シンガポール発の非テクノロジービジネス向けチャットアプリ「Pie」が、グリーベンチャーズらから120万ドルを調達

Tech in Asia by Tech in Asia on 2015.6.16

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Pie の共同創業者 Pieter Walraven(左)と Thijs Jacobs(右)。

Pie は、ユーザにテクノロジーの了見を求めない、職場向けのチャットアプリだ。このシンガポールのスタートアップは今日(原文掲載日:6月5日)、シリーズAラウンドでグリーベンチャーズ、シンガポール有数の企業トップを務めた Koh Boon Hwee 氏、Wavemaker Partners、起業家の Dennis Goh 氏、YSS Capital の Ivan Yeo 氏から120万ドルを調達したと発表した(この情報について TechCrunch に感謝)。

しかし、この領域で Slack に対抗して、さらに機能を絞り込んだアプリとは、どのようなものだろうか。Pie の共同創業者で CPO の Pieter Walraven は、話題に上る Slack とは全く異なる領域なのだと語る。

世の中の多くの人というのは、テクノロジー分野で仕事しているわけではないですよね? シリコンバレーで働いている人、テクノロジーに敏感な人にとっては Slack が勝者になるでしょう。しかし、メディアに勤務していたり、店舗を経営していたりするなら、従業員にツールの利用を強制したくはないでしょう。すべてを一から考え直さなければならない。テクノロジー分野に特化しているわけではないから、すべてが違ってくる。

Walraven は Tech in Asia に対し、テクノロジーに敏感ではない人からの注目を、プロダクト中心のアプローチや社員を雇用する上での哲学に反映させているのだと語った。

シリコンバレーでは、たいていの企業はプロダクトにフォーカスしていて、品質、細部、デザインに固執している。経験的に、我々は、そのようなアプローチがシンガポールでは極めて稀であることを知っている。そして、我々の投資家は、その考え方をすごく気に入っている。

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Pie は、プロダクトやそれを際立たせる細部に集中しているのだという。

Walraven は、同社のプロダクトに対して深いパッションを持っている人を雇用しているのだとも語った。

当社の社員は、これまでにメッセージ・アプリの開発をしてきた人たちだ。細部にこだわり、デザインにパッションを持っている。

面接に来た人が、好きなアプリを尋ねられて、スムーズなボタン動作やアニメーションの細部について熱心に話し始めたら、その人は適任である可能性が高い。

テックギークじゃない人のために設計

Pie はソフトウェア・エンジニアにフォーカスしているわけではない。Walraven は、同社の決め手について教えてくれた。

我々は、テクノロジー業界の人が忘れてきた分野、避けてきた分野にいるんだ。テクノロジー業界の人はたいてい、自分たちのため、スタートアップのため、テクノロジー企業のためにプロダクトを作る。我々は全く違う。我々は、飽和していない分野で、テクノロジーに敏感ではない人たちを相手にしているんだ。

Walraven にはモバイルゲーム開発会社 Playfish での勤務経験があり、これが Pie が同社のプロダクトで手がけたいと考えた挑戦につながっている。Playfish、Pie のいずれの場合においても、ユーザは簡単かつ効率的なエクスペリエンスを手にするだろうが、その裏で起きているのは全く違った状況だ。

私が Playfish で作っていたソーシャルゲームは主婦に使われている。テクノロジーに敏感ではない人向けにデザインするのは、本当に大変なことだ。

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Pie は、Apple Watch のアプリを開発する企業として、アジアから招待された企業のうちの一社だ。

同社は現在、特にアメリカで戦略的な提携関係を模索している。クラウド・ストレージの Dropbox とは既に協業を始めており、iOS 8 上では綿密なアプリ連携を行うことで、Pie のアプリ上から Dropbox のファイルに直接アクセスができるようになっている。

Walraven は、そのシンプルさと細部へのこだわりの哲学から、Pie が好意的に評価されている、と語った。

新しいことしようとする、昔ながらのソフトウェア会社は大勢いる。しかし、そこにはクラウド企業がいる。クラウド企業のプロダクトはコモディティ化が進み、基本的には今では無料で利用できる。そんな状況で、彼らと競合しようと考えるのかい?

この質問に対する Walraven の答えは、ユーザをつなぎとめられるように、ストレージ・プラットフォームの上に、より完成されたサービス一式を構築するということだった。Google がまさに、その種のプロダクトを開発しているのに似た動きだ。

Google は、Google Drive と連携するプロダクト一式を持っているが、クラウド・ストレージしか提供していない他のプレーヤーは、差別化のためにも、そういうサービス一式のエコシステムを構築し始めなければならないと思う。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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