プライベートなことを安心して綴りたくなるネットの居場所ーーテキスト専用投稿サービス「LifeCLIPS」

by Junya Mori Junya Mori on 2015.3.10

LifeCLIPS

2004年にFacebookが、2006年にTwitterが世に送り出され、すっかりソーシャルメディアは世の中に浸透した。今では色んな人が、色んなことを日々投稿するようになったが、プライベートなことを安心して投稿できる場所はどこかにあるだろうか。

日本においては、Facebookはプライベートでも仕事でも境目なくフレンドになり、仕事に関連すること以外が投稿しにくくなってしまっている人もいる。何気なく投稿したものが、数多くの人にシェアされてしまったり、RTされてしまったりして、意図していない拡散を生む可能性もあって本音を書きにくいと感じている人もいる。

拡散を前提としない、限られた人にだけ読んでもらえればいいと考えている人向けのサイトがiDEAKITTが提供する「LifeCLIPS」だ。「LifeCLIPS」はとてもシンプルなサービスとなっている。主な機能は「記事を書く」「読んだ人の足あとがつく」「自分が気になる著者をフォローできる」の3つ。

「LifeCLIPS」は人の「書きたい」という欲求を満たすことを主眼に置いている。iDEAKITT代表の藤田遼平氏は、「多くの人に見てもらわなくても、数人でも読んでくれる人がいるのであれば文章を書きたいという人は大勢いる」と考えているという。

日本では「note」、海外では「Medium」など、新しいタイプのブログサービスも登場している。だが、テキストだけに特化したものはなかなか見られない。「LifeCLIPS」はテキストだけに特化し、文章を書く妨げになる機能を一切排除している。
niho
LifeCLIPS post

藤田氏はIBMで営業を経験後、Peatix incのスターティングメンバーとして参画した後、2年間のNYに留学した後、「LifeCLIPS」を立ち上げた。同氏は、NY時代に「Medium」に注目していたという。

藤田氏「「LifeCLIPS」と「Medium」の大きな違いは、「Medium」は読み手よりになってきていて、メディアであることに比重が傾きつつある一方で、「LifeCLIPS」は書き手よりであることが挙げられます。ユーザが書きたいときに、書きたいことを書ける状態を提供したいと考えています

あくまで「書き手」を対象にしたサービスにしたい、と語る藤田氏の思想は面白い。今後、サービスを「ラジオのようなものにしていきたい」と藤田氏は語る。

藤田氏「「LifeCLIPS」のユーザはサービス上に知り合いがいない人がほとんど。どこの誰だかわからないけれど、人の日常に触れるというのは面白いんです。ソーシャルメディアでは、肩書やプロフィールででフォローされる場合が多い。肩書から入るソーシャルグラフの形成ではなく、あくまでも文章力や文章にその人の暮らしがにじみでているかでソーシャルグラフが形成されるようにしていきたいと思っています」

現時点では、投稿数の累計は約1万6千ほど。いち投稿あたりの文字数の平均は400文字程度、平均の滞在時間10分以上だという。今後も、書くことを阻害する機能は減らし、書くことのきっかけになる機能は増やしていくことを考えているそうだ。

LifeCLIPS  channel

書くためのきっかけとして提供しているのが、特定のテーマに沿ったCLIPを集めるチャンネル機能だ。ここには書き手がつい書いてしまいたくなりそうなテーマが並ぶ。

藤田氏はこのチャンネル機能で企業やサービスとのコラボを考えている。すでに始まっているものとしては、日本赤十字社を支援先として開設された「Remember3.11」というチャンネルがある。3.11に関する想いを綴ってもらい、投稿された記事数に応じて日本赤十字社に寄付が行われる。ちょうど明日は3月11日、何か綴りたいことがある人は、ぜひチェックしてもらいたい。

LifeCLIPS 311

その日起きた出来事、ふいに蘇った懐かしい思い出、誰かについ話したくなってしまうようなこと。それを文章で表現したくなる人たちもいる。そういう人たちにとって心地よい場所を提供しようという「LifeCLIPS」の動きはとても興味深い。

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