Kickstarterで2万ドルを成立させた見守りロボットの「BOCCO」、その未来の姿を聞いた

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2015.4.7

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みまもりロボットのBOCCO(ボッコ)

幼少の頃、一度は遊んだことのある夢の国の住人が今、普段の生活に広がろうとしている

ーーそう、ロボットたちだ。

しかし、多くの人たちにとって、彼らが何をしてくれるのかまだよく分からないかもしれない。

例えばドローンが宅配をしてくれる世界があったとして、確かに便利かもしれないが、それだけだったら何か悲しい。ロボットやドローンは色々な夢を叶えてくれないといけない、(少なくとも私にとっては)かなりハードルの高い存在なのだ。

ユカイ工学という国内のロボット製造で際立った個性を持ったチームが世に送り出した、BOCCO(ボッコ)は、もしかしたらそんな、夢の膨らむ生活を助けてくれる存在になるかもしれない。

kickstarterで3月14日に開始したクラウドファンディングは、約3週間で予定していた2万ドル以上の予約に成功した。開発したユカイ工学代表取締役の青木俊介氏は成立にあたってこうコメントをくれている。

「今回は主に海外向けに支援を募集していて、自分たちの製品を海外にプロモーションするのは始めての経験だったのでかなり準備に時間がかかりました。結果的には多くの支援をいただくことができてとても嬉しく思います」

では、このBOCCOが叶えてくれる未来について、少しご紹介しよう。

みまもりロボットとしてのBOCCO

青木氏の「一般的な」説明によれば、BOCCOはみまもりロボット、ということになるらしい。

「この赤いセンサーをドアなどに付けておくと、動きに反応してBOCCOからスマートフォン・アプリに通知がやってくるんです。例えば子供が家に帰ってきたことがわかったり。みまもりとコミュニケーションが得意なんです」(青木氏)。

イメージビデオにある通り、BOCCOには対になるスマートフォン向けのチャットアプリ(現在はiOSのみ。Androidは7月予定)が提供されており、BOCCOを通じて音声でのコミュニケーションができる。

彼のお腹の辺りについているRECボタンを押すと、ボイスメッセージが録音でき、それをBluetooth経由でスマートフォンから送受信できる仕組みになっている。テキストトゥスピーチもサーバーサイドで提供されるので、テキストで返信したチャットは再生ボタンを押すと、BOCCOが読み上げてくれる。(文字制限は無いそうだが、API側でなんらかかかる可能性があると話していた)

つまり、BOCCOは「伝言人」の役割をしてくれるのだ。小さい子供にスマートフォンなどの「生っぽい」パソコン端末を渡すより、より人間的なコミュニケーションを可能にしてくれる。

しゃべる時や何かメッセージを受け取った時、BOCCOはその首を可愛くかしげる。その動きがいかにもロボットっぽくって不思議と愛着が湧いてくる。

もし、私が幼少期に彼と出会っていたら、違う道に進んでいたかもしれない。

未来のBOCCO

もちろんこのままでも可愛いBOCCOだが、ドローン同様、「それだけ?」と満足できない大人たちもいるかもしれない。そう、私たち(特に昭和世代)にとって、ロボットとはドラえもんなのだ。彼は四次元ポケットから無限大の可能性を引き出してくれる。

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光る目が凛々しい。自分はもっとできるよと訴えているようだ

「BOCCOにはLinuxボックスが入ってて、外から拡張ができるんです。例えば、そうですね、家電をコントロールして扉の開閉を感知して照明が点くようにしたりとか。音声認識でテレビをつけてくれたり、電気量の使いすぎを注意してくれたり。そういうスマートホームへの分野には興味がありますね」(青木氏)。

先日、VentureBeatで報じられたSiriライクな自然言語認識技術のオープンソース化は本誌でも大変な話題になったのだけど、例えばBOCCOにそういう技術を組み込んで自然な言葉で命令ができるようになれば、青木氏が説明しているコントローラーとしての役割は可能になる。

参考記事:研究者らが無償のオープンソース版Siriを開発

帰宅してBOCCOに話しかけると、今日、1日ソーシャルメディアで発信した自分のアップデートを分析して「お疲れさまです、なんだかイライラしてたみたいだから癒しの音楽を買っておきました。かけますか?」なんていう世界はもうすぐそこまで来ているかもしれない。

ドラえもんを夢見たチームラボ創業メンバー

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ユカイ工学代表取締役の青木俊介氏

ユカイ工学の青木氏は元々チームラボの創業メンバー(CTO)としてキャリアをスタートさせ、その後ピクシブを経てこのユカイ工学を立ち上げる。初めて会った時、青木氏はスマートフォンで操作ができる「目玉のおやじ」を開発していた。

「ターミネーター2でロボットにハマりました。いつかは必ずロボットを作るぞって。6年ぐらい(チームラボで)CTOをやってたんですが、やっぱりロボットが作りたくなって会社を辞めて中国行ったりしてましたね。

ドラえもんのイメージです。今だったらベイマックスとか。常に身近にいて色んなことを教えてくれたり、願いを聞いてくれる。スマートホームってなんだか顔が見えないじゃないし面白くないじゃないですか。そんなのに向かって音声認識やるより、アバターというかキャラクター性のあるものにしたかったんです。早く家に帰りたくなる、わくわくするものを作りたいですね」(青木)。

もちろん、まだまだロボットの世界観は始まったばかりだ。ソフトバンクの提供するPepperはその牽引役として時代に降臨してくれた。社会的にインパクトのある存在になるまでにはもう少し時間がかかるだろうけど、この分野にスタートアップする人はこれからも増えるんじゃないだろうか。

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