グローバル・ブレインらがインドのアドテク・スタートアップAdNearに1,900万ドルを出資、位置情報によるユーザ属性推測技術の日本展開を本格化

by Tech in Asia Tech in Asia on 2014.10.15

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広告向けの位置情報サービスを提供する AdNear は、シリーズBラウンドで1,900万ドルを資金調達した。特筆すべきは、今回のラウンドで、日本のVCであるグローバル・ブレイン、オーストラリアの通信企業 Telstra の投資部門が経営に加わったことだ。従来からの投資家には、Sequoia CapitalCanaan Partners がいる。

AdNear はバンガロールで創業、現在はシンガポールに本社を置いている。そのユニークなアドテク・モデルは東南アジア、オーストラリアで展開しており、ごく最近は日本にも進出した。持ちうる広大なネットワークを使った、グローバル・ブレインの同社に対する成長の支援は、日本の大企業を顧客にする上で必要不可欠な要素である。これまでに、同社は、P&G、ユニリーバ、BMW、アウディ、フォード、サムスン、IKEA、アディダスなどの有名世界ブランドを顧客に獲得している。

AdNear の創業者兼CEO Anil Mathews は、Tech in Asia にグローバル・ブレインを投資家に迎えた理由について、次のように説明した。

既に Sequoia や Canaan を迎えているので、今回のラウンドでは純然たるVCを求めていませんでした。我々のフォーカスは、ビジネスに価値を与えてくれる戦略的投資家でした。グローバル・ブレインの存在は、新市場を開拓する上で得られる支援を考慮したとき完璧な解でした。日本文化は独特であり、そのことを常に考えておく必要があります。グローバル・ブレインの日本でのパートナーシップや専門性は、AdNear のような日本への新規参入企業の成功にとって、必要不可欠なものです。

グローバル・ブレインの代表取締役である百合本安彦氏は、ステートメントの中で次のように述べている。

AdNear の優れた技術と経験豊かなチームを高く評価しています。そして、近い将来、世界のアドテク市場で AdNear がリーダ的存在になることを深く確信しています。

AdNear はモバイルデバイス横断の広告ターゲティングにおいて、位置情報などのデータを用いている。モバイルアドテク分野で同社が他社と差別化しているのは、モバイルの電波と位置情報を紐づけ、収集された実世界のデータを利用している点だ。オンラインのユーザ行動から得られたバーチャル・データ(ユーザ・プロファイルを取得するために、従来の広告会社が使っていたもの)に、さらに一つ新たな情報が加えられたことになる。

AdNear は、何億もの位置情報参照箇所をマッピングしており、これを同社は「位置レイヤー(geographical layer)」と呼んでいる。これには、モバイルユーザの緯度経度に加え、病院があるか、コーヒーショップが何件あるかなど近隣情報も含まれる。このデータこそが AdNear の強みだ。

例えば、あるアドテク会社が、よく使っているチャットアプリを使ってあなたを特定したとしたら、あなたは18〜24歳の年齢に分類されるだろう。しかし今日、若年層でなくても多くの人がチャットアプリを使っている。この予想やプロファイリングを改善するために、AdNear はバーチャルデータに実世界データを加えるのだ。例えば、この30日間、60日間、90日間をどこで一番時間を過ごしたかを確認すれば、あなたのことをよく見えてくる。平日朝9時から夕方5時まで大学にいるなら、あなたは学生である可能性が高いということになる。

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AdNear は2012年、シリーズAラウンドで Sequoia Capital と Canaan Partners から630万ドルを調達している。それ以降、毎日約120万件にも及ぶユーザ・プロフィールをデータベースに追加している。

AdNear 創業者兼 CEO である Anil Mathews 氏にバンガロールのオフィスで出会ったとき、彼は自社がどのように離陸を果たしたか、その興奮を絞り出すように話してくれた。

我々が持っているユーザ・プロファイルは、ありふれたものではありません。その一つ一つにユニークなIDを付与し、性別、よく旅行する人か、学生か、主婦かなど、基本情報を得たものです。

これぞ、アウディ、Google、サムスンなど、有名ブランドにとってバリュー・プロポジションとなる、データの金脈と言えるだろう。AdNear がこれらのブランドに提供するのは、従来型のパフォーマンスを考慮しないブランケット広告ではなく、より効果的でターゲットを定めた広告キャンペーンだ。

インドで AdNear が2012年にローンチするまでに、同社はこれらのデータやアルゴリズムを完全に機能させるために3年を要した。しかし同じことが、東京ではたった6日間で導入が完了した。簡単に聞こえるが、実際にやってみるとこれは難しい。

GPSを使わず、携帯の基地局からのデータのみでモバイルデバイスの場所を特定しようとしても、それは的を得ていません。我々のアルゴリズムは、ユーザのいる20メーター以内に到達する電波の角度や信号強度などのパラメータに基づいています。

AdNear はインドで創業したが、ブランド企業がバリュー・プロポジションを感じてもらえるオーストラリアなどの成熟した市場に拠点を置いた。したがって、オーストラリアで収益を上げるために、Telstra Ventures を迎えていることは自然なことだ。

AdNear の役員に加わることになった、Telstra Ventures のマネージング・ディレクター Mark Sherman 氏は、次のようにコメントしている。

モバイル広告は、アジア太平洋地域で急速に成長を続けるでしょう。Telstra Ventures は、AdNear の確率をもとにしたデータドリブンのアプローチが広告主にもたらす価値に、可能性を確信しています。

【via Tech in Asia】@TechinAsia

【原文】

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