【追記あり】元gumi、AWSエバンジェリスト堀内康弘氏、マネーフォワード技術顧問に

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マネーフォワード技術顧問に就任した堀内康弘氏

注目の技術者がまた新たなスタートアップへ参加する。

今晩開催されたAWS User Groupのイベントで、元gumiの取締役CTOであり、その後に参加したアマゾンデータサービスジャパンではAWSの「伝道師」として活躍、先日、突然の退職で多くの事業者がその身を狙っていた技術者の堀内康弘氏が、マネーフォワード技術顧問に就任することが明らかになった。

関係者の話を少し確認したところでは、フルタイムでのコミットではないとのこと。しかし、Apple PayやPayPalの分社化などでその動きに注目が集まる金融関連市場で、独自のマネープラットフォームとして躍進を続ける同社への参加は、今後の技術系人材の動きにも影響を与えそうだ。

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AWSのユーザーイベントの壇上でマネーフォワードのTシャツを着ちゃった堀内氏

堀内氏は1978年生まれ。慶応義塾大学卒業後にブイキューブ入社。企業向けのウェブシステムを経験後、2005年から動画共有サイト「FlipClip」の開発に従事。その時にgumiの代表取締役である國光宏尚氏と出会い2009年にgumiに入社、幕末英雄伝などヒット作品を手がけた。

退職後はアマゾンAWSのエバンジェリストとして各方面にその経験を伝えていた。本誌も過去、堀内氏には注目していくつかインタビューなどを実施している。

現在、本誌は堀内氏およびマネーフォワード代表取締役の辻庸介氏にコメントを求めている。

【10月8日追記:本件について両氏からコメントを貰った。】

堀内氏がアマゾンを離れる前から話はあったらしい。辻氏はこのようなコメントを寄せてくれた。

マネーフォワードは、とにかくテクノロジーオリエンティッドな組織を目指してるんですが、今や160万人を抱える個人向けサービスと、凄いスピードで伸びている中小企業向けクラウドサービス(会計、請求)と、二つのサービスを提供していることもあり、とにかくシステム面でも新しい課題がドンドンでてきてます。

そんな課題について、堀内さんに相談しているうちに、凄く波長があって、だったら一緒にやりましょうかと。優秀なエンジニアが続々と集まっている当社ですが、そんな中でも堀内さんの経験と実績は圧倒的なので、これからサービス開発が更に加速していくと思うと益々楽しみです。

また、続いて堀内氏ご本人からもコメントが届いた。普通にマネーフォワードの利用ユーザーだったことから関係が始まったようだ。

実はマネーフォーワードを使っていたおかげで、クレジットカードの不正利用に気づくことができたってことがあったんです。マネーフォワードはクレジットカードの利用履歴をプッシュ通知で知らせてくれるので、いつ、何に、いくら使ったかを教えてくれます。

あるとき、身に覚えのない2000円くらいのカード利用の通知が連続で何回もプッシュされてきて、これはおかしいなと気づいたんです。カード会社に問い合わせみてみると不正利用であることがわかりました。もしマネーフォワードを使っていなかったら、今も不正利用に気づかなかったかもしれません。それ以来、マネーフォワードのファンになりました。

その後、縁あって、辻さんとお会いして、何度かお話するうちに、サービスだけでなく、辻さんをはじめ、運営しているチームの皆さんとも波長があって、お手伝いしたいなという気持ちになりました。

もう一つは、エンジニアがもっともっと活躍できる世の中にすることに貢献したいという気持ちをずっと持っているのですが、それにはお金(=価値)に興味を持つエンジニアをもっと増やしていかないといけないのではないかという考えをもっているんです。マネーフォワードを知ってもらうことで、へんな意味でなく、お金に興味を持つエンジニアが増やしていければという思いもあります。

私が堀内氏を眺めていて思うのはエンジニアやデザイナなど、技術者にとっての新しいキャリアパス、ロールモデルだ。プロダクトのライフサイクルがどんどん短くなるなか、一カ所の企業で数十年と居場所を求め続けることは全ての職種において難しくなりつつある。「次にどこに移るべきか、何を創るべきか」というのは少し大げさに言えば、日本のエンジニアたちが次にどのような新しい事業を生み出すか、という課題とも言い換えられるかもしれない。

優れた技術者たちは夢や可能性のある事業に携わるべきだろうし、そうすることで大きな事業が生まれればまた新たな雇用が生まれることにも繋がる。そういった「潮目」で堀内氏のように経営や事業の立ち上げも経験した技術者たちの動きは他の人たちにとって大いに参考になるだろうし、やはり経験者は可能な限りこのような動きを牽引して欲しいとも思う。

堀内氏は以前のインタビューでも技術者の幸せについて語っていた。今回はフルコミットではないということだから、堀内氏にはぜひ他にも興味ある分野で技術者がどこに向かうべきなのか、示してもらえればと思う。

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