世界で1300万ダウンロードを誇る画像コラージュアプリ「papelook」が1.2億円を資金調達し、次に目指す領域とは

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パペルック代表取締役CEO 小澤 一郎
パペルック代表取締役CEO 小澤 一郎氏

写真をフリーハンドでなぞって切り抜き、スクラップブックを作成できる写真編集サービス「papelook」を提供するパペルックは、先月ジャフコを割当先とする1.2億円の第三者割当増資を実施した。「papelook」は現在、ダウンロード数が1300万を突破している。

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資金調達を実施し、今後の「papelook」の方向性について、パペルック代表の小澤一郎氏に話を伺ってきた。

世界で1300万ダウンロードを越えるユーザたち

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「papelook」は2011年にiOSアプリをリリース、2013年3月にAndroid版アプリをリリースし、2014年に入って1000万ダウンロードを突破した。現在では、世界で1300万ダウンロードを超えている。

小澤氏「papelookのユーザは女性が96%となっています。これまでアプリの利用にユーザ登録などは必要なかったため、ユーザ属性が詳しくわかっていなかったのですが、アンケートを実施したことにより、ユーザ全体の中ではママ層が36%を占めていることがわかりました。現在では、スタンプのトーンもママ層向けのものを増やしています。」

世界でのサービス展開

日本でのダウンロード数は約660万ダウンロード。現状、日本ではダウンロード数を伸ばしていくのではなく、アクティブユーザ数を増やしていくことに注力するという。

小澤氏「海外でダウンロード数が多いのは、北米、タイ、韓国など。ダウンロード数は海外で増やしていきたいと考えています。特に、中国マーケットをターゲットにしていきます。」

海外で展開していく上で、言語のローカライズはもちろん、スタンプなどアプリ内で提供されるコンテンツのローカライズも図る。

小澤氏『現状は言語のローカライズが中心です。今後は、スタンプ等の海外対応もしていきたいと考えています。海外ユーザに受け入れられるスタンプデザインは、日本のデザイナーには難しい。そのため、世界各地のデザイナーにスタンプを制作してもらえるようにしていきます。

今考えているのは、世界中のデザイナーをまとめ、作品を販売できるようにするサービスです。ここでデジタルサービス向けに制作したスタンプの販売ができる他、実際の商品も販売していきたいと考えています。」

デジタルとアナログの境目をなくしていく

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Evernoteは、同サービスのユーザ向けに「Evernote Market」という枠を作り、プロダクトを販売している。パペルックも、ブランド価値を高め、ユーザコミュニティを構築し、アナログにおけるサービス展開も視野に入れている。

小澤氏「今後、「papelook」ではプリントサービスを始める予定です。ユーザがコラージュで作ったものを全国のコンビニのコピー機でプリント可能にするというもの。現時点では、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サンクスでの利用が可能になることが决定しており、セブンイレブンが一番最初にスタートします。今年の年末には年賀状もプリントできるようになる予定です。」

こうしたプリントサービス以外にも、先述のスタンプデザインを活用した雑貨やアパレル商品開発を実施していく予定だという。

小澤氏「「papelook」を単なるアプリとしてではなく、ママユーザー向けにクールな商品を提供するなど、もう少し広く見てもらえるように取り組んでいきます。最近では、ユーザヒアリングも兼ねて、ママ向けのコラージュイベントの開催もしています。」

パペルックはイベントの開催や商品企画など、サービスのブランド価値を高め、コミュニティを作り、デジタルではない領域へ活動を広げていく。

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マネタイズへの動き

「papelook」は、編集した画像を保存した後、全画面広告(ミギの画像)を表示できる。

小澤氏「papelook」で表示される広告は、ユーザがコラージュの中に使ったスタンプによって出し分けが可能となっています。そのため、「自社の広告スタンプを使ったユーザーのみに表示する」「ママ向けのスタンプを使っているユーザーに広告を表示する」等、ターゲットを絞って表示することが可能です。」

画像を編集し、保存した後であるため、広告が表示されてもユーザの行動を遮らずに広告を表示することができるという。

こうした広告の営業や先述の商品企画に力を入れていく方針で、今回の調達資金は開発面だけではなく営業面の強化にもあてていく予定だそうだ。

2011年からサービスを提供し、プロダクトの価値を高め、ユーザを獲得してきたパペルックは、資金を調達し、マネタイズに向けて動き出した。

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