クラウドキャストが経費精算アプリ「Staple(ステイプル)」を公開、IMJから資金調達を実施

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経費精算アプリに特化したクラウドサービスやアプリを提供するクラウドキャストは、ビジネスパーソン向けの経費精算アプリ「Staple(ステイプル)」の iOS 版(パーソナル版)を公開した。また、これと併せて、同社は日本国内とアジアへのサービス展開を強化するため、IMJ Investment Partners から資金を調達したと発表した。なお、調達した金額や割当した株式比率等については明らかにされていない。

クラウドキャストは昨年末、経費精算アプリ「bizNote Expense」をリリースしている。このアプリでは、企業等で社員がモバイルアプリを使って経費を入力、集められた情報を経理やアドミン部門が承認し、会計システムへ取り込むという、ワークフローを実現していた。しかし、ユーザからは「社内にワークフローのしくみは既に導入済なので、経費を入力する部分のアプリだけ使いたい。」という意見が多く寄せられたのだそうだ。

そこで、ワークフローの機能を切り離し、経費入力にのみ特化した Staple をリリースするに至った。入力された情報は、連携するクラウドのインタフェース(ウェブ)から CSV フォーマットでダウンロードできるので、これを Excel などで加工し、社内の経費精算システムにインポートできるというわけだ。

Staple のパーソナル版はフリーミアムという位置づけで、後に提供されるチーム版は有料で提供する予定。パーソナル版を先行して出すことでユーザに操作を覚えてもらえるので、チーム版導入時の学習コストを下げることができる。(代表取締役 星川高志氏)

Staple はあたかも bizNote Expense から一部の機能を外しただけのように見えるかもしれないが、実際には、アーキテクチャーを完全に変更し、スクラッチでアプリを開発し直したのだそうだ。これは企業単位ではなく、莫大な人数のビジネスパーソン個人が使い始めたとき、クラウド側にトラフィック負荷がかかっても軽快に動作し続けることを念頭に置いたもの。さらに、いろいろな機能拡張もやりやすくなるとのことだ。

クラウドキャストでは、10月以降にウェブ版(パーソナル版)、Android 版(パーソナル版)、および、それぞれのプラットフォームでのチーム版のローンチを予定している。ここで注目したいのが Android 版の機能だ。NFC が搭載されている Android で Staple を動作させると、Android スマートフォンを Suica や Pasmo などの交通系電子マネーのカードに触れさせるだけで、乗車記録を Staple に読み込ませられる機能を搭載する計画だ。アプリ化されているモバイル Suica であれば、カードが無くてもアプリ間で乗車記録の連携が可能だろう。Suica / Pasmo の技術上の制約で、カード上に保存できる最大件数は20件であるため、アプリが定期的にノーティフィケーションを出し、ユーザが忘れずにアプリ側に乗車記録を転送することを考えている。

なお、現行の iPhone には NFC が無いため、現在のところ交通系電子マネーの連動機能は予定に無いとのことだ。(先頃発表された iPhone 6 搭載のNFCについても、Apple Pay 専用であることが明らかになっている。)

アメリカの経費精算大手の Concur は先頃、Uber や AirBnB を使った交通費や宿泊費の経費精算連携を開始した。Expensify などもこの流れを追随するだろう。対して、クラウドキャストでは、日本やアジアの大都市の交通などを念頭にソリューションの最適化を図ることで、他社の参入を阻む障壁になるだろうと考えている。

この分野には、日本/シンガポールに拠点を置くクラビスが「Streamed(ストリームド)」というアプリをローンチしており、今後リリースされる版で、交通系電子マネーカードからの乗車記録読み込み機能の搭載を示唆している。

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