ツイキャスがコマース事業「キャスマーケット」を開始

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ライブ配信サービス「ツイキャス」を運営するモイは4月22日、配信者によるチケット販売が可能になるキャスマーケット(注:サービス開始は4月22日午前10時過ぎを予定)を公開すると発表した。視聴ユーザーはキャスマーケットボタンから配信者の販売するチケットを購入することができる。

開始当初はモイが選定した配信ユーザーのみへの提供となるが、同社ではその後に一般ユーザーへの解放も予定しているとしている。配信側が売上の一部を手数料として支払うモデルで、モイによると当面は手数料無料でサービスを提供するとしている。

なお、ライブ・イベントに入場するためのチケットとしても利用可能(入場時に画面を見せる方法)で、浦和レッドダイヤモンズのチャンネルではキャンペーンとして試合の特別観戦チケットの販売も実施する。

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さて、4月8日に登録ユーザー数として1000万人の獲得に成功したツイキャスが新しい展開を見せてくれた。コマースへの参入だ。

「例えば音楽系の方々がツイキャスを使い出してて、プラットフォームの位置づけでそのファンとの『つながり』を支援できないかなと。ネットではリアルの世界と結びついていない人も多い。(コマースの展開を通じて)コミュニティの熟成度を高めるのが狙いです」(モイ代表取締役の赤松洋介氏)。

ツイキャスではこれまでにも配信ユーザーと視聴ユーザーを結びつけるアイデアとしてポイントによるアイテム課金は実施していた。しかしこれはあくまで配信ユーザーへの応援投稿で、配信側が獲得したポイントの換金はできなかった。今回のチケット販売ではより具体的な売買を通じてファンとの結びつきを強めたいという思いがあるそうだ。

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バラエティに富んだツイキャス配信者の面々。

赤松氏は、今回の展開をビジネス的な要素よりも、今あるコミュニティをさらに10倍、さらにそれ以上に拡大するためのアイデアだと話す。

「ユーザーの伸びはめちゃくちゃ加速してる訳ではないですが、それでも年々倍のペースを保っています。まだゆるいコミュニケーションを求めている人たちは多い。取れてない市場を獲得するだけでも数千万人はまだ伸びると考えてます。そのためにも、双方のコミュニケーションに深く入っていく必要はありますよね」(赤松氏)。

今回はコマース(チケット売買)という方法で配信者と視聴者の間に新しい関係性を作り出そうとしているが、例えばメッセンジャーのような要素もこの両者を結びつける方法としてあるのではないか、という話もあった。

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モイ代表取締役の赤松洋介氏と筆者。ツイキャスでは取材が難しいのでやむなくスカイプでインタビュー

そしてユーザー数拡大になくてはならないのが海外市場だ。

突如として始まったMeerkatとPeriscopeによる北米ライブ配信対決の状況を赤松氏は「Ustream配信やニコキャスが始まって瞬間的に盛り上がった時と一緒」と冷静に眺めつつ、ちょうど良いチャンスと捉えているようだった。

「北米には影響力を持ったトップティアが一定数いて、Product Huntなどをウォッチしているので、そういう人たちが右に倣えと言えばそうなる。ただ、よい機会でもあるので、現在海外向けに新しいアプリを開発しています。

現在のアプリは日本向けにローカライズしすぎているので、修正が必要なのです。無理してマーケットをこじ開けようとしても定着しませんし、1年ほど今のユーザーさんと一緒に(北米展開を)やってきたので、もう少し成果が出てくればと思っています」(赤松氏)。

赤松氏によればこの春にも北米展開に向けた新アプリのリリースを計画しているという。(つまり、今が春なのでもうすぐという意味だと思う)

ただ海外展開には動画の場合、通信料の問題がやはり大きいらしい。配信はモバイルからが多いものの「視聴」ユーザーの大半はPCからなのだそうだ。例えばパケット定額制や無料のWifi環境が広がるなどのインフラ面の変化がツイキャスに与える影響は少なくなさそうだ。

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