国)

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2012年12月ローンチした、中国版写真共有アプリ。Instagram をさらに発展させたようなアプリで、写真の中に、さらにテーマ別の写真(例えば、ポートレイトの中に撮影場所の説明写真、アクセサリーの写真など)を関連づけて埋込むことができ、インタレスト別に横断でシェアすることができる。Samsung、中国のスマートフォンメーカー「Meizu(魅族)」、China Mobile(中国移動)のビジネスパートナー(おそらく、これらのメーカーやキャリアのスマートフォンにプリインストールされることを目論んでいる)で、50万元(約820万円)のエンジェル投資を受けている。

Viscovery (台湾)

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2008年台湾で設立。画像検索エンジンで、Eコマース、小売等に応用可。画像や文字の認識が早いのが特徴。シンガポールにもオフィスを開設。ここ数回の複数のスタートアップ・カンファレンスで姿を見ているので、今年最も元気のよいスタートアップの一つと言ってよいだろう。日本にも市場参入を計画しており、大手オンライン・ショッピング・モールやEコマース・プラットフォームとの連携が期待されている。この分野では、用途は異なるが、同じく画像検索を使ってコマースを活性化させようとするサービスとして、日本の Brand Pit なども注目を集め始めている。

Monster Castle/怪物城堡(中国)

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中国・成都の拠点を置くゲーム・デベロッパ Good Team Studio(成都優衆軟件)が開発した、新しいゲームタイトル「Monster Castle」。これまでに iOS / Android 向けに30種近いゲームをリリースしているが、タワーディフェンス型/Sim City 型の両要素を取り込んだ Monster Castle(怪物城堡)というゲームアプリを開発中とのことだ。なお、未確認ではあるが、数年前に既に同名のゲームがデスクトップ向けに公開されており、これのモバイル向けの〝焼き直し〟である可能性もある。

Arrownock/箭扣 (中国)

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SMaaS(Social Messaging as a Service)を開発、さまざまなサードパーティーアプリが連携できる、バーティカルなソーシャル・メッセージング・プラットフォームを開発。これにより、アプリ・デベロッパが開発サイクルを効率化し、開発コストを削減することを可能にする。筆者の理解では、Tencent (騰訊)に代表されるインターネット巨人が、中国のソーシャルメディアのみならず、アプリ・デベロッパの市場も寡占しはじめている一方で、これに対抗する勢力として、アプリを開発するスタートアップが、独自にソーシャルメディアの力を最大限に活用して存在感を高めようとする動きの一つにも思える。

Fusawo (デンマーク)

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デンマーク出身のスタートアップと言えば Zendesk が真っ先に頭に浮かぶが、Fusawo はそんなコペンハーゲンのコミュニティで生まれた、子供向けのゲーム・デベロッパだ。子供を外で遊ばせたい親と、アプリを使って遊びたい子供のニーズを引き合わせ、GPS 連動のゲームを開発した。Come Run With Me は Windows Phone 用しか開発されておらず、ユーザのリーチは十分ではない。まだブートストラップ中のフェーズという感じだ。

Kadou/卡都 (中国)

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中国で最初のモバイル・ソーシャル・ギフトアプリ。中国版の Giftee と考えてよいだろう。詳細については、以前 THE BRIDGE でもこの記事で取り上げている。現在、iOSとAndroid で利用でき、中国には競合として、類似アプリの Eliquan(e礼券)Wowgift(悦礼)などがある。

Kairos (韓国)

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自動巻き腕時計のディスプレイにスマートフォンの着信やフィットネス情報を表示するハイブリッドなスマートウォッチ。スマートウォッチは概して単価の安いものが多い。一方、時計市場全体を見てみると、売上の多くはアナログでラグジュアリーなブランドものが占めている。そこでこれら両方の要素を兼ね備えた、ラグジュアリーなスマートウォッチを作ることで、これまでになかった市場需要を開拓しようとする試み。Kairos も前出の Viscovery 同様、アジア各地で開催されるカンファレンスの随所で目にしており、今年注目されるスタートアップの一つだ。

Puteko (日本)

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決して絶対数が多いわけではないが、最近ニュージーランドから日本へ拠点を移して活動を続けるスタートアップが増えているように思える。ニュージーランド人にとっては気候や国民性が似ている上に、世界市場へのアクセスがしやすいというメリットもあるのだろう。Puteko は塗り絵ARのアプリを開発するスタートアップで、昨年の秋に開催された B Dash Camp in Osaka 2013 にも登壇していた。日本に拠点を移したのは功を奏しており、筆者のまわりの小さな子供を持つ友人らに聞いてみても、子供達の間で Puteko のアプリが人気を博し始めているようだ。

Splitforce(中国)

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iOS、Android、Unity アプリ向けの A/B テスティング環境である。中国・大連のインキュベータChinaccelerator(中国加速)出身で、最近複数の投資ファンドやエンジェル投資家から15万ドルを資金調達した。これを機に Splitforce は拠点を北京からニューヨークに移したようだ。この分野では、5Rocks、KAIZEN PlatformUniconシロクなど日韓を中心に多くのプレーヤーがしのぎを削っている。アジア市場は飽和状態にあるため、早々にアメリカ市場に活路を見出すのは賢明なアプローチかもしれない。シリコンバレーではなく、ニューヨークに進出した理由は定かではないが、機会を見つけて、そうした決断の背景について確かめてみたい。


読者におかれては、注目に値するスタートアップは見つけられただろうか。

今回取り上げた10チーム以外にも、Startup Asia Singapore 2014beLAUNCH 2014ECHELON 2014 など、アジア各地で開催されたスタートアップで、合計数十チームにおよび興味深いスタートアップが紹介された。THE BRIDGE では、近日中にそれら全チームを誌上で取り上げる予定だ。ご期待いただきたい。

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