海外スタートアップが日本市場へ進出するための3つのポイント — Zen Squareで畳ディスカッション

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Scrum Ventures ジェネラル・パートナーの宮田拓弥氏

サンフランシスコにまた新たなアジアとアメリカを繋ぐ架け橋ができた。

ベンチャーキャピタルのScrum Venturesは1月22日、運営するコワーキングスペース「Zen Square」のオープニングイベントを開催した。ジェネラル・パートナーの宮田拓弥氏は、これまでにSpire、Any.DOなど約30のスタートアップに投資。2013年にScrum Venturesを立ち上げている。

イベントで開催された「畳ディスカッション」にはディー・エヌ・エーの安田幹広氏、リクルートの西条祐介氏、そして宮田氏の3者が登壇し「アメリカのスタートアップが日本へ進出するためにはどうすればいいのか」というテーマで議論、会場に集まった米国スタートアップたちに日本進出のTipsを伝授した。

冒頭に宮田氏が「日本市場は他の市場と比べて特異。投資先のスタートアップに対してはすぐにでも日本市場へ進出せよということは言っていない」と述べ、そこから西条氏、安田氏に日本市場進出のためのアドバイス・意見を求める形でディスカッションは進む。

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左:ディー・エヌ・エーの安田幹広氏、右:リクルートの西条祐介氏

安田氏は「日本人は製品・サービスに完璧性を求め、かつ意思決定も遅いため、進出には時間とお金がかかる。まずはしっかりとプロダクトを完成させて、資金が集まってから日本へ来るべき」と語ると、リクルートの西条氏はパートナー探しに関してアドバイスを送った。

「日本人の多くが個人より、信頼性の高いブランド力を持つ企業に惹かれます。そのため、アメリカのスタートアップが自社のプロダクトを、信頼性を持って届けるためには、個人ではなく、企業をパートナーとして探すべきだと考えます」(西条氏)。

三者の意見をまとめると、日本市場の特徴が大きく3つ見えてくる。

  • 「プロダクトに完璧を求める」
  • 「決断に時間をかける」
  • 「知名度が信頼の尺度」

これらはアメリカのスタートアップがクリアしなければいけないポイントとも言える。

私は日本のスタートアップ業界は、組織ではなく個人に惹かれてしまうと考えている。例えば、有名な経歴を持っていたり、メディアに多く露出する起業家が、新しい製品をリリースしたとしよう。そうすると、製品の善し悪しに関らず、肩書きから来る先入観に囚われて使ってしまう。このような流れが発生するのが日本スタートアップの特徴であると思っている。

いずれにせよ、日本人は個人や組織問わず、知名度になびかれやすいのかもしれない。

イベントでは、Zen Square TVというメディアも立ち上げて、より幅広く展開ということが発表されていた。これからも、Zen Squareがサンフランシスコを拠点にどのように事業展開され、海外スタートアップと絡んで行くのかが期待される。

※情報開示:筆者はZen Squareのサポートスタッフとしてお手伝いをしています。

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