KDDI ∞ Labo第7期DemoDay、最優秀賞は医療業務改善のDr.JOYが獲得、次期キーワードは「地方連携」

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.1.27

KDDIは1月27日、都内にて第7期となるKDDI ∞ LaboのDemoDayを開催した。7期生は企業連合パートナーとして発表された13社の企業たちが支援したのが特徴で、プログラムに参加した5つのスタートアップたちが壇上でその成果を発表した。

参加者投票によって選出されるオーディエンス賞、および最優秀チーム賞の栄冠は現役医師が設計した「Dr.JOY」が獲得した。以下に各社のプレゼンテーションをまとめる。(見出しはサービス名・社名と代表者名)

Dr.JOY・Dr.JOY代表取締役の石松宏章氏

Dr.JOYは医療現場に存在する無駄をなくすことを目的としたソーシャルプラットフォーム。代表の石松氏は現役医者で、今回の開発にあたり1年間病院に住み込みその知見をサービスに反映させているという。

「さんざん待たされても診察が一瞬で終わる。待たせたくて待たせているわけではない。医局というバックオフィスで事務業務に忙殺されたりしている。診察が始まってもPHSが鳴る」(石松氏)。

この業務フローを効率化することを考えたのがDr.JOYだ。

Dr.JOYは医療業務上の改善点や医局会の資料共有など、医療現場にあったコミュニケーションの形を提案している。結果として「連絡ノートを使わなくった。PHSの回数が減った」などの効果があり、利用日数は「26日と業務日数を越えたもの」(石松氏)になっているという。

実際の医療機関で試験導入を経て、現在4つの大学病院での導入準備を進めているという。

Sakaseru・goal代表取締役の西山祐介氏

インターネットの力を使って花の世界に新しい価値観を生もうという挑戦をしているのがゴールの西山氏だ。西山氏は六本木で生花店を営み、また同じく取締役の野崎晶弘氏はフローリストで、数々のコンテストで受賞した経験を持っている。

彼らの経験を生かして生み出したサービスが今回披露されたSakaseruで、スマートフォンから花を贈ることができる。

花の知識が特になくてもフラワーデザイナーを指名することでオリジナルの花束を作ることができる。作成した花束はそのまま都内特定の場所、時間に発送することも可能。

Ingram・Add Quality代表取締役の松田総一氏

全文検索とは違った切り口で情報を探しだそうというのがIngramだ。テレビや雑誌で見つけた商品をスマートフォンカメラで撮影、画像認識して類似商品を探し出してくれる。

彼らが重要視しているのが検索結果の精度だ。

「検索結果の精度は人工知能の学習データに比例する。例えばそのデータを増やそうとすれば誰かがデータを入れなければならない。それは大変な作業になる。そこで、ユーザーが使ったデータを一カ所に集めて自立学習する仕組みを作った」(松田氏)。

これによって人工知能を育成させる「独自のエコシステム」を構築したのがが特徴なのだそうだ。

定性的な商品検索はまだ難しく、Pinterestに代表されるイメージのザッピングが唯一といっていい手がかりだった。Ingramはまだメタ情報が登録されていないデータも統計的な推測から見つけ出せるという。

またクリッピングなどの機能を使えば、ひも付く価格情報が下がった場合に通知してくれるなど、よりコマースよりのサービスを指向しているのも特徴になる。

HADO・meleap代表取締役の福田浩士氏

meleapが提供するHADOは空間認識技術、やヘッドマウントディスプレイ(HMD)、モーションセンサーなどの技術を組み合わせて仮想的に空間を生み出す技術を使ったスポーツゲーム。

部屋や町並みなどの空間を仮想的に生み出し、ゲームやフィットネスなどを仮想的に体感することができる。システムでは実際に体を動かし、歩き回るなど、より現実に近い状況を生み出すことを狙っている。

デバイスにスマートウォッチとスマートフォンを活用したヘッドマウントディスプレイという汎用機を使ったのが特徴で、サバイバルゲームなどの体験型イベントなどでユーザーを増やすことを考えている。具体的なイメージは上記の動画をみるとよくわかるだろう。

彼らの企業サポーターとして支援したテレビ朝日の森悠紀氏は「技術、映像制作、イベントなどのアセット提供をし、他のサポート企業からのアドバイスもいただいた。今後は共同コンテンツや番組制作なども検討している」とメンタリングの成果を伝えた。

∞books・∞books代表取締役の佐田幸宏氏

∞booksは完全受注生産型の印刷システムを活用することで、在庫を持たない出版サービスを実現している。ウェブアプリを使って原稿を作成することで、出版の敷居を低くおさえようとしているのが特徴。タイトルを入力して本文を入力、後は出版ボタンを押すだけで出版ができる。

佐田氏は過去、1冊から書籍が作れるサービスを提供したところ、250冊の書籍が生まれたという経験を持つ。

「書籍を作りたいという人がいることはわかった。けれど、コストや難しいというイメージで敬遠されていた」(佐田氏)。

出版された書籍は電子書籍として発行することも可能で、そのままAmazonなどで販売することができる。

なお、DemoDayの最後に次期プログラムの方針についてKDDI代表取締役の高橋誠氏から説明があった。

まず高橋氏は「思い出に残る三カ月だったのではないだろうか」とプログラムを振り返る。

「パートナー企業とは全8回のビジネスマッチングの場を提供するなどした。また、パートナー企業とスタートアップがアイデアを創出するような取り組みも実施した。結果として四件ほどの具体的な事例も出てきている」(高橋氏)。

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特に大きな企業の場合、社内の事業にどのようなシナジーを与えるのか、社内の理解度を上げることがポイントになる。支援という名の下に遊んでるように見えるという「誤解」をみんなの力で乗り越えようという想いがパートナー企業にはあったという。

結果として8期ではこのパートナー連合プログラムをさらに充実、クレディセゾン、日立製作所が新たにこの連合に参画した。

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また、8期以降の新たなキーワードとして「地方連携」を掲げる。具体的な一歩として大阪で同じくスタートアップの育成に力を入れる「Osaka Innovation Hub」と連携、オフィススペースや端末の貸与、コミュニティの参加を大阪のスタートアップにも提供することで構想を推進するとした。

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