絵文字はApple Watch上で交わされるコミュニケーションの未来だ

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Above: WeChat on the Apple Watch. Image Credit: Screen shot
Above: WeChat on the Apple Watch.
Image Credit: Screen shot

味気ないテキストベースのコミュニケーションに時として息を吹き込むあの小さなデジタル画像「絵文字」は、スマホの急増に伴って着実に増えている。そして、Apple Watchがついにリリースされることで、絵文字がついにコミュニケーションの主役に躍り出るかもしれない。

サンフランシスコのイベントでAppleのCTOであるKevin Lynch氏が今日、Apple Watchを使ったメッセージ送信のデモを行った(編集部注:原文掲載3月9日)。WeChatでの友人との会話を披露したのだが、その友人がFig and Oliveというレストランでの夕食はどうかと提案してきた。Lynch氏は返事をキー入力するのではなく、漫画のキャラクターが描かれた奇抜な絵を選んだ。キャラクターは親指を立てる仕草をしている。

もし絵文字以外の方法で返事したければ、Apple Watchに音声入力しなければならなかっただろう。Apple Watchの聞き取り機能がどれほどのものかは分かっていない。しかし、完璧に機能するとしても、手首に向かって話しかけようとする人はいるだろうか?

おそらく、2000年代初頭のBluetoothヘッドピースのアーリーアダプターと同じ人たちだろう。誰のことを言っているのかお分かりだと思う。このアーリーアダプターはオールバックのヘアスタイル(1990年代後半のビンテージファッションの名残?)で、耳のところにはっきりとわかる形でつけられている、ごついBluetoothのヘッドセットに向かって公衆の面前で本当に大きな声で話しかけていた。このような人を見かけなくなったのには理由がある。1つは、一般の人にとって迷惑な存在だったこと。2つ目は、ほとんどの人はデバイスに向かって叫んでいるところを人に見られたくないということだ。

デジタル象形文字である絵文字を入力すれば、多くの場合、文字を使った言葉の代わりとなる。

すでに絵文字は多くの人に利用されている。New York Magazineによると、2013年にはアメリカ人の約74%がテキスト通信を行う際に絵文字やスタンプを利用している。また中国では82%の人が使用していると話した。絵文字が台頭してくる中でApple Watchというプラットフォームがその人気をさらなる高みへと押し上げることになるだろう。

Apple Watchで効率的に話ができるようになるには、デジタル会話の進化が必要だ。そこで重要視されるのは長い会話というより、機能性が非常に高い瞬発的なコミュニケーションである。絵文字がここで重要な役割を果たす。たとえば友人から、今夜何がしたいか訊かれたとしよう。返信として、ダンスする女性の絵文字や、ビール、湯気の立つラーメンなどを送信できる。722個の絵文字から選べるので、言葉を使わずにたくさんのことを伝えられるのだ。

より複雑な会話については、絵文字が最も効果的ということにはならない。このような場合はスマホの出番だ。Apple Watchは多くの機能において、対応iPhoneが近くになくてはならないので、本格的な文字入力は1つの選択として残り続ける。

しかし、Apple Watchを買う余裕のある多くのユーザにとっては、Apple Watchがあれば概して電話を使うケースは少なくなるのだろう。その時、絵文字はコミュニケーションの最適な手段となるに違いない。

あとは使いたい絵文字を探し出せるかどうかだ。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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