ツイッターの元CEOが、志あるスタートアップ企業の支援に着手

Obvious Venturesの創設者Evan Williams氏  Creative Commons: Some rights reserved. Photo by Christopher Michel
Obvious Venturesの創設者Evan Williams氏
Creative Commons: Some rights reserved. Photo by Christopher Michel

エヴァン・ウィリアムズ(Evan Williams)氏は、ブログ作成ツールの先駆けであるBloggerの開発者であり、2008年から2010年までの間、ツイッター(Twitter)の最高経営責任者を務め、2012年には出版プラットフォームMediumを創設した、いわば“21世紀型メディア”の生みの親ともいえる人物ですが、現在、その卓越した経験・知識と豊かな資力を活かし、メディア業界の枠組みを超え、志ある起業家たちの支援に取り組みはじめています。

ウィリアムズ氏は、利益を追求しながら目的や理念に向かって邁進するスタートアップ企業を支援すべく、ベンチャーキャピタリストのジェームズ・ホアキン(James Joaquin)氏らとともに、2014年12月、ベンチャーキャピタル「Obvious Ventures(オビアス・ベンチャーズ)」を創設しました。

投資分野として、環境負荷に配慮した価値の高いソリューションを創出する「Sustainable Systems」、個人や小規模事業者を支え、雇用状況や教育環境の改善に取り組む「People Power」、健康増進につながる商品・サービスを開発する「Healthy Living」という3つのジャンルを柱に掲げているのが特徴です。

Obvious Venturesは、これまでに、スタートアップ企業10社に投資。Sustainable Systemsのジャンルでは、代用肉の専門メーカー「Beyond Meat」(動画参照)や建築家・エンジニア向けのデザインツールを提供する「Flux」が投資先として名を連ね、People Powerのジャンルからは、小規模事業者向けの業務管理アプリ「Breezeworks」やオンライン署名プラットフォーム「Change.org」などが出資を受けました。

また、Healthy Livingの投資先として、植物性チーズの専門ブランド「Miyoko’s Kitchen」や栄養食品を開発する「OLLY」も、Obvious Venturesからサポートを得ています。

Obvious Venturesは、自らのミッションとして、“目的達成と利益追求の融合”を掲げています。資金のみならず、起業・経営・ファイナンスなどの専門知識やノウハウを惜しみなく提供し、投資先のスタートアップ企業を成功へと導くことで、“世の中によいことをするためには、収益面で多少の妥協をせざるをえない”という従来の投資家たちの固定概念をも覆そうとしているのです。

ウィリアムズ氏が中心となって展開しているObvious Venturesは、食料危機という課題の解決に向けて、グーグルの会長エリック・シュミット氏らが創設した「FARM 2050」などと同様、かつての起業家が、自らの経験と資力を活用し、次世代の起業家を育て、世界的な課題の解決にもつなげる、ポジティブな取り組みとしても、今後の展開が注目されます。

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