中国の「スタートアップのためのスタートアップ」がエンジェルラウンドで240万米ドルを調達

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中国では財政支援の増加を受け、ここ数年でスタートアップ市場は急激に成長している。考え得る事業すべてに関して、それぞれスタートアップがあり(場合によっては5つのスタートアップが集まっていることも)、その中には当然ながら「スタートアップのためのスタートアップ」も含まれている。当然この中にはスタートアップのためのスタートアップも含まれる。直近の例としては、シードラウンドでPangu Venture Capitalから1500万人民元(240万米ドル)の資金を調達したばかりの起業支援プラットフォームおよびアプリを提供する Joychuang(衆創)がある。

Joychuang は他者の起業をターゲットととしたSaaS会社であり、提供するモバイルアプリとオフラインイベント(スタートアップの拠点である北京と上海の2ヶ所に会場を持つ)を通じて、起業家の資金調達、優秀な人材の募集、事務所スペース探し、イベント開催、その他多くの支援を目標としている。Joychuang は自らをスタートアップのための総合サービスと宣伝し、提供するサービスには会計支援や会社の登記も含まれており、オンラインインキュベータのようなもの(少なくとも理論的には)である。

Joychuang は多くのサービスの提供を約束しているか、現実に実行可能かどうかはまた別の話だ。設立者の Wu Minghua(呉明華)氏は2003年以降スタートアップを顧客とするスタートアップを3社ほど立ち上げた経歴があり、当然起業について十分な経験を持つが、同社もまだ初期段階にあることは明白である。同社のサイトはなかなか素人っぽく、アプリのダウンロードリンクも切れているようだ(所在地のページにはなぜかギリシャの豪華な海辺の町の巨大な画像が掲載されている)。

アプリ自体もイケていない。Joychuang はいずれは幅広いサービスを提供する予定ではあるが、現段階では同社のアプリは他のプロバイダに転送しているだけのような印象を受ける。例えば会計士を探している場合、スタートアップの会計を行う第三者の会社がいくつか表示されるが、アプリではこれらの会社に連絡を取る以上のことをできるわけではない。大した総合サービスだ。

ただ、Joychuangはまだ若い会社なので、シードラウンドで調達した240万米ドルも大いに役立てられることであろう。このスタートアップのためのスタートアップは総合的なSaaS会社としての約束を果たすことができるのか、あるいは起業家を第三者へ誘導するだけのリスティングサイトになってしまうのか要注目だ。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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