「世界中の人が遊び感動するゲームを作りたい」- ゲーム開発のベテランたち集ったオリフラムにCAVが数千万円を出資

Junya Mori by Junya Mori on 2014.8.7

7月、真夏日のある日、都内の住宅街の一軒家を訪ねた。今年生まれたばかりのゲーム会社が、ここで世界に向けたゲームを開発しているという。

ゲーム会社の名はオリフラム。世界33ヵ国でGooglePlay売上ランキング1位を記録し大ヒットとなったDeNAのゲーム「Blood Brothers」の制作スタッフが中心となって今年の2月に起業したスマートフォン向けゲーム会社だ。

このゲーム会社に、サイバーエージェント・ベンチャーズが数千万円規模の出資を行った

最初から海外市場を狙ったゲームを開発

オリフラム代表、ゲームデザイナーの池田隆児氏は、約16年ほどゲームの開発に携わっている。DeNAの前はスクウェア・エニックスに在籍し、「キングダムハーツ」「キングダムハーツ2」にプログラマーとして、「ディシディア ファイナルファンタジー」にメインプログラマーとして携わり、コンシューマー向けゲームの開発を経験。その後、DeNAに転職。海外市場を狙ったモバイルゲーム「Blood Brothers」の立ち上げなどを行った。

池田氏「世の中に届けたいゲームを作りたい、受託はしたくないという意思で会社を立ち上げました。今年の3月から、いきなり海外市場を狙ったタイトルを開発しています。英語圏、特に北米を対象としています。普通ゲームの開発会社は下請けで始まることが多いのですが、私たちは出資を受けていきなりオリジナルのゲームの開発を始めています。」

ちょうどオリフラムが設立された今年の2月。「Clash of Clans」を開発しているフィンランドの大手ゲーム会社Supercellの、1日当りの売上高が約5億2800万円であることが報じられた。海外を対象にゲームタイトルの提供を行うことの可能性に、国内デベロッパーが意識を向けるきっかけとなったできごとだった、と池田氏は語る。

池田氏「私たちも最初から海外を狙っていましたが、こういった事例があることは後押しになっています。」

オリフラムの取締役である岩尾賢一氏もゲームデザイナー。最初はカプコンに在籍し、「バイオハザード」を開発。その後、スクウェア・エニックスに移籍し、「パラサイト・イブ2」や「ファイナルファンタジーXI」といったゲームタイトルの立ち上げに携わった。DeNAに転職してからは、池田氏と一緒に様々なゲームの開発に参加。コンセプターとして色々なゲームの開発に携わったという。岩尾氏は現在開発中のゲームについて、

岩尾氏「「マクロス」というアニメが北米に輸出され、「Robotech」という名前で大ヒットしました。そのカルチャーが熟成されて残っていて、それを翻訳して、彼らが馴染みやすいロボットを掲げてゲームにしています。」

とコメントしている。オリフラムが現在開発している『カオスセンチュリオン』は、文明の崩壊した近未来を舞台に、複数の兵団を率いて、激しい資源の争奪戦を繰り広げながら、世界の覇者を目指すフリーミアムのリアルタイムストラテジーゲームだ。

画面は開発中のもの

画面は開発中のもの

取材時に開発中のゲームをプレイさせてもらったが、綺麗なグラフィック、良質なBGMや効果音、早い動作速度のゲームだった。まだまだ開発段階であり、追加予定の機能や改善が必要なポイントなどの話を伺った。海外向けに作られているが、日本のユーザでも関心を持つ人は多そうだった。

【追記】2014年8月14日、ゲームのPV映像が公開された。



ゲーム開発のベテランが集まったスタートアップ

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オリフラムは現在8名のメンバーでゲームの開発を行っている。その誰もがベテランであり、コンソールゲームでの開発経験を持っているという。募集を行ったわけではなく、これまで一緒にゲームの開発をしてきた経験のあるメンバーが集まった。

池田氏「ずっと自分のゲームを作りたくて企画書を書いていました。最初は貯金を切り崩しながら開発していくつもりだったのですが、あるときスタートアップという世界があることを知りました。資金調達をすれば、自分が作りたかったゲームを開発できるということがわかり、デモを作ってプレゼンをし、資金を調達して、仲間を集め、会社を立ち上げて開発がスタートしました。」

ゲーム開発のベテランたちがチームを組み、資金調達を行うことで開発資金を確保して、拡大している海外市場に向けてゲーム開発を行うというアプローチはとても興味深い。

より多くの人が遊び、感動するゲームを

オリフラムは北米を中心にゲームを開発しているが、モバイルユーザが増えているアジア地域でもプレイできるように開発を進めている。

池田氏「自社で開発したエンジンを使っているため、起動時間が早くなっています。アジアでは中古端末が多く出回っています。中古の端末でも快適にプレイできるよう、できるだけ動作を軽くしています。世界中の多くの人にプレイしてもらいたいですし、楽しいと思ってくれるゲームを作りたい。」

岩尾氏「人を感動させられるゲームを作りたいと思っています。「驚き」も感動のひとつ。見て、遊んでもらって、プレイした人の記憶に残るようなそんなゲームを作りたいと思います。これが1つのベースとなって、これからの新しい流れを作るきっかけ、種となるようなゲームにすることができたら、と思っています。」

開発中のゲームは、今冬にリリースすることを予定しているという。開発中のゲームはもちろんだが、オリフラムの新しいゲーム会社のスタイルを示そうという姿勢自体にワクワクさせられた。ゲームがおもしろくなるのはまだまだこれからかもしれない。

“summercamp"/

Junya Mori

Junya Mori

モリジュンヤ。2012年に「Startup Dating」に参画し、『THE BRIDGE』では編集記者として日本のスタートアップシーンを中心に取材。スタートアップの変革を生み出す力、テクノロジーの可能性を伝えている。 BlogTwitterFacebookGoogle+

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