先週(原文掲載日:7月9日)、Xiaomi(小米)は LeTV(楽視)とのオンラインビデオ配信の著作権における法廷闘争で敗訴した。これは両者がスマートTVのセットトップボックス(STB)市場で直接の競合であることと関連するが、それだけでなく、ビデオコンテンツ配信にまつわる議論も呼び起こしている。
LeTV は Xiaomi に対して、セットトップボックス Xiaomi Box(小米盒子)でビデオコンテンツを配信していたことを非難し、自社が独占的な権利を持っていると主張した。しかし、スマートTVおよびセットトップボックスを含むコンシューマ電子機器メーカーのXiaomi は、ビデオコンテンツを直接でなくサードパーティーアプリやコンテンツプロバイダを介して提供している。前述のビデオコンテンツは、公式に認可されたビデオ配信者である ICNTV(中国中央電視台)から提供されたものである。
実際のところ、中国のセットトップボックスおよびスマートTVは、自分達が所有するビデオコンテンツや、配信したいと考えているコンテンツを配信することを許されていない。テレビ、ラジオ、映画および出版を統括する省庁の SARFT(国家広播電影電視総局)は、7つの組織だけに最先端のビデオコンテンツを提供することを許諾し、さらに他の7つの組織に対して、スマートTVやセットトップボックスにビデオコンテンツを提供することを許可している。ICNTVを含む14の組織すべては国営機関であり、SARFT の管轄下にある。
中国において、テレビ画面で見られるコンテンツは。SARFT の厳しい管轄下にある。コネクテッドTV(スマートTV)が中国市場でブームになってくると、SARFT がテレビ局に対して彼らの望まない内容を放送することをやめるよう命令できた以前の状況とは異なり、 SARFT が検閲できないコンテンツを配信するオンラインビデオ配信業者のビデオコンテンツを、スマートTVやセットトップボックスが配信できてしまう。
Xiaomi Box を最初にローンチしてほどなく、Xiaomi は最初の教訓を得ることとなった。それは、Xiaomi スマートフォンや大半のコネクテッド機器でプリインストールされたビデオアプリを含むものが中国では人気があるが、SARFT から与えられたライセンスを保有していなかった点だ。
認可済みコンテンツを配信したことで、再度 Xiaomi はトラブルに見舞われている。許諾を受けていないコンテンツが、CNTV から Xiaomi Box を介して配信されていると通報されたのだ。問題を複雑にしたのは、LeTV は ICNTV でなく Xiaomi を訴えたことだ。さらにややこしいことに、裁判所は Xiaomi Box が著作権を侵害したと認定した。
LeTV の代理人である弁護士によると、Yicai(第一財経)が報道した通り、問題はXiaomi が ICNTV のコンテンツの利益を Xiaomi も受け取ったことだという。
以前のようにテレビ番組の内容をコントロールするために、SARFT は TVOS と呼ばれるスマートTV用のOSを2013年末にリリースし、先月にはすべてのケーブルTV会社に対して、消費者に提供するすべてのスマートTVにそのOSを搭載することを指示した。
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