IoT時代の新たなインフラの可能性「IFTTT」が3000万ドルの資金調達

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<ピックアップ> With $30M in new funding, IFTTT preps to take on rivals

Twitterやfacebookといった巨大ソーシャルネットワークが爆発的な成長を遂げたひとつの要素として「API」の考え方があります。第三者がそのインターフェースを使ってこのネットワークにドッキングすることで、手軽に、素早くサービスを立上げることが可能になり、ひとつの生態系を作ることに成功しました。イメージとしてはある惑星に集まる衛星群、といったところでしょうか。

AとBというサービスを接続することで新しい価値観が生まれる、という文化はやがてより小さな目的のサービスにも波及し、多くのサービスがAPIを公開してそれぞれの生態系を創りだすようになります。身近なところではそうですね、Zaimのような家計アプリもAPIを公開して独自のネットワークを作っていますが、こういう例が当たり前になった、というのが今です。

通常はAPIを公開する「サービス」が注目されるのですが、この「API」そのものにフォーカスを当てたサービスがIFTTTやZapierといった接続サービスです。彼らはプログラミングの知識がなくてもAとBのサービスを連結し、自分だけのオリジナルサービスを作ることができる、ある意味でのプログラミングインターフェースの一種と言えるでしょう。ビジュアルプログラミングとかそういう文脈です。

前置きがえらく長くなりましたが、その先導役となっているIFTTTがNorwest Venture Partnersをリードとする3000万ドルの資金調達に成功しました。IFTTTの創業は実はちょっと古く2010年。このラウンド以前にも850万ドルをAndreessen Horowitzなどから調達しております。対抗馬のZapierはより細かい設定が可能で私も愛用中です。

恐らくここまで読んで「エイピーアイセツゾクサービス?ツイッタージドウトウコウデキルアレ?」ぐらいにしか感じられない場合は少し情報が不足しているかもしれません。考えなければならないのは接続できるサービスの種類です。現時点では記事にもある通り125サービスが登録されていますが、今後、この数は大きく増える可能性があるのです。つまりInternet of Things、IoT文脈です。例えば先日公開されたIFTTTのNikeチャンネルは好例です。

<参考記事> IFTTTがNike + Channnelをオープン、アクティビティトラッカーの自動化を目指す

これまで考えれば良かったデバイスはせいぜいパソコンとスマートフォンだったのが、こういったウェアラブルのような非モニターに拡大すると、より接続するバリエーションが増えるわけなんですね。IoT文脈はこれから先、投資トレンドとも相まって更に拡大することが予想されます。ちなみに3日前にはカメラを無線化するEye-fiチャンネルも開設されております。胸熱。

接続するデバイスが増えて、掛け合わせのサービス種類が増えれば当然、利用する側のメリットになります。私も前述のZapierで毎朝Feedlyでニュースチェックしたものが自動的にWordPressに入稿、Evernoteに保存されてTwitterに投稿されるという自分で言っててよくわからない動きを実現しています。もちろん課金しました。

IoT時代を考える際、面白デバイスを作ることももちろん楽しいですが、折角まだ始まったばかりなので、インフラ方面から攻めるスタートアップが出てきてもいいんじゃないかなと思っています。

via Gigaom

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