ユーザ数150万を超えたCacoo。北米支社設立とビジネス版をリリースし、グローバル展開を加速させる

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ヌーラボは2月18日、企業向けに機能を強化した「Cacoo for ビジネス」をリリースした。Cacooは、コラボレーションサービスとして、ウェブ上でワイヤーフレームや図を作成できるサービス。共有機能やチャットサービスなどが充実している。現在、Cacooのユーザ数は150万人で、その多くが仕事でCacooを使っているビジネスユーザ。THE BRIDGE読者で、ウェブディレクターやアプリ制作などで一度は使った人も多いはず。

今回、Cacooはビジネス向けとしてサービスをリリース。誰でも簡単に図を作成し共有できるという今までの機能に加え、セキュリティーや管理機能などが追加された。また、組織単位での図の管理によって、プロジェクト単位で運用することができ、複数人のユーザをひとまとめにしたグループに対して図を共有し、閲覧のみや管理者などメンバーによって権限を設定することができる。また、仮に組織のメンバーではなくなったユーザが作成した図も、組織に帰属したままになったりと、よりビジネス向けの機能が加わることになる。

また、Cacoo for ビジネスのユーザは、フリープランの基本機能に加えてPDFやPowerPoint形式でのエクスポートなどのプレミアム機能が利用できるとのこと。リリースに際して、30日間の無料トライアルも実施している。

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「ワイヤーフレームやサイトマップ、ネットワーク図やアーキテクチャ図の作成だけでなく、UIのレビューやフィードバック、それらを含む設計資料や指示書の作成、共有など、さまざまな用途に使われています」と、同社代表取締役の橋本正徳氏は語る。

もともと、ビジネス版をリリースする前から、Cacooのオンプレミス版としてCacoo for エンタープライズを提供していた。DeNAやDMM、Cookpadなどの企業に導入していくなかで、ビジネス向けにいかにして安心安全に利用してもらえるかのフィードバックを得ることができたと橋本氏は語る。

「例えば、効率のよいユーザ管理や権限の柔軟性、セキュリティオプションや機能の強化、退職したユーザーが作成していた図をきちんと管理して引き継ぐことができるかどうか、などの意見をいただき、それらを反映した形になっています。それらの機能強化をクラウド版に反映させ、よりビジネスにおいて使いやすいサービスとして、今回提供することができました」

また、従来通り個人向けのサービスは継続して提供する。個人向けとビジネス向け、さらにフリーミアムモデルという仕組みなど、DropboxやEvernoteとも近いビジネスモデルと言えるかもしれない。

「今後は、企業ユーザへの拡大を目指し、機能強化を図っていきます。具体的には二段階認証などのセキュリティポリシー設定などの強化、他のツールやサービスとのインテグレーション強化を進めていきたいです」

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Cacooは、86%が海外ユーザとして世界で使われているサービス。米国では日本とほぼ同じ全ユーザの15%ものユーザシェアだという。そうした状況を鑑みて、2014年10月にニューヨークに子会社を設立。米国におけるマーケティング強化を図っていくという。

「現在、日本とアメリカのユーザ数はほぼ同じで、課金ユーザ数は日本が1番で次がアメリカと、他の国と比較してもダントツに高い状況です。日本と同様に受け入れられ、リアルな仕事に活用されていると言えます。そこで、ニューヨーク支社を設立し、人材採用やより緊密なユーザコミュニケーションを行っていけたらと考えています。すでに2名のスタッフも配置し、コミュニティづくりをおこなっています」

2015年1月には、同様にユーザ数が伸びている台湾にて、ミートアップイベントを開催するなど、国内外含めて世界中のCacooユーザとのコミュニケーションを図っている。

今後は、北米のマーケティング活動の本格化を踏まえ、ビジネス版をもとに世界の企業やさまざま組織への導入を進めていくという。

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