Showcase Gig CFOに元ブレインパッド CFO の池田 直紀氏が参画、攻めるための体制強化を図る

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左:池田氏、右:新田氏
左:池田氏、右:新田氏

スタートアップに参加する人材も多様になってきた。以前、本誌ではヘルスケアスタートアップのFiNCに元みずほ銀行常務の乗松文夫氏が取締役副社長 CFO として就任したことをお知らせしたが、今度はShowcase Gigに新たに人が参画した。

元ブレインパッド 取締役 CFOの池田 直紀氏が、モバイルウォレット「O:der(オーダー)」を提供するスタートアップShowcase GigのCFOに就任した。

池田氏は、ビッグデータ分析のパイオニアであるブレインパッドに2007年に入社。同社の管理部門構築に尽力し、取締役CFOに就任。IPO関連業務全般を担い、2011年同社を東証マザーズ上場へと導いた後、2013年には東証市場第一部への市場変更を行った人物だ。

新田氏は池田氏との出会いについてこのように振り返っている。

新田氏「最初に池田さんと会ったのは今年の初めの頃、まだ寒い時期でした。資金調達を終え、次のステージに向けて幹部人材を探さなければと考えていたところ、知人に池田さんを紹介してもらいました。」

新田氏がより事業に集中していくために、池田氏には会社の管理部門の強化に加え、上場非上場問わず市場環境、ファイナンスの動きが激しくなっている中でそのあたりの取り回しなどを集中的に見てもらう予定、とコメントしている。

会社の事業としても、今後BtoBのソリューションを提供していくことを考えているという。そのあたりでも、池田氏が持つ近代的なBtoBソリューションの知見が活きるのでは、と新田氏は考えている。

一部上場の企業から、スタートアップへと移ってきた池田氏。池田氏はどういったところに関心を持ってスタートアップの世界へと入る決意をしたのだろうか。

ベンチャー企業は良くも悪くも社長次第

池田氏「私は7年前にブレインパッドに入社しました。ファイナンスの仕事を極めたいと考えていた私は、そのひとつの大きな仕事としてIPOを実現することとし、色々なベンチャーを回った結果前社に入り、マザーズ上場と東証一部への市場変更を行いました。自分の仕事をやり遂げたと考え、違う分野にいこうと考えていたところ、新田さんと出会ったのです。」

ITにのみならず、製造業なども見ていたという池田氏。ベンチャー企業は良くも悪くも社長次第、社長の考え方が合えばその会社にいきたいと考えていたという池田氏は、新田氏と意気投合。Showcase Gigへの参画を決めた。

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池田氏「Showcase Gigは商材がおもしろいのはもちろんですが、代表である新田さんが私がベンチャー企業の社長に求めている要素を兼ね備えていました。私が重要視していたのは、「ビジョン」、「情熱」、「ポジティブに考えること」の3つ。この3つをバランスよくもっている方はなかなかいません。」

攻めていくためにも、まず守りの力を

新田氏と池田氏はスタートアップにおける管理部門の大切さについても語ってくれた。

新田氏「会社を大きくしていく方法はいくつかありますが、今後、Showcase Gigが会社を大きくしていくことだけは間違いありません。その中で、経験のある池田さんにCFOとしてジョインしてもらうことは、実際のCFOとしての動きももちろんですが、財務やCFOという職種だけにとどまらず、経験が活きる場面があると考えています。」

池田氏「スタートアップは大きな企業と比較して管理部門を軽視しがちです。これは会社のサイズ的に仕方のない面もありますが、最初から管理部門を重視している人は少ないのが現状です。ですが企業において管理部門は非常に重要なもの。組織を筋肉質にしていくためには管理部門が重要で、守りを固めておいたほうが企業は攻めやすい。管理部門を充実させることは結果的には成長の早さにつながります。」

新田氏「攻めるための管理を、主体的に代表とCFOが一緒にやらないといけないと考えています。管理部門の重要性を見失うと、会社は大きくなれない。」

大きな企業からスタートアップへの人の流れ

冒頭にも述べたが、少しずつ大きな企業からスタートアップへの人の流れが起こり始めている。こうした流れの中においても、管理部門は重要だとShowcase Gigは考えている。

新田氏「人材についてはスタートアップに追い風が吹いていると思います。少し前だったら来てくれないような人も来てくれるようになってきている。大企業からスタートアップに来てくれた人が、入社してみて違うなと感じやすいのが管理部門。

スタートアップに求めることではない、という意見もあるかもしれませんが、いざというときに守ってくれるかどうかといった労務の整理など、色々なことが必要になります。私は以前から社員にとって良い環境を作り出すことへの焦りがありました。今後は、ここも対応していけると思います。」

新田氏は今後Showcase GigがB向けのビジネスを行っていく上で、会社としての体制がどれだけ整っているかが問われると考えている。

新田氏「場合によって、商品を作りやすい組織、売りやすい組織と、管理がしっかりしている組織は異なります。今後、B向けビジネスをする私たちにとって、体制強化をするにはとても良いタイミングです。おかげさまで会社も注目されるフェーズにもなってきており、いろんな面でディフェンスを固めることが必要なフェーズだと考えています。」

池田氏はデータを扱う企業での管理を担当していた人物。今後、データを取り扱う機会も増えるであろうShowcase Gigにとっては必要不可欠な人物と言える。

良い結果を出している「スマートオーダー」

Showcase Gigは、事前決済やビーコン活用を含めた注文システム「スマートオーダー」を開発し、今年の6月に発表している。導入から2ヶ月ほど経過し、事前オーダー比率は想定を上回るペースで増加しているという。

昼時の利用を想定していた同システムでは、毎朝スムージーの購入を行うユーザも存在しているという。「毎朝利用するというユーザにとっては、プレオーダーが生活に入り込んでいる。かなり外せない体験になったのでは」と新田氏は手応えを語った。


http://vimeo.com/98987532
次に向けての準備を進めているShowcase Gigの今後が楽しみだ。

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