排便タイミング予測デバイス「D Free」が資金調達を実施、READYFOR上でクラウドファンディングを開始

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排泄予知ウエアラブルデバイス「D Free(ディー フリー)」を開発するトリプル・ダブリュー・ジャパンは今日、ニッセイ・キャピタルと、iStyle の投資部門であるアイスタイルキャピタルから資金調達を行った。具体的な調達額などについては明らかにされていない。

D Free は、超音波を使って腸内の便の大きさを計測、人が便意を感じるようになる仙骨が刺激されるまでの時間を予測してくれるので、ユーザはあわててトイレを探す必要がなく、便失禁の心配から解放される。健常者はもとより、パーキンソン病患者、身体障害者や高齢者など容易にトイレにたどりつけない人々が、おむつの利用をする必要が無くなり、人間が自身の尊厳を取り戻すのを助ける。

トリプル・ダブリュー・ジャパンの代表である中西敦士氏は以前、サンフランシスコに程近い Berkeley に住んでいて、歩いていける距離にある、同じく Berkeley にある新居に引越をしていたところ、道中で便意を催し失禁してしまった。この経験から一念発起し、子宮にいる赤ん坊の様子を超音波で体外から観測できるのであれば、腸内の便の状態も体外から検出できると考え、D Free の開発着手に至った。

人間(というか、基本的に動物は皆同じだが)は、大腸の中を便が流れ一定の大きさになり、肛門付近にある仙骨の神経が刺激されることで便意を感じる。D Free は身体に装着することで、腸内の便の大きさが成長するスピードをモニタし、排便に至るまでの時間を予測する。便の成長スピードや便意を感じるタイミングには個人差があるため、D Free を使用開始する際には、ユーザは BMI の投入が求められ(皮下脂肪の厚みを予測するとのこと)、利用を続けるうちに機械学習していく。2016年4月の出荷開始に向けて、D Free は予測アルゴリズムやデバイスの装着性の改善に努めるとのことなので、リリース時の仕様は多少変更される可能性がある。

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なお、今日から D Free は READYFOR 上でクラウドファンディングを開始した(排便だけではなく、排尿検知バージョンも登場している)。募集締切まで3ヶ月を残しながら、目標額1,200万円に対し、開始初日で既に1割以上の金額が集まっているので、市場の期待がどれほどのものかは読者の目にも明らかだろう。

いろんなデバイスやアプリを使って、皆、インプット(飲食物の摂取)のデータは取っているけれど、アウトプット(排泄)のデータを取っていない。健康には、食事・メンタル・運動という3つの要素が必要。

インプットとアウトプットのデータを付き合わせることで、もっとも休みましょうとか、水分を摂りましょうとか、人々の行動を変えていくことができるだろう。

また、女性の死亡率が最も高いのは大腸癌。アプリを使っての予防や、大腸癌のリスクを精緻にデータ収集することで、生命保険料のフェアバリューなどにもつなげられると思う。(中西氏)

トリプル・ダブリュー・ジャパンのチームは、コアメンバーの4名を含め、デザインやテストの協力者などを含め全員で約20名。アメリカと日本で活動しており、D Free の評判は日本のみならず、海外のメディアなども取り上げられている。

便秘に悩む日本人女性の割合は48%(なぜか、男性の割合のデータは見つからなかった)。たまに伝えられる鉄道業界の切実な状況などを目にするにつれ、これだけ科学が発達した時代なのだから、便通に関わる問題は、科学の力でなんとか解決したいものだ。「@トイレ」のようなアプリや AirPnP などと連携しても面白いかもしれない。

トリプル・ダブリュー・ジャパンのチームは先月開催された、Pioneers Festival の東京予選で優勝しており、5月にウィーンで開催される Pioneers Festival 本選に参加することが決まっている。

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