MoffやRing、WHILL、PETLY、AYATORIなど、日本でもハードウェア系のスタートアップが登場してきており、開発するプロダクトが発売されるようになってきている。そんな中、今週10月29日にリリースされたのが、ものづくりベンチャーのスタートダッシュを応援するウェブマガジン「SAKIDORI」だ。
渋谷を拠点とするスタートアップWILBYによって運営されている同サイトは、2014年7月よりベータ版として公開していたものにEC機能が追加され、正式版のリリースに至った。
情報と商品を届ける
本誌でも度々紹介しているが、クラウドファンディングの盛り上がり、デジタルファブリケーション技術の普及、必要な技術が安価になってきたことなどから、世界的にモノづくりのスタートアップは増えてきている。
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ハードウェアスタートアップは増えてきているものの、情報を発信する媒体や販売する場所はまだまだ整備されていない。ここを整備していくことで、ハードウェアスタートアップを応援する、というのが「SAKIDORI」の目標だ。
メディアとコマースの融合
「SAKIDORI」の特徴の1つは先端のハードウェアに特化していること。もうひとつは、メディア機能とコマース機能がセットになっていることだ。記事中で紹介されるプロダクトは、ストアページからすぐに購入できるようになっている。
リリースのタイミングでは国内のハードウェアスタートアップのプロダクトである、スマホアクセサリー「AYATORI」とペット用自動給餌器「PETLY」が販売されており、北米の「Nest」のプロダクトやクアッドコプターが並んでいる。ガジェット好きな人々であれば、ついついチェックしてしまうのではないだろうか。
ファッション系のサービスを中心に、メディアとコマースの領域が接近していることは、本誌でも触れている。コマース側がメディア的になる、メディアがコマース機能を持つ、アプローチは両サイドから行われているが、こうしたチャレンジは今後増えてくるだろう。
掲載されている記事は、SAKIDORIキュレーターと呼ばれる人々が、世界のクラウドファンディング情報などから見つけたプロダクトを紹介している。クラウドファンディングに掲載されるタイミングと、実際の商品化のタイミングにはズレがあるため、実際に購入できる商品は最初のタイミングではあまり多くない。
クラウドファンディングに登場した新たなプロダクトの紹介、商品化のニュースの掲載、そして販売まで行ってくれるのであれば、ガジェット好きの人々にとっては情報をチェックしたくなる場所となるのではないだろうか。
ハードウェアスタートアップの盛り上がり
「SAKIDORI」は記事と商品のキュレーション力を土台に、メディアの影響力と販売力を高めていくことになる。ちょうど本日掲載された記事では、秋葉原にハードウェアスタートアップ向けの拠点「DMM.make AKIBA」と、企業支援プログラムが発表された。
今後日本でもハードウェアスタートアップが増えていくことになる。それを応援しようというWILBYのスタートアップとしてのチャレンジにも期待したい。
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