ここ3カ月で会員数は倍増の2万人突破、本の要約サービス「flier(フライヤー)」が資金調達を実施

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本の要約サイト___flier(フライヤー)

書籍の要約サービス「flier」を提供するフライヤーは7月2日、East Ventures、西川アソシエイツ、nomadの三社(運営するファンド等)を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した金額や株式割合、払込日などの詳細は非公開。

また、フライヤー代表取締役の大賀康史氏に聞いたところ、会員数がサービスの正式リリース(2013年10月)から約9カ月間で2万人を突破、2014年3月末時点で9,000人ほどだった数字から約3カ月で倍増していると教えてくれた。今後、調達した資金を元に主にエンジニアの内製化を推し進めるという。

同社はシードアクセラレーションプログラム「MOVIDA JAPAN」の出身で創業は2013年6月。

さて、このflier、昨年実施されたMOVIDA JAPANのDemoDayでもすこぶる評判がよかったチームだった。ピッチ当日に既に17社のビジネスアカウントを獲得しているなど、リリースコントロールの上手さも光っていたし、実際に現場での投資家の評価も高かったのを覚えている。

クラウドソーシングでビジネスはこう変わるの書評・要約___吉田_浩一郎

しかし、分かりやすいビジネスであるだけに天井も見えやすい。また、人力で書籍を要約するという点もコストのスケールという課題に結びつく。この点をストレートに大賀氏に聞いてみた。

まず、市場規模については先行サービスを参考に「北米・欧州中心にgetabstractが約1000万会員を保有しています。日本の市場規模は約200万人であり、拡大余地は非常に大きいと考えておりますし、アジアでは2000万会員を目指せると考えています」(大賀氏)と、面の拡大でこのぐらいの数字が目指せるとした。

その上で、気になるコストのかかり方については、やはり一度作って終わり、という訳にはいかず「品質面の担保のためには、一定量の人手はかけ続けるべき」(大賀氏)とのことで、初期にある程度の稼動はかかるものの、無尽蔵にコストがかかり続けるというものではないそうだ。

現在、3名の体制(外部ライターは約10名)で月間20コンテンツ以上提供しているそうで、これは徐々に拡大して50程度にまで増やす予定とのことだった。今回の資金調達では、このコンテンツを一気に増やすための投入かとも思ったが、それよりも前述の通りエンジニアの内製を推進して、詳細は明らかにしてもらえなかったが、ウェブサービスの方面でも何か仕掛けを準備する予定らしい。

商品も方向性もどこが天井なのかもわからない「宇宙型」スタートアップと違い、着実な展開をみせるフライヤー。直近の会員数が爆発しているだけに、この先の伸びも注目したい。

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