人とモノとのミスマッチをなくすーーSEOおたくが生んだ「カウモ」で変わるモノとの出会い

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.2.20

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ここ数カ月、本当にコンテンツまとめ系のサイト話をよく聞くようになった。

もちろん、理由はiemoやMERY、そして4meee!のような先行事例が出ていることが理由だろう。他にも1、2年前から準備を進めているサイトが次のステージに向けて黙々と日々コンテンツを量産していることも知っている。

彼らの特徴は短期間で強烈にトラフィックを稼ぎ出すことだ。ついぞ10年前には「目指せ100万ページビュー」だったのが、初月達成でなければ別のアイデアに、という有様になっている。彼らがやってるのは新たに生まれたスマートフォン接続ユーザーの可処分時間の奪い合いだ。

そしてまたここに新しく名乗りを挙げたプレーヤーが出てきた。

KAUMOと名づけられたサイトが集めているコンテンツは「モノ」だ。日々、私たちが探しているモノに関する情報を大量にまとめ上げ、2014年8月の創業から約半年ほどで月間250万UU(ユニークユーザー)を集めるようになっている。

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左から:カウモ取締役の渋江勇樹氏と代表取締役の太田和光氏

創業者でカウモ代表取締役の太田和光氏と取締役の渋江勇樹氏は1992年生まれ、まだ22歳の学生起業家。(太田氏は2週間で在籍していた大学を辞めたそうだが)創業時にSkyland Ventures、East Ventures、Incubate Fundの三社から総額1800万円の資金調達を実施している。そして2015年2月には、ドリコムからの更なる資金調達にも成功したということだった。

少し前置きが長くなった。つまり、ここまでの話を要約すると「またまとめ系か」、である。

SEOおたくの創業者が考える「新しいモノとの出会い」

さて、もちろん単なる気合と根性のコピペサイトだったら私は書いてないし、彼らを支援する投資家たちもやってきてなかっただろう。特に今回支援に入ったドリコムの代表取締役、内藤裕紀氏は直接彼らをメンタリングしているというほど熱が入っている。

「元々は木下さん(Skyland Ventures代表パートナーの木下慶彦氏)のStartup Schoolで出会ったんですが、そこからたまに昼ごはんとか食べながら事業計画などの相談を受けてたんですね。で、彼らの話するメディアECの内容が自分の思っている仮説と近かったんです」(内藤氏)。

KAUMOが目指しているのは内藤氏が話す「メディアEC」という表現に近いところにある。まだ現状ではただのコンテンツまとめにしか見えないが、太田氏の頭の中には別の世界が広がっているようだった。

太田氏は14歳の頃からSEOに携わる(というより話を聞いていると楽しんでいるようだった)根っからの「SEOおたく」ということで、例えば「渋谷 カフェ」で検索すると出てくるRettyのページなどは彼が手がけたものなのだそうだ。

渋谷_カフェ_-_Google_Search

「私の姉がソファを買おうとして検索したところ、やはり大手コマースサイトが出てきたんです。それで買ってみたらイメージと違っていたらしくって。今の検索結果というのは安いものを大量に買わせるという『ルール』があるんです。それを変えたい」(太田氏)。

彼が元々作ろうとしていたのは、商品レビューなどのサイト情報を集めて、その評価をさらに数値化、どの商品が最も定性的に評価され、自分が欲しいものかどうかを知ることができるものだった。しかし、そのレビューをただ集めただけのものは読んでいてもつまらない、感動のないものだったという。

「どういう文脈でそのモノを勧めているのか、それが分からないと感動は生まれないんです。だからどうしても人の手の力でコンテンツを作り出す必要があったんです」(太田氏)。

彼らが作りたいのは、人とモノのミスマッチが少ない世界だ。私は過去に何度かメディア化するECについて書いているが、人は本当に欲しいものというのは自分ではなかなか探せない。そもそもクエリを知らなければ投げることができない、それが検索の限界でもある。

参考記事:メディア化するECが変える「発見」と「体験」 – THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

内藤氏も同様のことを考えているようで、自身も何か商品を探すとき、大手まとめ系のコンテンツを参照することがあるのだという。

「コマースをはやい、やすい、うまいで表現すると、速いのはアマゾンだし、安いのは価格比較サイト。でも上手いっていうのはまだなかった。だからそこを狙えば勝てる」(内藤氏)。

彼らのサイトはまだ、太田氏の考える理想のアウトプットとは程遠い。しかしもし、その「上手い」方法が見つかって、サービスにそれがしっかりと表現できれば、コマースに新しい動線が生まれることになるかもしれない。

カウモ_-_欲しいモノと出会う。
現在のKAUMO。リニューアルを進めているそうだ。

最後に補足として、太田氏にコンテンツの権利処理(特に画像関連)を聞いたが、独自の引用ガイドラインを設けると共に、アウトソーシングで発生しうるトラブルについては社内で最終チェックするフローを組み込んでいるという。この辺りは指摘される可能性が大変高い箇所でもあるので、コンテンツを作る側としてもルールを守って頂きたいと願う。

 

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