企業の設備投資のあり方を変える、B2Bに特化した資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」

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B2B特化型の資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」
B2B特化型の資産シェアリングプラットフォーム「Floow2」

個人の空き部屋を有料で貸し借りする「Airbnb」に代表されるように、使わずにあまっているモノやサービス、スキルなどをユーザー間で交換したり、共有し合う“シェアリング・エコノミー(共有型経済)”は、近年、一般消費者を中心に、様々な分野で広がってきました。

では、この新しい経済モデルを企業に取り入れると、既存の経営マネジメントや事業活動に、どのような影響を及ぼすでしょうか。

Floow2」は、2012年にオランダで開設された、世界初のB2B特化型貸し借りプラットフォームです。ユーザーは企業のみに限定され、一時的に余剰となったスペースや設備、機械などを融通し合うことができます。

具体的な仕組みは、一般の貸し借りプラットフォームとほぼ同じ。オフィススペースや会議室、倉庫、トラックや重機、農機など、貸手が貸し出したいモノを登録する一方、借手はFloow2に登録されているデータの中から借りたいものを探し、貸手と借手が合意に至ったら、貸し出しが実行されます。

なお、貸手と借手の成約時に取引額の一部を手数料として課金する他のプラットフォームと異なり、Floow2の課金モデルでは、貸し借りのために登録されるデータ件数に応じて利用料を支払う形式となっています。

FLOOW2 | How does it work? (UK) from FLOOW2 on Vimeo.

 

Floow2は、事業活動に必要な資産へのアクセシビリティを向上させ、資産の有効利用を促しているのが特徴です。借手にとっては、所有せずとも、使いたいときに使えることで、設備投資や事業コストを軽減できる一方、貸手にとっては、余剰資産を貸し出すことによって収益を得ることができます。

資産へのアクセシビリティが向上し、多様化することによって、従来の設備投資の判断基準や調達活動、資産マネジメントにも影響をおよぼすと考えられます。

たとえば、調達手段を決める際には、購入・レンタル・リースといった既存の手法に加え、「余剰資産を他社から直接借りる」という選択肢も含めた上で、それぞれのメリット・デメリットを比較することが望まれるでしょう。

また、設備投資での投資対効果のシミュレーションでは、余剰時の貸し出しによって得られる収益も考慮される必要があるかもしれません。

Floow2は、今後、シェアリング・エコノミーが企業活動にどのようにとりいれられていくのかを知るための試金石としても、注目されます。

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