スマホアプリの市場調査サービスを提供するFULLERが総額2.3 億円の資金調達を実施、コロプラ、オプトなどから

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FULLER 代表取締役 渋谷修太氏
FULLER 代表取締役 渋谷修太氏

KOIL(柏の葉・オープン・イノベーション・ラボ)を拠点として活動しているスタートアップFULLERが本日、既存株主1社に加えて、新たにGlobal Catalyst Partners、コロプラ、オプト、朝日新聞社、日本交通、インフォテリアの6社、さらには複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資により、総額2 .3億円の資金調達を実施した。

FULLERは端末管理アプリ「ぼく、スマホ」や、スマートフォンアプリ視聴率調査サービス「App Ape」を提供しているスタートアップだ。昨年、11月に提供を開始したスマートフォンアプリの市場・競合調査ができるサービス「App Ape」は開始から2ヶ月で会員登録数が2,000件を突破している。

App Ape Analytics

「App Ape」はテレビにおける視聴率を算出する方法を用いてアプリの調査を行っている。FULLERが提供している端末管理アプリをインストールしているユーザから、データの取得理由や利用規約に目を通してもらった上で、オプトインでデータをもらって分析し、アプリのデータを算出しているという。

FULLER 代表取締役の渋谷修太氏は、

渋谷氏「Gunosy、エウレカ、アドウェイズといった企業に、他アプリの動向や市場調査などの用途で利用していただいています。UIの扱いやすさ、出しているデータの見やすさ、月次で出しているレポート、カスタマーサポートの体制などを評価していただいています」

と「App Ape」への手応えを語る。今回の資金調達により、「App Ape」の拡充や新たなサービス開発を実施していくとのことだが、資金調達に至るまでには容易ではなかったと、渋谷氏は語る。

渋谷氏「あと数ヶ月でキャッシュアウトという状況もありました。この時期は社員みんなに助けられました。社員全員で売上のみをKPIにし、稼ぐことにフォーカスしたことで乗り越え、結果として今のApp Apeにつながっています。

調達に向けて動いているタイミングで、日本交通の川鍋社長とインフォテリアの平野社長が真っ先に投資を決断してくださって、ピンチを乗り越えることができました。川鍋社長の「FULLERのゴキブリのような生命力に賭けるよ。」という言葉は今でも鮮明に覚えています」

ハードルを乗り越え、次のステージへと進むことができたFULLERは、海外への展開や新たなサービスの提供なども視野に入れている。

渋谷氏「海外への進出はアジアの中でも、特に中国・台湾・香港の中華圏への進出を考えています。あとは、韓国と米国の3つのエリアに今年中に展開予定です。また、今年の春頃に2つほど新たにリリース予定のサービスがあります。1つは海外向けのスマートフォン利用最適化アプリ、もう1つは「ぼく、スマホ」の続編にあたるようなものを予定しています」

アプリの数が増え、利用者も増えていく中で、アプリのデータを知りたいというニーズは高まっていく。「App Annie」など他のアプリ市場分析サービスも存在している中で、FULLERがどのように勝負していくのか。注目していきたい。

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