グローバル・ブレインが、東大発のストレージ仮想化技術スタートアップIzumoBASEに1.6億円を出資

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東京のスタートアップ向け投資会社であるグローバル・ブレインは今日、ソフトウェア・ストレージ技術を開発する東大発の技術志向型スタートアップ IzumoBASE に出資したと発表した。出資金額は1.6億円(当初、出資額非開示としていましたが加筆修正しました)。

IzumoBASE は Software-Defined Storage(SDS)技術を開発している。Software-Defined と聞くと、Software-Defined Network(SDN)を提供するスタートアップであるミドクラのことを思い出す。SDN は複数のネットワーク機器を集中的に一つのソフトウェアで管理することで、効率的かつ柔軟にネットワークを運用するテクノロジーだ。対して SDS は、通常、クラウド環境の構築に必要とされる専用ストレージを使うことなく、汎用的なサーバ環境にソフトウェアを入れることで、簡単にクラウド環境を構築してしまおう、という技術だ。汎用的なハードウェアを使うためコストが圧倒的に安くなり、故障したときのリプレイスも簡単になる。中小企業でも、簡単に自前のプライベートクラウド環境が構築できるようになるわけだ。

IzumoBASE が開発するSDS製品「IzumoFS」はインライン重複排除という機能も備えており、データをストレージに書き込む際にブロック単位で重複があった場合には、リアルタイムで該当するブロックを書き込まない処理をする。こうすることで、不要な重複データがストレージに書き込まれなくなり、ストレージの入出力スピード、容量効率の向上を可能にする。

クリエーションラインネットワークバリューコンポネンツユニアデックスといった、クラウドベンダー/SI などとも協業体制を整えており、同社では今後、調達した資金を使って、SDS の製品開発と普及活動に注力したいとしている。

IzumoBASE は、東京大学大学院で情報理工学の博士課程を修了した荒川淳平氏が2012年に設立したスタートアップだ。荒川氏が先日行った講演の内容が公開されていたので、SDS について詳細を知りたい人は、以下のビデオを見てみるとよいだろう。

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