Rettyが10億円を調達、新アプリは「普段使いのグルメ検索」レベルにーーぐるなび、食べログの「次」を狙う

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.3.16

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友人やグルメなユーザーのおすすめでレストラン検索ができるグルメサービスのRettyは3月16日、Fidelity Growth Partners Japan、グリーベンチャー ズ、みずほキャピタルの三社を引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達した資金は10億円で、株式比率や払込日などの詳細は非公開。

同社ではこれに合わせてiPhoneアプリの全面リニューアルと月間閲覧ユーザー数700万人突破も伝えている。Rettyの口コミ投稿数は150万件超で、30代から40代の男女を中心に利用ユーザーを伸ばし、2015年1月に600万人だった月間閲覧者数を700万人と、1カ月で100万人増加させた。

さて、2010年頃にスタートアップしたサービスの大型調達が続いているが、この時期にスタートしたグルメサービスの本命、Rettyも次のステージにやってきた。

大きなステップに相応しい話題が盛りだくさんだが、まず、最初にiPhoneアプリについて触れておこう。まず、最初に気がつくのは検索のしやすさだ。

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Rettyはそもそも友人やグルメなユーザーが「このお店はいい」と推薦してくれる情報が秀逸で、どこの誰か分からない人のレビューではなく、リアルにつながりのある人(もしくはRettyがオススメする推薦人)が「来店の最後の一押し」をしてくれるのが特徴だ。

優柔不断な私にとっていつもタイムラインに出てくる武田氏(Retty代表取締役の武田和也氏)のコメントは大変参考になっているし、新しいRettyのインターフェースは、場所とジャンルを選ぶだけで関連性の高いユーザーのオススメを表示してくれるので、より「Rettyらしさ」を感じられるものになっている。

この辺りの体験生はぐるなびで確立された「店舗検索」、食べログで一般的となった「ユーザーレビュー」に友人つながり、実名での「信頼できる口コミ」という新しい価値観をうまく上乗せできてると言えるのではないだろうか。武田氏はこうコメントしてくれている。

「Rettyの場合、実名の口コミデータベース上で、知人の口コミに出会う体験は一番分かりやすいと思います。そして検索ですね。『人』から探す体験については、知人以外にも実名で人となりが見えやすくなっているため、好みの合う人を見つけ、お店を探しているケースが増えています」(武田氏)。

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次に注目したいのはビジネスだ。前述の通り、Rettyは今回の大型調達で、先行するグルメ検索サービスであるぐるなびや食べログ(カカクコム)との本格的な勝負に入ったとみていいだろう。

ここで、先行2社の現時点の状況をおさらいしておく。まずぐるなびだ。同社の時価総額は今日時点で約968億円。同社の2015年3月期、第三四半期決算説明資料を紐解くと、月間アクセス11億ページビュー、5200万ユニークユーザー、1267万人の会員数という数字が並ぶ。3月期の売上高は通期予想が330億円(3Q実績は242億5000万円)で30億円の最終利益を予定している。

ぐるなびのビジネスモデルはいわゆる加盟店料で、現時点(2015年3月期の第三四半期時点)でストック型サービスの店舗当たり契約高 (ARPU)は月額で約4万4000円となっている。

一方、カカクコム(時価総額で約4466億円)傘下の食べログはどうだろうか。

資料だけから直接の比較はできないが、やはりこちらも2015年3月期、第三四半期決算説明資料を覗くといくつか数字が並んでいる。セグメント別の売上高は約90億6000万円(3Q実績値のみ。通期予測はなし)、プレミアム会員数が累計50万人を突破、有料課金店舗が4万1000店舗を突破している。ユーザー課金および広告収入モデルであり、2014年12月時点で月間利用者数は総数6,369万人で月間のアクセスは14億788万ページビューとなっている。

国内の飲食店舗数は50万店舗(ぐるなび四半期決算資料より)と予測されており、この市場を前にRettyは先行2社とどう戦うのだろうか?

まず、ユーザー数(ユニークブラウザ/閲覧ユーザー数)についてだ。ぐるなびと食べログの最新月次に対し、Rettyの現在の伸びであれば、単純に考えて彼らの規模になるまであと4、5年はかかってしまう。ここには何かプランがあるのだろうか?

「ユーザー数については、CMなどを打つわけではなく着実に増やしていきます。サイトの規模・成長に伴い、毎月増加するユーザー数ペースも増えてきておりますので、Rettyが1000万、2000万を超えたときの成長速度は今の100万人以上のものになってきます」(武田氏)。

次にモデルだ。先行2社は大きく分けて、店舗課金か広告かユーザー課金かのいずれかになっている。この件について武田氏はこう回答してくれている。

「こちらは組み合わせですね。店舗課金、ユーザー課金、そして大手企業向けの広告の3つを予定しております」(武田氏)。

確かに先行2社との差はまだまだ大きい。しかし、単なるクエリ検索ではない新しいお店の発見方法を着実に提供し続けているのも事実だ。

Rettyがこのままのペース、もしくはそれを上回る速度で成長すれば、あくまで併用かもしれないが、「ぐるなび(検索)、食べログ(レビュー)、Retty(口コミ)」というポジショニングはもっと確固たるものになるのではないだろうか。

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