Skyland Ventures Fest Tokyo #SVFT のスタートアップバトルで、海運効率化SaaSの「Shippabo」が優勝

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本稿は、Skyland Ventures Fest Tokyo の取材の一部である。

21日、東京・品川のマイクロソフト本社で、今回初となる Skyland Ventures Fest Tokyo が開催された。イベントの最後のセッションとなる「スタートアップ・バトル」には、日本の内外から10社のスタートアップが登壇。ロサンゼルスを拠点として、海運の業務効率化ソリューションを提供する「Shippabo」が優勝した。

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Shippabo は、SaaS ベースの海運業者(日本で言うところの乙仲だと思われる)向けプラットフォームだ。中小輸入業者はしばしば、乙仲業務が遅く、荷物がどこにあるかわからない、輸入に関わる書類が煩雑などの問題に直面するが、Shippabo はこれらのワークフローを自動処理で解決し、輸入業者にとって、より条件のよい乙仲が探せるマーケットプレースを提供する。拠点はロサンゼルスだが、海運業のシェアから、極めてアジア市場にフォーカスしているとのこと。

優勝した Shippabo にはレアジョブ、Ginzametrics、+822 Summit、Tech in Asia から総額1.5万ドル相当分の副賞が贈られた。

「スタートアップ・バトル」の審査員を務めたのは次の方々だ。

  • Fidelity Growth Partners Japan代表 David Milstein 氏
  • グロービス・キャピタル・パートナーズ Chief Strategic Officer 高宮慎一氏
  • セールスフォース・ベンチャーズ 日本代表 浅田慎二氏
  • リクルート・ホールティングス エグゼクティブ 岡本彰彦氏
  • DeNA プリンシパル James Riney 氏

以下には、惜しくも優勝は逃したものの、スタートアップ・バトルに登壇したファイナリスト残り9社を紹介したい。

Ikkai

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Ikkai は、時間のない忙しいビジネスパーソンとアルバイトを求める学生をマッチングさせて「一回限りのタスク」をアウトソースできるマーケットプレイス。審査員からは、99Designs や Gengo のような既存のクラウドソーシング・プラットフォームとどのように差別化するのかとの質問が挙げられ、プレゼンをした CEO の Thomas Pouplin 氏は、(デザインや翻訳のような)特別な専門スキルを必要としない簡単なタスクに特化していると答えた。

DAWGS(サービス名:SnShot)

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SnShot は、Twitter、Instagram 等のSNSにイベントのハッシュタグをつけて写真をアップロードし、イベント会場などに設置された専用写真プリントマシンで簡単に印刷することができるサービス。先日東京で開催された PayPal Braintree_dev. BattleHack Tokyo でも2位の座を獲得している。BLEビーコンで会場内にいるユーザー対してクーポンの発行などが可能。

マネタイゼーション・ポイントについての質問に対し、アイドルやアニメ・キャラクタなどのデザインや、写真が反映されたTシャツやマグカップの販売など B(ビジネス)側の売上モデルを想定しているとのことだった。

Joker Pack(サービス名:BeeCanvas)

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仮想の電子ペーパー「BeeCanvas」上に集めたファイルや画像などの情報を簡単に共有できるサービス。5月にソウルで開催された beGLOBAL Seoul 2015 のスタートアップ・バトルにも登壇している。

現在、月刊アクティブユーザーは35,000人、蓄積されている情報量は15万件で、1ユーザの1回あたりのサービス滞留時間は19分間と長い。現在はフリーミアムモデルでサービスを展開中。

Famarrry

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Famarry(ファマリー)は結婚式の写真を撮影してくれる最適なフォトグラファーとマッチングしてくれるサービス。結婚人口が減っているにもかかわらず、ウェディングの写真のオーダー数が増えていることに着目。現在、Famarry には60人のカメラマンと1万人のユーザが登録しており、これまでに20件のオーダー取引を仲介した実績がある。1ユーザあたり、50ドル〜300ドルの手数料がカメラマンに支払われるしくみだ。

Famarry を創業した藤井悠夏氏はリクルートのゼクシィ営業部出身。その後、ベトナムでベトナム人向けウェディングポータルを立ち上げ、昨年までシンガポール人に日本でのウェディング写真撮影をコーディネートする仕事に従事していた。当初はウェディング写真にフォーカスし、将来は他の分野にも拡大していきたいとのこと。また、現在、同社は共に仕事をしてくれる仲間やエンジニアを募集している。

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Scatter Lab(サービス名:Ginger)

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メッセージングなどのテキストをベースにした感情検索サービス(人工知能)の提供。昨年の B Dash Camp にも出場していた Text at がベースになっているようだ。Text at は複数のメッセージアプリを対象にしていたが、Ginger は特にカップルアプリである Between にフォーカスしており、Between 上で交わされる男女間のメッセージ内容を分析し、関係を維持するためのアドバイスをしてくれる。

例えば、会話の中にソフトバンクホークスの話題が多ければ、Ginger はユーザがソフトバンクホークスのファンであると判断、ユーザの街でソフトバンクホークスの試合があれば、そのことを教えてくれる。

Bunguu.com(サービス名:Replia)

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デザイナーの多くは Photoshop でアプリのデザインを作ることが多く、それをそのまま、開発側で取り込むことができない。Replia は、Photoshopのクリエイティブを Objective-C/Swift/Storyboard(iOS 向け)などのコードにしてくれるサービス。Product Hunt でのフィーチャーされた。

現在は Photoshop のみをサポートする Ver. 1.0 だが、今後、Ver. 1.2 で Sketch をサポート、Ver. 1.3 で Adobe Illustrator をサポート、Ver. 1.4 で Android 向けのエクスポートを実装予定。1ライセンス24ドルで販売することでマネタイズする。

D.K.T Robotics

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D.K.T Robotics は「カワイイ」系ロボットの製作メーカー。重量5kgの人を幸せにするロボット「Mini Happy Robot」を開発、言語認識、顔認識、性別認識が可能であり人と会話ができる。ドローンとの通信、VR との連携、OCR を使った本読みも可能。

7月17日には、中国で開催される RoboCup に出場するとのことだ。

AnchorUp

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ミレニアムズ世代を対象にしたゲーミフィケーションを含む旅のプラットフォーム。見知らぬ場所で人に出会い、町を探索する楽しさを提供する。Tinder のような感覚で、提案された旅のプランを好き嫌いで選択。ミッションへの挑戦、ポイント獲得、ソーシャル共有機能、旅行者同士の結びつけなどのゲーミフィケーション機能を有する。

サービスローンチ当初は、日本に住む外国人を対象とし、次第に日本にやってくる海外旅行客、日本国外への展開へと結びつけたい考え。現在 AnchorUp 上に掲載されている旅のプランについては、AnchorUp のチームが自ら人力で集めているとのこと。

Polyglots

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Polyglots は、語学学習最大の課題である「継続」を克服するサービス。一人一人にあった「興味」、「難易度(目標設定)」、「タイミング」で学習ができるようにAdaptive Learningシステムを開発。

ニュース記事、好きな歌の歌詞など楽しめるコンテンツを用意しているのが特徴。また、ユーザには英語を教えてくれる外国人らに、オンライン・オフラインの両方でつながれる機会を提供される。当初は日本人向け英語学習サービスに特化し、将来は、日本人以外の人々向けの日本語学習サービス、世界を対象とした言語学習プラットフォームの確率を目指す。

現在のユーザ数は20万人、ユーザ継続率は70%で、月間アクティブユーザは7万人と非常に高い。iTunes AppStore で2014年のベストアプリに選ばれた。

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