シンガポールのHealintが、片頭痛を記録し症状改善に導くモバイルアプリ「頭痛ろぐ」の日本語版をローンチ

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2014.12.16

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片頭痛に苦しむ人は世界に10億人、全人口の15%に当たる。そんな人たちに向けて、モバイルとビッグデータを活用したソリューションが無料で提供されるという朗報だ。

シンガポールに拠点を置くスタートアップ Healint は先ごろ、片頭痛の記録と報告により症状の改善を支援するモバイルアプリ「頭痛ろぐ(英語名:Migraine Buddy)」の日本語版をローンチした。Android 向けにのみ提供されており、Google Play からダウンロードできる

頭痛ろぐは、ユーザのいる場所の天候データ・行動パターンと片頭痛の症状を記録しクラウド上に集約することで、外的要因と片頭痛の因果関係を明らかにし、症状を改善するための方法をユーザに提案することを意図している。オリジナル英語版は今年8月にリリースされ、年内にも全世界でダウンロード件数5万件に達する見込みだ。このアプリは、患者からの入力データやスマートフォンのセンサーから得た情報をもとに睡眠時間の検出を行っており、ローンチからの4ヶ月間の情報集約で、既に天候や睡眠と片頭痛の因果関係が明らかになっている。

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本稿冒頭に掲げたヒートマップは、集められた患者からのデータを見える化したものだが、英語圏からのデータは集まっているものの、日本の部分に色がついていない(日本に片頭痛に苦しむ人が居ないわけではなく、これは明らかに言語障壁に起因するものだろう)。世界的にもモバイルユーザ人口の大きさから言って決して無視できない日本市場向けに、 日本語版をローンチするに至ったとのことだ。

頭痛ろぐを開発する Healint は、シンガポールの神経内科医とデータサイエンティストが設立したスタートアップで、これまでに JFDI Asia などインキュベータやベンチャーキャピタルから約36万ドル(米ドル)のシード資金を調達している。世界中の製薬会社や片頭痛を専門研究する医療団体などに得られた情報を提供し、医療や製薬開発を支援することで収益を上げる考えのようだ。

このアプリの開発に携わったシンガポール Mount Elizabeth 病院の神経内科医 Michael Yap 氏は、次のようにコメントしている。

片頭痛のエピソードをモバイルに記録するという方法をとっていますが、これは私の患者にとって便利な方法であり、当院での受診をさらに効果的なものにすることができます。この方法は、誤りを減らすことにも役立ちます。というのも、大抵の人は数週間前、数カ月前に起こった片頭痛について正確に説明することはできないからです。患者のバックグラウンドや体調をさらに包括的な観点で把握し、片頭痛患者に最善の治療を提供できるようにすることは、神経内科医である私にとって極めて重要です。

2015年には、日本の研究者や病院とも協業関係を開始するということなので、日本でも頭痛ろぐはよりポピュラーな存在になるはずだ。モバイルとビッグデータを利用した、症状記録と改善提案そして医療研究への貢献は、片頭痛以外のさまざまな体調不良/疾病管理にも応用できるので、この分野のビジネス成長の可能性は極めて大きいと言えるだろう。

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「頭痛ろぐ」で集められたデータが参照できる、医師向けのダッシュボード。

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