建設仕事のマッチングサービス「ツクリンク」が約5000万円の資金調達、ニッセイ・キャピタルから

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建築会社マッチングプラットフォームTSUKULINK【ツクリンク】

建設業界に特化した案件のマッチングプラットフォーム「ツクリンク」を運営するハンズシェアは7月11日、ニッセイ・キャピタルを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達した金額は約5000万円で払込日は7月11日、その他の詳細は非公開。

ツクリンクは建設業界の仕事(大工や建築、インテリアなど)案件を掲載して、それを実施できる業者、フリーの人材が応募できるサービス。業者として登録されている会員数(個人事業主、事業社)は約650社、仕事案件は300件ほどが登録されている。

現時点では単なる案件の掲示板のような状態(興味ある案件があれば直接事業者同士で連絡を取り合う仕組み)だが、今回の資金調達を元に開発を進め、ツクリンク上で工事事業者がマーケティングできる仕組みやその他の機能拡充に対応していきたい(ハンズシェア代表取締役の斎藤実氏)としている。

サービスの公開(β版)は2013年5月。実は私、この公開のタイミングで一度このサービス(というより、ハンズシェアは以前、企業ステッカーの共有というサービスを提供していた)を拝見しており、正直に言うとその際に「難しいだろうな」という感想を持ったのを覚えている。

リアル系のビジネス(飲食や小規模事業、今回のような建設など)はまず、なにより対象となる利用者のITリテラシーという壁にぶつかる。簡単に言えば使えないのだ。

それでも斎藤氏たちがこの分野を手がけるのは、建設業界の案件数に対する人材のバランスがあまりにも悪いという状況を解決したいという強い思いがあるからだ。ハンズシェア取締役のひとり、内山達雄氏は10年以上鳶職の経験があることから、この現場の様子をよく知っている。

「内山には(建設業の)知り合いを過労で亡くした経験があります。案件と人材のバランスがすごく悪くて過労で倒れる人間がいる一方、職人をやっている私の友人は仕事がなく、コンビニでレジを打っているほうが給料がいい、なんていっている時期もありました」(斎藤氏)。

また、リテラシの問題についてはやはりここでもスマートフォンシフトの恩恵が追い風になっているそうだ。パソコンは難しくともスマホなら使える、という状況が建設業にも徐々に広がっているらしい。

リアル系のビジネスのIT化というのは、ここ数年の大きなトレンドのひとつだと思う。飲食業ではトレタが紙予約という店内オペレーションを変えようとしているし、クリーニングのリネットや印刷のラクスルの集客と発注の効率化、小規模プライベートスクールのマッチングを提供するCyta.jpなど、これまで紙中心だった業界が徐々にIT化されつつある状況は注目すべきだろう。

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