真においしいコーヒーを届けたい:プロのキュレーションとユーザの好みをミックスさせた豆の定期購入サービスCanvas Coffeeがリリース

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CanvasCoffee

「”おいしい”ってよく分からないですよね。だからこそ、プロが提案するものと個人の嗜好に合わせたものを混ぜあわせながら自分にピッタリでおいしいコーヒーを飲んでもらう仕組みをずっと考えていました」と、10月27日にCanvas CoffeeをリリースしたSEED TO CUPの八木俊匡氏は、それまでの自身の長年のバリスタとしての経験を踏まえて、どうやったらユーザにおいしいコーヒーを届けることができるかを考えていた。

「一般的に、コーヒーの好みをきちんと把握している人は少なく、見た目もどれも同じで可視化や言語化が難しい。高品質なコーヒーを飲む機会も少ないので、良さを体験してもらえる場が少ないのも問題でもありました」

そこで、「飲んでみなければわからないなら、飲んでおいしいを選んでもらう」という考えのもとに着想したのがCanvasCoffeeだ。

CanvasCoffeeは3000円のStandard、5000円のGrandeの2種類を選び、さらに初回に「ミルク」「ストレート」「おまかせ」の3種類から好きなカテゴリーを注文する。選択した嗜好に合った2種類の豆と同社おすすめの1種類の豆が届けられ、届いた豆からユーザはおいしかった豆をフィードバックすると、翌月には新たにセレクトされた豆が3種類届く。これを繰り返すことで、好みにあった豆に出会えるという仕組みだ。27日にリリースして、すでに700名以上もの人が会員登録をしており、会員から定期購入に至るユーザのコンバージョンも、当初の予定よりも高いパーセンテージを維持しているという。

「同社がキュレーションするコーヒー豆は、国際品評会基準に基づいた世界最高峰の豆から選ばれ生産国、精製方法、焙煎度合い、風味特性など年間50種類程度の商品の中から毎月3種類を選んでおり、品質はしっかりと担保しています」

Canvas Coffeeは、以前関西で開催されたファンダーインスティテュートの第一期卒業生でもある。3ヶ月の徹底したプログラムを通じて、自身が思い描いていた構想を具体的なアウトプットやビジネスモデルにまで落としこむ経験は、八木氏にとって大きな飛躍となったという。

「毎週のピッチや1週間で数十人の顧客インタビューなど、座学では経験できない実践力が身に付きました。メンター、ディレクターとの真剣なやりとりは、その後の糧やいろいろなつながりを生んでいて、多くの方の助けによってサービスをリリースすることができました」

近年、サードウェーブコーヒー盛り上がりによって高品質なスペシャルティコーヒー市場はこの数年で大きく拡大しており、日本オンコーヒー市場におけるシェアを拡大させていると八木氏は語る。「先行しているアメリカ市場を例にすれば、これからの10年でさらに膨らむ可能性も十分にあります。この流れをブームで終わらせることなく継続するビジネスモデルを確立したい」と将来性に対して期待を寄せている。

今後は、まずは3年で1万人の定期購入会員を目指すと語る八木氏。さらに、2016年にはリアル店舗展開も視野に入れている。また、大学研究機関と連携の話を進めており、「嗜好データ」の解析・可視化をしていくことで将来的にはECや実店舗問わず、履歴レコメンドとは違った個々のパーソナルな嗜好に合ったするサービスを目指すという。

「サービスのビジョンである”おいしさの先にあるおいしいへ”を実現するために、試行錯誤していきたい」

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