半年で1000万枚の画像認識処理をこなしたIkkyo Technology「Categorific」の可能性

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Categorific

今回のMOVIDA JAPANのDemoDayで最も興味をそそられたのは実はIkkyo Technologyだ。今回ほぼ初公開となった彼らのコンピュータービジョン技術による画像フィルタリング・マッチングサービス「Categorific」は派手さこそないものの、可能性のある技術に思えた。

元々Ikkyo Technologyはコンピュータービジョン技術を活用したコンテンツ監視を大手企業に提供するところから事業を開始している。

コンテンツ監視はソーシャルメディア時代になくてはならないメディア企業の責務で、いわゆる不正なコンテンツ(著作権問題、公序良俗に触れるものなど)を指摘し、メディア・コミュニティを健全に保つ役割を果たしている。一方で目視が必要でそのコストはバカにならない。

Ikkyo Technologyはこれをコンピュータービジョン技術で解決し、共同代表取締役の林佑樹氏によれば、人力監視よりもコスト的には90%も削減できる場合があったのだという。

ただ、このサービスを通じて企業側から蓄積された画像コンテンツをビジネスに活かせないかという相談を受けることが多く、これまでの大量の画像コンテンツを処理した経験を活かし、新しい画像レコメンドエンジンの提供を考えた。それが「Categorific」だ。

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画像レコメンドエンジンとだけ言われても具体的にどのようなサービスになるのか想像しづらいかもしれない。そこで今回のDemo Dayでは参考事例としてスタンプのレコメンドに自らの技術が使えるのではとしていた。

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例えばLINEのようにスタンプ画像を販売している事業者であれば、リストでは探しにくいコンテンツも、自分が好む絵柄と似たようなものを彼らのエンジンで並べ替え、ユーザーが選びやすくすることができる、といった具合だ。

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今日のDemo Dayではこれまでに上場企業を含む6社のクライアントのリクエストに対し、既に約半年間で累計1000万枚の画像を処理したと実績も披露している。

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Ikkyo Technologyの創業は2013年2月。共同代表の横川氏はリーマンブラザーズ証券や野村証券出身の証券マン。一方でもうひとりの共同代表の林佑樹氏は中学校からプログラミングを始め、慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)在学中にKLabに勤務、大学卒業後には任天堂やNokiaなどでエンジニアとして活躍した人物。この二人が関西の地で創業したのが同社になる。

林氏によると、2013年10月頃までは大手企業のコンサルティングやビッグデータ解析等の受託業務なども手がけていたが、現在はサービス提供に集中しようと事業をシフトしている最中とのことだった。

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