コンテンツマーケティング&SEO管理プラットフォーム「GinzaMetrics」に学ぶ、法人向けサービスの作り方

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2014.12.19

GinzaMetrics-team
CEOのRay Grieselhuberさん(左)とGinzaMetricsのチーム

昨今のオンラインマーケティングは、大きく、DSPなどを使って行う「リスティング系」(広告)と、コンテンツマーケティングの2つに分かれます。特にここ数年では、後者にあたる、自社媒体の運営によって新規顧客開拓やブランディングを行う動きが盛んになっています。そんな「コンテンツマーケティング」に特化した企業向けのコンテンツマーケティング&SEO管理プラットフォームが、「GinzaMetrics」です。

良質なコンテンツで自然検索の流入を増やし、コマースなら購買のコンバージョンに繋げる。コンテンツの企画から、SEOの具体的な施策に至るまで、さらには記事公開後の効果測定までを一元管理できる点が特徴です。2008年にリリースされ、数百社の企業に導入されるGinzaMetricsのCEOであるRay Grieselhuber(レイ・グリセルフーバー)さんにお話を伺いました。

自然検索に回帰するオンラインマーケティング

SEOというと、古くから行われてきたのが被リンク数(他のサイトやページからリンクを貼ること)を稼ぐやり方。でも、GinzaMetricsでは、「将来的に、自社コンテンツを活かしたマーケティングが主流になる」と見込み、それをサポートすることに特化したプロダクト開発に専念してきました。

サイトにまつわるデータを様々なツールから取り込んで分析し、どんなキーワードでコンテンツを作成し、さらにはファインダビリティ(検索利用者にとってのウェブサイトの見つけやさを表す指標)を強化すべきかを提案。具体的には、競合サイトで流入が多いキーワードを特定し、それをヒントに独自コンテンツを作成するようなことが可能だと言います。

日本だけで契約数は100社に及び、GinzaMetricsを導入しているウェブサイトの数はそれを大幅に上回ります。日本では、「オーマイグラスィズ」や「みんなのマーケット」、「Gengo」など、自然検索の重要性を認識している大手企業からスタートアップまでが導入。中には、自然検索による流入が9割を占めるようなサイトもあるのだとか。また最近では、アメリカと日本に加えて、オーストラリアやインド、中国などの企業による導入も増加の傾向を見せています。

超グローバルな24時間体制のチーム

今回Rayさんに聞きたかったのが、GinzaMetricsの「グローバルなチーム」について。現在、アメリカ、カナダ、エルサルバドル、ポーランド、パキスタン、イタリア、ドイツと、7ヶ国にまたいでエンジニアを抱えています。世界中に散らばっている開発チームですが、時差が上手く機能することで、開発チームが24時間絶えず動く体制が出来上がっているそう。

以前に働いていた企業もリモートワークが一般的だったため、国を問わず、優秀な人材を雇うことが自分にとって自然だったというRayさん。人の紹介や、クラウドソーシングの「Odesk」などを使うことで、グローバル採用を実践しています。

チーム作りにおいて大切にするのは、GinzaMetricsというプロダクトを作ることへの情熱と、コミュニケーション力。離れているからこそ、Skypeミーティングなどは頻繁に行い、その限られた時間内に自分の考えなどを的確に伝える能力が求められます。

「リモートで仕事をする上で大切なのは、きちんとプロセスを作ることです。チームに対してやるべきことを伝え、仕事のリズム感を作ること。アメリカでは朝と夜に開発ミーティングを実施していますが、各国にエンジニアがいるので、そこからそれを次のエンジニアにハンドオフする形で上手くチームが連携しています」

いいものを作って対価を払ってもらう

法人向けサービスを7年間ほど運用してきて実感しているのが、「なるべく早く売上げを立てること」の重要性。フリーミアムが機能するケースもあるものの、最初から有料にすることを前提に、「お金を払ってでも使いたい」サービスを作るべきだと指摘します。

法人向けサービスを運営するスタートアップがやってしまいがちなのが、最初の価格設定を控えめにしてしまうこと。

「価格を押さえることで沢山の会社に使ってもらいたいのはわかりますが、それは、そもそもマーケティングのファネルがすごく広くないと成り立ちません。少し高いかなと思うくらいの金額でも、価値があるプロダクトなら、企業は使いたがるはずです」

現に、GinzaMetricsではここ1年ほどで2回の価格改定を行ったものの、値上げした後も新規顧客の数は後を絶ちません。また、プロダクトそのものに関して最重要なのは、「何かにとがっている、特徴のあるサービスを作ること」。機能単位のミクロで比較しても、そこだけで雲泥の差を出すことは難しい。企業が抱えるどんな課題を解決するツールなのか。それを一言で言えるくらいに、一点に集中したツールを開発することが肝なのだと言います。

ソフトコンテンツの時代のパートナーに

GinzaMetrics-website

GinzaMetricsには、数百社という導入企業から沢山のフィードバックが集まります。消費者向けのサービスに比べると、ビジネスに役立てるツールであるため、中にはクリティカルな要望も。機能を追加するかどうかの判断基準は以下の3点を踏まえて行うそう。

  • 既存のお客さんからのフィードバック
  • 自分のビジョン
  • 市場の動き

最も重要なのは、自分がプロダクトに対して掲げるビジョン。法人向けサービスでは、営業担当者が継続して顧客とコミュニケーションをとるため、イエスマンになることが容易い。

「機能追加の判断基準には、まず、自分の感覚的な部分がありますね。私自身、開発できるエンジニアなので、お客さんが喜ぶならと思って、ついつい機能を作ってしまいたくなってしまう。一歩離れたところで、チームとディスカッションをしながらサービスを改善していくことを心掛けています」

今後、ファクトを伝えるだけの「ハードコンテンツ」から、いかにカスタマージャーニーを形成し、なぜその企業やブランドを選ぶのかの決定打となる「ソフトコンテンツ」がますます大切になってくると話すRayさん。コンテンツマーケティングに本気で取り組む企業にとって、データをインテリジェンスに、さらには次のアクションに繋げてくれるGinzaMetricsが強い味方となりそうです。

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