地の利を活かしたサービス展開で駐車場業界にイノベーションを起こす、IVS優勝のあきっぱ!の構想とは?

Eguchi Shintaro by Eguchi Shintaro on 2014.12.22

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2014年4月にリリースし駐車場シェアリングサービスの「あきっぱ!」。駐車場シェアリングだけではなく、11月には、バレーパーキングシステムの「あきっぱ!プラス」もリリース。さらに、先日行われたInfinity Ventures Summit FallのLaunchpadでは、見事優勝を獲得するなど、今年一年で躍進したサービスである。

ギャラクシーエージェンシー代表取締役の金谷元気氏。

ギャラクシーエージェンシー代表取締役の金谷元気氏。取材場所は、東京にある営業所。

そんなあきっぱ!を運営するのは、ギャラクシーエージェンシー代表取締役の金谷元気氏だ。金谷氏に、今年一年を振り返ってもらいながら、来年以降の展望などについてインタビューを行った。(太字の質問はすべて筆者)

まずは、Infinity Ventures Summit FallのLaunchpad優勝、おめでとうございます。

ありがとうございます。

初めてのIVSのLaunchpad登壇の感想など、お聞きかせください。

思っていた以上にすごかったです。いろいろな方々との出会いもありましたし、Launchpadで優勝もさせてもらい、いろいろな方から引き合いが増えたりしました。

プレゼンでは、ぎりぎりまで練習などされていたんですか?優勝した要因など、どうお考えですか?

本番前は、紅葉がキレイだということで見に行ったりと、いつもどおり過ごしていました。正直言えば、本番までに自分が一番プレゼンの練習をしてきたという自負があります。IVSの直前でも、大阪のピッチイベントに登壇したりと、すでに色んなところでの登壇イベントも重ねたことで、あまり緊張せずにプレゼンができたと思います。優勝した要因というわけではありませんが、あきっぱ!はすでに実績をきちんと積んでいたこともあり、構想やビジョンといったものではなく、実現していることと市場の可能性、そして自分たちの思いをきちんと形にできた結果だったのかなと思っています。

優勝したことで、周囲からの反響はどうでしたか?

自分のピッチが終わって、優勝が決まる前から投資家の方々から多くのメールをいただきました。他にも、取材が増えたりと色々とありますが、一番は採用ですね。求人の応募数が一桁変わったくらい、求人の引き合いが増えました。現在、社員は正社員30人、バイトが10人程度なのですが、ここからもっともっと増やしていきたいと考えています。

現在、不足しているものってなんですか?

マーケターですね。まだまだ営業サイドも募集していますし、アプリ開発のエンジニアも募集しています。実は、春先にかけてウェブもアプリのフルリニューアルを考えているんです。ユーザの多くがスマホからの利用や予約が増えてきている状況のなか、UXを大きく改善できるようなサービス設計にしていきたいと考えています。

バレーパーキングサービスのあきっぱ!プラスが狙うもの

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IVS登壇直前に、バレーパーキング機能の「あきっぱ!プラス」もリリースしました。このバレーパーキングの狙いはどういったものなのですか?

現在、あきっぱ!の駐車場数は4万6000台ほどを確保しています。もともと駐車場が不足しているという需要サイドの問題があったこともあり、いまだ需要に対して供給が追いついていないのが現状です。業界大手のタイムズさんは50万台ほどの駐車場を確保していますが、それでも不足しているんです。その一つに、目的地付近に駐車場が空いていない、という課題があります。そこで、海外でも注目され始めているバレーパーキングの仕組みを使い、目的地付近で車の乗り降りができて代わりにどこかの駐車場に停めてもらえることで、わざわざ目的地から遠い駐車場に停車する手間が省けると考えました。

サービスをリリースして一ヶ月程度ですが、利用状況はどうですか?

ライブ会場や大型商業施設付近での利用などが多く、すでに数百件ほどの利用をしていただいています。現在は、代行業者を使ったBtoC向けとして利用しているのですが、意外と法人利用の需要が高いこともわかりました。例えば、車で移動して次の打ち合わせに行っても、駐車場がなくて停める場所がない、ということをお手伝いすることができます。今後は、Uberがドライバーの空き時間を活用したように、個人の空き時間を活用できるCtoCな仕組みも提供できればと思います。もちろん、駐車代行だけでなく、オイル交換や洗車などのオプション機能も追加することで利用するユーザにとっても手間が省け、サービス提供者は空いている時間でちょっとしたお金も稼げるようになると考えています。

また、今後の動きとしてライブや音楽フェスなどのイベントとタイアップできるような仕組みも考えています。都心でイベントをやると駐車場問題が大変なので、例えばライブのチケットを買うときにあきっぱ!プラスのオプションを付けて、車で会場に行って帰りに迎えにきてもらうのを3000円ぽっきり、みたいなことができるかもと考えています。

地の利を生かしたサービス展開と今後の目標

ギャラクシーエージェンシーさんは、大阪発の企業として拠点を関西においています。定期的に東京にも出てきていると思いますが、関西と東京との違いや、メリットデメリットなどを感じることはありますか?

やはり、人の多さや投資家との出会い、ネットを経由したプロモーションなど色々と学びが多いのは東京ですね。しかし、あきっぱ!のようなビジネスのやりやすさはやはり大阪ですね。東京と違い、大阪はいまだ車社会ですし、駐車場という課題自体に対して理解されやすいです。さらに、大阪で普段活動していると、目立ちやすいというのもあります。全国的な露出が増えることで、大阪を拠点にしている企業とのアライアンスもやりやすくなります。事実、あきっぱ!では個人の駐車場オーナーは基本的に口コミベースで、営業の多くが大型の駐車場を保有されている事業会社などへのアプローチです。例えば、線路下の月極駐車場は鉄道系の会社がオーナーだったり、不動産系の会社が駐車場を持っていたりしていて、契約すれば数十もの駐車場を確保することができます。そうした企業との交渉でも、自分たちのサービスの信頼を図る上でメディアへの注目が高いことは影響力がありますね。

ただ、一つ気をつけていることは「大阪らしさ」を過剰に発信しないことです。サービス自体は全国のあらゆるところでの展開を考えているので、無理に大阪らしさを出してしまうと、逆にマイナスになりかねません。プレゼンでも、IVSでは渋谷の事例を紹介するなど場所によって内容も修正したりしています。もちろん、足を使った営業や普段のコミュニケーションや付き合いは大阪の方々ともやりとりさせてもらいながら、普段の拠点としての大阪は忘れていません。大阪を拠点に、東京で活動していることで両方のメリットを活かせると考えています。

大阪の地の利と、東京の地の利の両方をうまく活かしているんですね。今年一年、色々と活動を展開されてきましたが、今後の展望として見据えているものはありますか?

まずは、駐車場の台数を増やすことと同時に利用や予約数を増やすことです。私たちのKPIも予約数を見据えています。台数は、業界大手のタイムズさんの50万台数を、あと2〜3年以内には抜きたいですね。タイムズさんとあきっぱ!とが明確に違うのは、タイムズさんは場所を見て、市場調査してそこから場所を自社で借上して駐車施設を整備するための初期費用が高いために、駐車料金が高い設定なのです。あきっぱ!は、初期費用がほとんどかからず、空いているときだけの利用でいいので柔軟性も高い。なので、台数自体を増やすのは、タイムズさんよりも何倍も簡単にできるんです。なので、あとはサービスの拡充や需要が高いエリアのカバーですね。

そこで、あきっぱ!プラスの出番です。業界全体としても駐車場の価格を安く抑えているあきっぱ!ですが、まだまだエリアの拡大途中なこともあり、確実に近くの駐車場が空いているという保証ができていません。もちろん、アプリなどで駐車場の状況をリアルタイムで確認することができますが、絶対的な台数を確保するまでは難しい。しかし、目的地付近で降りて、あとはあきっぱ!プラスを使ってどこかに停めてもらえれば、駐車場の心配をする必要もありません。つまり、目的地に着いてすぐに乗降したい人はあきっぱ!プラスを、安さにこだわったり行き先付近の場所が確保できればあきっぱ!を使う、というユーザへの選択肢を提供しているのが、従来の駐車場サービスにはない良さがあると考えています。

なるほど!バレーパーキングの仕組みによって、ユーザに対してよりよい利便性を提供することで、利用の促進を図ろうとしてるんですね。

そうですね。現在は、まだまだコインパーキングの次、というセカンドチョイスとしての利用が多いのが現状です。しかし、一度行ったことがある場所の駐車場が普段から埋まってるなどであきっぱ!を利用したことがある人は、すぐにあきっぱ!を利用してもらうといったリピート率の高さがあります。台数を増やし、利用者の満足度を高め、一度でも使ったことのある人を増やし続けることで、駐車場サービスに対するマインドシェアを取れると考えています。

ある程度の段階が見えてきたら、今度はテレビCMなどによる広告の出番です。あきっぱ!ユーザの多くは一般層でネットにあまり詳しくない人たちが対象です。だからこそ、普段使いとしてのシェアを取ることが重要になります。かつ、大阪などの地方では、まだまだCMの効果も高く、車利用者とのメディアの相性も良い。さらに、関西圏のCMの費用は東京に比べてコストも抑えられるため、費用対効果もかなり高いと期待できます。ここも、大阪を拠点にしている理由の一つと言えるかもしれません。

台数確保とユーザのマインドシェアを取っていき、2017年あたりを目処にIPOを視野にいれながら事業を進めていければと考えています。

ローカルならではな課題意識とユーザ属性、ユーザへのリーチを考えた展開ですね。そんなあきっぱ!ですが、現在抱えている課題はあるのでしょうか?

行った先に違う車が止まっていて駐車できない、という問題ですね。通りがかった人が、たまたま空いているスペースだから、ということで停めてしまうという事例が過去に数件だけありました。そんなトラブル対応としてコールセンターを設置していつでもユーザ対応を行い、周辺の駐車場をご紹介したり場合によってはコインパーキングをご案内し、費用はすべて弊社負担、ということも行っています。対応策として、Wi-FiやiBeaconなどによる利用者の検知などといろいろと考えられるので、そのあたりを現在詰めています。

現在の一番の対応策として、あきっぱ!プレスによる車のピックアップと駐車代行ですね。仮にその場所で停められなくても、目的地までユーザが移動してもらえれば、あとは駐車代行を行い、用事が終わる数時間後にまた車を指定の場所にまで持ってくることができます。もちろん、これも弊社負担で対応させていただきます。これによって、あきっぱ!プラスというサービス自体の良さも知ってもらえることで、よりあきっぱ!のリピートをしてくれる可能性もあります。現在のあきっぱ!とあきっぱ!プラスというこの2つが、いい形で相乗効果を作っていれると考えています。

トラブル対応を通じて、別のサービスの機能を提案し、それによってサービス自体の満足度や利用促進を促すんですね。あきっぱ!が目指す駐車場という課題解決の形が色々と見えてきたがします。最後に、来年の抱負をお聞かせください。

まずは、ウェブサイトとアプリの大型リニューアルです。これによって、サービス全体の利用促進や満足度を高めていきたいと考えています。それと、台数確保ですね。2015年には、業界2位のリパークさんが持っている15万台を越えたいですね。そのためにも、全国のスタジアムや大型商業施設といった場所周辺の場所を確保していきたいと考えています。

色々とお話ありがとうございました。また、色々とお話を聞かせてください。

こちらこそ、ありがとうございました。

Eguchi Shintaro

Eguchi Shintaro

ヒト、コト、モノをつなぐ編集者。ビジネスからデザイン、法律関係など分野を横断して動いています。THE BRIDGEでは、地方の起業家の取材や、ベンチャーに関わる法案や行政の動きなどを追いかけています。

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