チャット感覚でメールをやりとりできるモバイルアプリMailTimeがバージョンアップ、日本語に対応

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Eメールを、Facebook メッセージや LINE のような、スレッド形式/チャット感覚でやりとりできるアプリが増えている。以前にも、日本発でこのような機能を持っているメッセージアプリとして SwingMail などを紹介している。

今回紹介したいのは、サンフランシスコ発の MailTime というメッセージアプリだ。5月末にリリースされたバージョン2.0では日本語を含む12ヶ国語にローカライズされ、iCloud、Gmail、Outlook、Yahoo、AOL、Hotmail などのメール受信に対応できる。スワイプするだけでメールがアーカイブできたり削除できたりする点は Inbox や Mailbox のインタフェースにも似ているが、メールの内容を機械学習し、@(アットマーク)で作業者をメンションすることで、受信ボックス上でタスクの To Do 管理ができる機能を備えているのは特筆すべき点だろう。

MailTime の2人の創業者は以前、香港のインキュベータ Cyberport(数碼港)を拠点に TalkBox という音声メッセージアプリ(中国人がよくケータイに向けてメッセージを録音している、プッシュ・トゥ・トーク型のアプリ)を開発し1,300万人のユーザを擁していたが、Tencent(騰訊)のメッセージアプリ WeChat(微信)が TalkBox の機能を追随したためにピボット、現在の MailTime の形となった。昨年にはサンフランシスコへ拠点を移動、中国・香港発のスタートアップとしては初めて、昨年の TechCrunch Disrupt 2014 のピッチ・セッション「Startup Battlefield」でプロダクトをローンチした。

MailTime の CMO Charlie Sheng は、THE BRIDGE に対して次のように語ってくれた。

他のアジア諸国に比べ、日本ではメールが大きな意味を持っているのを知っています。だからこそ、特に日本語版を出すことには力を入れました。

さまざま情報ツールに社外からもアクセスできる海外企業に比べ、セキュリティ確保という大義のもと、社外からはメールでの情報共有に依存せざるを得ない日本企業は少なくない。コミュニケーションのためには仕方ないにせよ、タスクのアップデイトに関わるメッセージの往来で受信ボックスが溢れかえるのもはうんざりする。これをインタフェースの工夫で改善しようとしたのが MailTime のコンセプトだ。

我々が作ろうとしているのは、メールアプリではなく、メールのシステムの上で動くオープンなメッセージシステムです。ピボットしてからの長い道のりの中で、メッセンジャーがクローズなネットワークであるということに気づいたんです。つまり、私が WeChat(微信)のユーザで、あなたが LINE を使っていたら、コミュニケーションできません。互いに同じアプリをダウンロードする必要があります。

それとは対照的に、メールはオープンかつユニバーサルです。Gmail ユーザは Yahoo Mail のユーザにもメールできる。しかし、メールはデスクトップでもモバイルでも、ユーザ・エクスペリエンスがひどい。何度も同じシグネチャーやメタデータを見せられることになります。そこで、メールをもっと簡単に、チャットのように使えるようにしたわけです。

MailTime のモバイルアプリは、iOS 用に iTunes AppStore からダウンロードが可能、Android 用は目下開発中で、公開され次第、告知の案内を受け取ることができる。

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