NVCCが脳情報科学・生活ロボット・無線に特化した「けいはんなATRファンド」を50億円規模で設立

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国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が開発した「コドモロイド」。(写真提供:日本科学未来館)

スタートアップ向けの投資を中心に展開する日本ベンチャーキャピタル(NVCC)は、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)が有する技術シーズの事業化を目的とするファンド、通称「けいはんなATRファンド」を設立したと発表した。ファンドの規模は50億円、産業革新機構のほか、オムロンベンチャーズ、京都銀行、KDDI、構造計画研究所、サンコール、新生銀行、住友電気工業などが出資する(うち、産業革新機構の出資上限は25億円)。

けいはんな(=京阪奈)とは、京都・大阪・奈良の府県境にまたがる学研都市の愛称で、コドモロイドやオトナロイドの開発で知られる ATR などの研究施設が結集している。「けいはんなATRファンド」では、ATR 発や ATR の技術ライセンスで事業展開する企業について、集中的に投資していくとしている。

投資対象となるのは、主に次の3分野だ。

  • 脳情報科学  … BMI(Brain Machine Interface、念じてロボットを操作)、脳計測による精神疾患の診断・治療、など
  • 生活ロボット … ジェミノイド(人そっくりロボット)、テレノイド(介護ロボット)、店舗内の行動分析、など
  • 無線 … 電波からの電力回収、など

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単一の研究機関発の新興企業への投資を目的としたファンドとしては、国内最大の規模となる。特に条件があるわけではないが、結果的に投資先の多くは関西に拠点を置く新興企業となる見込みだ。NVCC は今後、ファンドの運用や出資判断にとどまらず、経営全般にわたり投資先へのハンズオン支援を提供するとしている。

日本における学研都市を中心としたスタートアップへの投資や支援活動には、他にも、つくばエクスプレス沿線にフォーカスした TX Entrepreneur PartnersKOIL などがある。

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