企画力が光る「おひとりさま体験」を提供するソロモーノが目指す、「大人の女性」に向けたサービス作り

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Solomono(ソロモーノ)を運営・開発するチーム
solomono(ソロモーノ)ディレクターの高橋さん(左から2番目)とそのチーム

ターゲットを大人の女性に絞り、ひとり時間を楽しむための体験を提供する「solomono(ソロモーノ)」。リリースのタイミングでサービス内容を紹介しましたが、社内のビジネスプランコンテストに応募することから始まったというソロモーノの女性ディレクター、高橋弓子さんにお話を伺いました。

既存事業にヒントを得た「ひとり」と「初めて」という特徴

高橋さんがソロモーノの構想を得たのは、ザッパラスの既存事業がヒントになっています。同社は、占いを中心としたデジタルコンテンツの企画・制作を強みとし、それに関連したWebサービスやアプリを提供しています。新規事業を考えるにあたって、高橋さんの念頭にあったのはこのコンテンツ事業の女性ユーザーでした。

占いコンテンツのメインユーザーであるF1層とF2層の女性、特に30代後半から40代の女性には、自立し、率先して新しいことにチャレンジするという共通点が見られます。また、同じく手掛ける旅行関連の事業からも、こうした大人の女性に単独で行動する傾向があることがわかっていました。よりコンセプトを明確に絞っていくにあたって、社内や周囲のターゲット層の女性にヒヤリング。その中で出て来たのが「初めて」というキーワードでした。

「ヒヤリングする中で、ターゲットとする女性にとって一人で行動することが当たり前で抵抗がないことがわかりました。むしろ、人に気を遣うくらいなら自分が好きなことを一人ででもやりたい。また、新しいことへの関心がとても高いことなどから、大人の女性が「初めて」そして「一人で」できる体験に着目しました」

キーワードを組み合わせて生まれる体験のキュレーション

ソロモーノのウェブサイトに並ぶ体験を見ていると、いわゆる習い事系ではなく個性豊かなものが目立ちます。特に人気なのが「テキーラバーで体験する占い」や、「イタリア語で12星座の話をしよう」など、占いと何か別の要素を組み合わせたもの。これには既存事業のユーザーからの流入もありますが、それ以外からも広く体験申し込みが集まっています。

「女性には鉄板の美容系の体験も人気ですが、いわゆるスピリチュアルのような感じではなく、占いの要素がありつつ、コミュニケーションを楽しめるおしゃれな体験がウケているようです」

新しい体験のキュレーションは、ターゲット層が気になるであろうキーワードを拾っていくことから始めます。ターゲット層が読んでいる女性誌を見たり、起業家など自立した女性をヒヤリングしたり。最近新たにやってみたことなどについて聞き出し、出て来たキーワードをヒントに具体的な体験に落とし込んでいきます。

「発見や意外性を大切にしているため、例えば、体験を提供してくれるお店やプロなどに特技がある場合はそれを盛り込んでオリジナルの企画を作っています。1万5000円と高額な体験もありますが、お得なものより企画の中身を重視して選ばれています」

「知的」を意識した大人の女性に向けたデザイン

Solomono-website

意識してみると、女性向けのサービスには年齢で区切られているものが多く見受けられます。というのも、ユーザーが10代の女の子なのか、それとも20代後半なのか、はたまた30代以降なのかによって、サービスを「自分事」と感じるデザインに違いがあるから。一言でピンクといっても、ポップで可愛らしいピンクは大人の女性には敬遠されてしまったり、その逆もまたしかり。

30代後半から40代という大人の女性をターゲットにするにあたって、ソロモーノでは「シンプル」「おしゃれ」「知的」を心掛けてサービスをデザインしています。白黒を基調としたウェブサイトには指し色としてピンクが入る程度で、決してキャピキャピしていません。

「「知的」という言葉はチーム内でもよく使っていて、商品企画からサイトのデザインに至るまで意識しています。例えば、ロゴデザインやサイト名も、横文字のほうが知的なイメージが高まるのでは?といった議論を繰り返して現状のものにたどり着きました」

必要に応じて社内の手を借りながら、主要メンバー5人で開発・運営するソロモーノ。関係者の7割を女性が占めており、中にはまさにターゲット層の女性メンバーもいます。同世代としてユーザーに共感することもしながら、ユーザーがきっと喜ぶであろう新しい体験を提案しています。

首都圏100万人の独身女性が1度は使ったことのあるサービスに

ソロモーノは、まずは東京近郊でマーケットフィットを確認し、その後は全国展開も視野に入れています。目下のゴールは利用者数1万人ですが、首都圏にいる100万人の独身女性に、1人1回でもいいからソロモーノを使ってもらうことを目指しています。

また体験を増やすのはもちろんのこと、ザッパラスの強みでもあるコンテンツ制作力を活かし、読み物コンテンツも充実させていきます。体験という一種のコンテンツに加えて、その周辺コンテンツにも力を入れ、メディアとしても機能するようなサービスを展開していくとのこと。

「30代以降の大人の女性に、「自分は人生を謳歌している」と自信を持って言ってもらえるようになってほしいと思っています。世の中にある数々の素敵な体験と女性を結びつけて、彼女たちが気軽に新しいことを体験し続けられるようなサービスにしていきます」

既存事業の特徴や強みを上手く活かした形で誕生したソロモーノ。現在は女性に絞って展開していますが、「おひとりさま」というキーワードへの注目は社会的にも高まっており、将来的には男性に向けた横展開もありえると言います。まずは、ソロモーノが大人の女性にどう受け入れられていくのか、期待して見守りたいと思います。

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