太陽エネルギーのみを動力源としたソーラープレーン、初の世界一周に向けて飛び立つ

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Solar-Impulse
歴史に新たなページが刻まれようとしている。André Borschberg氏は自身のソーラープレーン Solar Impulse で本日飛び立ち、太陽エネルギーのみで世界一周に挑戦しようとしているのだ(編集部注:原文掲載3月9日)。

初の有人ソーラープレーンが発表されてから6年が経ち、翌年に初飛行が行われた。当初Solar Impulseの挑戦は多くの遅延に見舞われ、2010年の私たちの取材では、世界一周の計画は本来2012年に行われることになっていた。しかし、いくつかストップオーバーしながらサンフランシスコ・ニューヨーク間の横断達成に2ヶ月かかった2013年のフライトを含め、ソーラープレーンは小規模なフライトで何とか話題を集めてきた。

今日のフライトは、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビを現地時間の午前7時(太平洋夏時間午後7時)過ぎに飛び立ち、東に向かってインド、中国、米国、ヨーロッパそしてアフリカを通過しながらアラブ首長国連邦には8月に戻ってくる予定だ。この一人乗りのソーラープレーンは世界一周に5ヶ月かかり、また休息やメンテナンスが計画されているので多くのストップオーバーが必要なため、民間航空会社は今のところ焦る必要はなさそうだ。ストップオーバーの期間は、クリーンテクノロジーのキャンペーンにも利用される予定だ。

しかし、Borschberg氏は全行程は操縦せず、熱気球の世界記録保持者、Bertrand Piccard氏がいくつかの行程を操縦することになっている。彼は記録的な偉業を達成してきたことで有名な一族の出身だ。Piccard氏の父のJacques氏は、1960年に海の一番深い所に最初に到達した人の1人で、さらに祖父のAuguste氏は1931年に気球で初めて成層圏に到達している。

長時間飛行が求められることで、太陽エネルギーをさらに蓄える必要があるため、Solar Impulseチームは最初のSolar Impulseプロトタイプ機よりも大型のものを作る必要があった。BBCによると、ソーラープレーンの翼長は優に72mあり、Boeing 747のジャンボ機より実際に幅がある。そしてこの翼には、夜間飛行用にリチウムイオンバッテリーを充電するための太陽電池が1万7000個取り付けられている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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