【ネパール地震被災者支援】ソーシャルメディア、テック大手、メッセージング・サービス各社の対応まとめ

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Image Credit: World Vision

去る4月25日、ネパールでマグニチュード7.8規模の地震が発生した。以来、10回にわたる余震の被災者は45万人、死亡者は1万人に達すると推定される。全世界がネパールに向かって救援の手を差し伸ばす中で、IT企業各社も災害復旧に力を合わせ始めた。

ネパールの惨状を世界に知らしめたドローン映像

4月27日、ソーシャルメディアの Storyful が公開したドローン映像(以下、ビデオ参照)は、ネパールの首都カトマンズの惨状を世界に知らしめた。遺跡が破壊され、瓦礫だけが残ったカトマンズの姿をそのまま電波に乗せ、SNS などを通じて全世界に広がった。

ドローン映像は、地上での調査が行き届かなかった被災地各地の状況を明らかにし、その救助や復元に役立つとのを評価を受けている。ドローンが地上調査より速く広く現場の状態を確認することができるからだ。雲が出やすいネパールの気候特性上、事故の把握が容易ではない衛星写真よりも、ドローンが撮影した映像の方が役に立つのだ。

また、ネパールでは現在、有人ヘリコプターが不足しており、ドローンがその不足を埋めている。有人ヘリコプターを被害者の救出に振り向けることができ、ヘリコプターの効率的な運用にもドローンが一役買っている。

90% の地震予測精度を誇るビッグデータ技術

ビッグデータは、地震の災害予防の段階で活用されており、現在のネパールの状況と直接関係はない。しかし、多くの死傷者を出した今回の惨事から、科学の力で自然災害を予測し、それに対応する災害管理システムを備えることがいかに重要かが明らかになった。現在、地震に関連するビッグデータ研究は、主に日本、アメリカ、中国などで行われている。

ビッグデータが災害救助に活用されたのは、2010年のハイチ地震と2011年の日本での東日本大震災の後だ。特に地震による被害が頻繁に起きる日本では、アメリカと共同で研究機関を作るなどの努力が続けられている。昨年、アメリカの NSF(National Science Foundation)と日本の科学技術庁は、データ・ドリブンな地震予測システムを研究する団体を支援するために、200万ドルの資金を集めた。

民間でも自律的なデータクラウドソーシングが行われている。ハリケーン・サンディが甚大な被害をもたらしたとき、アメリカの高校生数人が集まって、ニューヨークとニュージャージー州地域のガスが使用できるかどうかを示すオンライン地図を作成、地域社会を支援した。2010年のハイチ地震のときも、Ushahidi が作成したクラウドソーシングの地図が、救助活動に有効に活用された。

この他にも、リアルタイムの衛星データを取得し、90%の精度で地震を予測する Terra Seismic、Quake Hunter などのサイトが稼働中だ。日本の NPO である GEM(編注:対訳確認中)は、発展途上国を対象に非常に洗練された地震リスク評価情報を提供している。

Google、Facebook、Twitter、Apple の対応

Google は、2010年の50万人の死傷者を出したハイチ地震後に Person Finder を提供して救助活動を支援した。救助当局や知人がSMSで生存者についての情報を継続的に登録することで、Googleがその情報を収集し、データベース形式で保存する。ネパール、インド、アメリカで「search ◯◯◯」とテキストメッセージを送信すると、知人の生存を知ることができる。ネパール地震が発生した最初の2日間、Person Finder は合計5,300人以上の生存情報を収集した。Google の音声通話サービスである「Google Voice」は、ネパールから電話をかけるときのコストを毎分0.19ドルから0.01ドルに値下げした。

<参考資料>

Facebook も、同様に生存者の確認サービスを稼働している。Facebook の Safety Check Service は、被災地内でモバイルのGPS信号を取得した生存ユーザについて、その安全を Facebook の友人に通知することができる。この機能は、2011年に日本の津波震災以降に開発された。

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このほかにも、Twitter は専用の公式アカウントを開設し、ネパールの救急対応施設の連絡先や災害に関する最新ニュースを伝えている。Apple は iTunes に保存されているクレジット決済情報を元に、アメリカ赤十字に5〜200ドルを寄付できるようにした

モバイル・メッセージング・サービス各社の動向

Nepal_imageLINE は被災者支援のためにドネーションスタンプ「Pray for Nepal」を LINE STORE で販売し始めた。5月31日まで0.99ドルで販売されるスタンプの収益は、被災地の救援活動に全額寄付される。2013年にフィリピンの被災者を支援した LINE は、スタンプの販売を通じて5,877万円をフィリピン赤十字に寄付した。東日本大震災時の復興支援スタンプ「3.11 こどもスタンプ」の販売では、Save The Children に2,789万円を寄付した。

このほかにも、モバイル通話アプリ Viber は、ネパール在住者と、ネパール国外からネパール国内向けの電話を無料に変更した。2013年に台風がフィリピンを襲った際にも無料通話サービスが提供されている。

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

【原文】

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