スタートアップが失敗する理由【CB Insightsアンケートより】

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<ピックアップ>Top 20 reasons why startups fail: Report

企業情報データベースのCB Insightsが面白いアンケート調査をしていました。スタートアップの失敗理由です。約130万ドルの資金を調達して20カ月後に廃業(もしくは人員買収された)というのがおおよその平均値という結果もあるらしいのですが、その大量の検死結果が掲載されています。失敗というのは経験の宝庫ですのでぜひ時間ある間に研究を。

登録すると貰える無料の調査結果に掲載されているグラフには理由のトップ20が並んでましてこちらのような具合です。理由の1番手「市場のニーズがなかった」は身も蓋もない話ですね。

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ところでこの件について500Startupsのデイブ・マクルーア氏がひとこと関連記事にコメントを書いてました。

looks like most of those reasons are some form of “people didn’t want to buy the product” or “couldn’t get customers / couldn’t make enough money”.not surprising.

(何となく見た感じだと「人々がその商品を欲しいと思ってない」か「客を取れなかった」か「カネを稼げなかった」っていうのが多そう。別に驚きはないね)

参照:Top 20 reasons why startups fail: Report via The Next Web

私も以前書いた内容ではありますが、取材時によく聞く質問として「なぜ今までこのサービスがなかったのですか?」というものがあります。

あるトレンドが発生して世の中の人たちがその波に乗るまでの間に準備をしてサービスを提供する、というのが最も勝ち組になるタイプの起業家です。

例えばここ数年発生しているスマートフォン・シフトは分かりやすく、2007年頃から(iPhoneが米国で発表されたのは2007年1月)このトレンドを研究し、「みんなが持ち始めたら新しいメディアが生まれ、そこには広告が入るはず」という仮説の元に準備をしたのが国内ではアトランティスやノボットといったスタートアップでした。両社とも2011年にそれぞれ10億円以上という当時としては巨額の評価で買収され、サービスも発展・継続しています。

問題なのはこの様子を「完結するまで見てから」動き始めるタイプの起業家です。

当たり前ですがこんな状況の中で「我が社もスマートフォン広告事業をやるお!」といってももう周囲にはサービスは溢れてますし、正直、2014年という現在、スマートフォンシフトが発生してから7年という時期を迎えた今に「無いサービスを探す」方が難しく、こういう状況で「世界初!私たちだけが作れたスマホ向けのクーポンサービスなんです!」という話を聞いても、感じることは言うまでもございません。

ただ、一方で本当にその類似のクーポンサービスが無い場合もあるんですね。それはどういうことかというと、本当に世紀の大発見か「欲しいのは自分だけ」かのどちらか、ということなのです。そしてほぼ100%に近い割合で「市場が無かった」ことが理由になる、というわけです。

理屈としては王道のサービスカテゴリを取られてるために、ニッチな方向に向かった結果、発見できたのはあまりにもニッチすぎる分野だった、というあたりでしょうか。デイブ氏がコメントしてるように「その商品を欲しいと思う人がいない」という課題はなんとなく分かったようになりがちですが、実はかなり深い言葉だったりするんです。

いみじくも今、モノのインターネット「Internet of Things」が次のトレンドとして注目を浴びつつありますが、上記のようなトレンドとサービスの関係性を理解して経験していれば、このトレンドシフトがどれほど大切なものであるのかよくわかると思います。人生で数回のシフトチェンジを迎える今、動く人が勝つのでしょうね。

via The Next Web

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