インフィニティ・ベンチャーズLLPが3号ファンドを設立、2015年に1億米ドル(約110億円)規模を計画

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インフィニティ・ベンチャーズLLP(以下、IVP)の共同代表パートナーである田中章雄氏、小野裕史氏、小林雅氏の三人

インフィニティ・ベンチャーズ LLP(以下、IVP)は11月6日、同キャピタルの第3号ファンド「Infnity e.ventures Asia III,L.P.」を11月1日付で設立したと発表した。今回の締め切りで調達した金額は約3200万米ドル(110円換算の日本円で約35億円)となり、2015年前半にはこれまでに投資実績のある海外の大口投資家などからの投資を含め、1億米ドル規模にするとしている。

これにより、2009年1月に設立した1号ファンドからの累計調達金額は1億2800万米ドル(同換算で約141億円)となり、これまでに国内外合わせて40社以上に投資、この累積投資金に対する時価評価額は3倍になったとした。

新しい3号ファンドに参加した投資家はリクルートホールディングス、大和証券グループ本社、サミーネットワークス、ORSO、ミクシィ、ユナイテッドなどの企業の他に、ネットやモバイル関連企業の経営者個人となっている。また、リクルートホールディングスとは中国の投資活動で協力体制を作る。

国内独立系ベンチャーキャピタルとして異彩を放つIVPの特徴と言えばやはり「Infinity Ventures Summit」だろう。

通称「IVS」と呼ばれるこの招待制イベントは国内のネット関連経営幹部のネットワーキングの場所として既に10年の実績を持ち、ここで開催されるスタートアップの登竜門「Launch Pad」は数多くの優秀な企業を生み出してきた。12月に開催されるイベントには既に120社の応募があったそうだ。

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北京のTechTempleに在籍したスタートアップたち

また、IVPのもう一つの特徴がアジアフォーカスだ。以前取材した、北京にあるIVP主催のインキュベーション施設「TechTemple」からは中国最大のローカルテックメディア「36Kr(36気)」をはじめ、数多くの中華系スタートアップを排出している。ちなみに36Krは既に増員してここを巣立っている一社でもある。

同様に国内にもfreeeのオフィスに併設する形でTechTempleを開設しており、ややシードに近いスタートアップの育成にも力を入れている。

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国内のTechTemple(freeeオフィス内併設)

中国TechTempleの活動については池田将の現地レポートがあるので興味ある方はぜひご一読頂きたい。

11時追記:IVP共同代表パートナーの小林雅氏から新ファンド設立に関連してコメントをもらった。

「freeeがシンガポールの投資会社から資金調達をしたり、台湾の会社がシリコンバレーのVCから資金調達をしたりと 投資先だけ見ていても投資活動(資金調達活動)はグローバル化・ボーダレス化していると感じています。IVPは国際的な投資会社として進化していきたいと考えています。 台湾のPinkoiに日本法人設立はIVPが支援して設立しましたし、サンフランシスコのThe RealRealに日本展開のJVを行なるなどしていますが、ニーズとしては非常に高いです。

日本の商社のような活動なのですが、新しい「商社」のような存在になっていきたいですね」。

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