フリークアウトがイベントレジスト第三者割当増資を引受、アドテクがオフラインへ飛び出す

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イベントレジスト取締役COOの小笹文氏とフリークアウト取締役COOの佐藤裕介氏

広告配信テクノロジー(DSP/DMP)を提供するフリークアウトは10月28日、イベントの決済から参加者管理などを実施するオンラインイベントプラットフォーム運営会社イベントレジストの第三者割当増資を引き受けたと発表した。出資額や払い込み日などの詳細は非公開で、これに伴う人の変動もない。

イベントレジストは今回の資金調達で、国内および東南アジア地域での事業推進を強化、人材採用を進めるとしている。また、フリークアウトの提供するアドテクノロジーと連携したサービス開発にも乗り出す。

イベントレジストは2014年4月にも日本経済新聞社から1億6500万円の資金調達を実施しており、これまでに3度の資金調達を実施したことになる。ちなみにシード期の投資家であるEast Venturesのゼネラルパートナー、松山太河氏はフリークアウトの初期投資家としても知られている。

アドテク周辺での資本提携としては少し異色かもしれない。イベント管理とDSPやDMPがどう連携するのか。フリークアウト取締役COOの佐藤裕介氏とイベントレジスト取締役COOの小笹文氏にショートインタビューを実施した。なおこの2人は元グーグルで共に働きその後に独立、数年の時を経てそれぞれ経営者として今回の資本提携を結ぶことになった。(太字の質問は全て筆者、文中敬称略)

アドテクとイベント管理サービスの連結にどのようなシナジーがあるのでしょうか。

小笹:EventRegist はイベントの主催者さんと参加者さんをつなぐプラットフォームで、これまでも動画配信やバーチャルイベントなど、イベントの周辺課題を解決できるサービスを持つ他社さんと一緒に新しい機能をリリースしてきました。その中でイベント主催者の方からは集客方法についてご相談をいただくことが多くあったんです。

今までイベントの告知から集客、申込み、参加者管理、来場者トラッキングという一連の流れの中で「集客」部分は主にソーシャルでの拡散を重視していたのですが、それに加え、フリークアウトさんが持っている素晴らしいテクノロジーを活用することで、課題解決できる部分があるのではないかと思っています。具体的な設計はこれからです。

EventRegist

なるほど。オンラインでの告知や集客にユーザーデータを活用してより効率的に広告表示をする、というイメージですかね。フリークアウト側は結構なデータ量を保有してるんですよね。

佐藤:フリークアウトでは3億以上のアクティブなインターネットユーザーの行動データを解析し広告配信やサイトコンテンツの最適化に活用しています。特に、最近ではオンライン上のデータだけでなくオフラインの購買情報や行動データにまでその解析対象を拡張しつつあります。

そのデータを活用したイベントレジストとの連携をもう少し具体的に教えてください。

佐藤:例えばフリークアウトの顧客の中にも、自動車や住宅、不動産会社、ソフトウェアベンダーなどオフラインでのリード獲得に注力されているクライアントがいらっしゃいます。

EventRegist のシステムとフリークアウトの DMP (データマネジメントプラットフォーム) をそういったクライアントに提供することで、オンライン上でのマーケティング活動が生み出したオフライン上での成果を測定したり、オフラインでリーチした見込顧客に対してオンライン上での継続的なアプローチを行うなどオンラインとオフラインを自由に行き来するマーケティング活動が可能になります。

ところで佐藤さんと小笹さんは元グーグルで同じ時期に働いていたそうですね。

佐藤:そうなんです。代表のヒラヤマさん(イベントレジスト代表取締役のヒラヤマコウスケ氏)、COO の小笹さんはグーグル時代の先輩にあたり、サービスを提供する姿勢や考え方などにシンパシーを感じる部分が大きいことも今回のパートナーシップに強い影響を与えています。

例えば、手数料といった類のものは長期的には無料化していく、という考え方は特にグーグルらしいなと感じています。 そういった世界に備えてプラットフォーム上にどのような付加価値をのせてお客さまに提供するか、というチャレンジをイベレジ社と実現できるといいなと思っています。

アドテクのオフライン活用は興味深いのでまた情報おしえてください。今日はありがとうございました。

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